不動産投資ブームに一巡感。今後の展望は? | 不動産投資を考えるメディア

不動産投資ブームに一巡感。今後の展望は?

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国土交通省が9月29日に発表した2017年8月の新設住宅着工件数は、前年同月比で2.0%減の8万562戸。貸家の着工件数は6月から前年同月比3ヶ月連続で減少しています。これは新たに着工する賃貸物件の融資体制が厳しくなっている証拠なのでしょうか。今後の融資体制がどのように変化していくか見ていきましょう。

首都圏では3割の収益物件が経営困難に

国土交通省の調べでは、アパートなどの貸家の着工件数は6月から前年同月比3ヶ月連続で減少しています。地域別戸別数で見てみると貸家が最も減少したのが中部圏で前年同月比で7.9%減。続いて首都圏で6.5%減。インバウンド需要で盛り上がる近畿圏は、1.2%減と微減にとどまっています。

アベノミクスの大規模な金融緩和の影響で地方銀行の新築アパート向け融資が急拡大し、新築賃貸物件の着工が増えて賃貸物件の空室率が上昇した結果、賃貸経営が困難になるという事態がここ最近メディアで取り上げられています。

新築の賃貸物件の融資が急増している原因として最も大きなものは、地主型大家さんの相続対策向けのアパート建築です。地主型大家さんの中には、資金難で仲介手数料も払うことができないという賃貸経営が破たんしている人も3人に1人はいると言われています。ある大手病院に勤務するサラリーマン大家さんの中には、空室が3割を超え、持ち出しが多すぎて、あと数ヶ月で破産しそうな人も少なくないそうです。

日銀の融資引き締めの影響も

このような状況を鑑みて、日本銀行や金融庁は地銀の融資を監視し始めたようです。こうした融資監視体制で割を食っているのが、これから不動産投資をスタートしようとする個人投資家です。特に手持ち資金ゼロ、年収700万円前後でフルローンやオーバーローンを利用して収益物件を購入しようとする個人投資家にはなかなか融資がつきにくくなっている状況です。実際に2017年の4月から6月の金融機関による個人向けアパートローンの新規貸出額は前年同時期に比べて約15%減少したとの統計もあります。アパートローンの条件が厳しくなっているため、不動産投資をスタートできない個人投資家も増えているのです。

ただし、金融機関によってアパートローンが下りるか、下りないかという条件はケースバイケースと言われており、全ての金融機関が横並びにアパートローンの引き締めを行なっているわけではないようです。しかしながら、新規のアパートローンの融資条件として言われているのが自己資金の割合が増えているということ。購入物件価格の1.5割を要求されるところも少なくないそうで、自己資金の少ない個人投資家にとっては厳しい状態が続いていると言えるでしょう。

上場REITが物件を買い控えしている

昨今のインバウンド需要に起因する地価の上昇も不動産投資ブームに冷や水を浴びせる格好になっています。たとえば、銀座2丁目の地価がバブル期を超え、過去最高値になっていることがニュースで話題となりました。これもアベノミクスの大規模金融緩和の影響と言えるでしょう。

こうした地価上昇を受けて、東京都内に拠点を置いている不動産投資信託(REIT)の運用会社が、2017年に入ってから購入を差し控えていることが明らかになっています。地価が上がりすぎて、物件の取得が厳しくなっているということです。大和証券の調べでは、上場しているREITが行なっている不動産取得は、第二次安倍政権が発足した2012年の水準まで落ち込んでいるとのこと。大きな資金を持つREITが買い控えをすることで、不動産価格も一巡する可能性が高まってきました。

今後は中古の収益物件が再注目される

ここ最近の不動産投資ブームで、新築のアパートやマンションを建築して投資をする手法に注目が集まりましたが、今後は、割安で収益率の高い中古の収益物件に人気が高まる可能性があります。地主型大家さんが相続対策で建築したアパートやマンションで赤字経営が続いているものでも、正しく賃貸経営を行えば、何倍もの収益を上げることも不可能ではありません。ほったらかしの賃貸経営をする地主型大家さんに比べて、不動産投資について日頃から勉強をし続けているサラリーマン大家さんに一日の長があると言えるでしょう。

ただし、物件選定の目は、今まで以上に磨く必要があるかもしれません。今後、賃貸経営に行き詰まった地主型大家さんが、手放す物件が収益物件の市場に大量に出回ることが予測されます。収益性の高い物件に投資できるチャンスでもありますが、投資先として正しい選定眼を身につけていないと騙される可能性も少なくないのです。収益が上がりづらい物件を取得してから、売却しようとしてもなかなか売却の目処がつきにくくなる可能性もあります。特に立地には注意をして物件を選定することが重要になってくるでしょう。失敗例も含め、投資の勉強をし続けることが重要になります。

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