不動産業界が大きく変わる「2022年問題」とは? | 不動産投資を考えるメディア

不動産業界が大きく変わる「2022年問題」とは?

シェアする

不動産業界が大きく変わる!? 「2022年問題」│画像1

不動産業界の「2022年問題」というものをご存じでしょうか?
2022年以降、人のいない僻地のような場所に賃貸用アパートやマンションが急増し街がスラム化する可能性があるのです。キーワードは「生産緑地」。今回は不動産業界の2022年問題についてご紹介します。

「生産緑地」とは何か?

生産緑地とは、市街化区域にある都市と農業や林業、漁業との調和を図る地域地区の一つです。2013年現在、生産緑地の大きさは1万3859ヘクタール。東京23区内でも東京ドームで約96個分の面積があると言われています。
市街化区域とは、市街地を形成しており今後10年以内に優先的かつ計画的に市街地化を図るエリアとされています。このため、市街化区域では建築確認申請をすれば、住宅を建築することができます。

生産緑地法は、緑地そのものが持っている地盤保持や保水などによって災害を防ぎ都市の景観を保全する目的で自治体が残すべき土地を指定するという仕組みで1974年に公布されました。
生産緑地がある場所は市街化区域でいずれは建物が建つ可能性が高い場所です。都市近郊の一部の自治体では農地に宅地並の課税がされることで、利益が上がらない農業を継続しても税金を払えないという事態が起きました。そこで、儲からない農業をやるよりも、儲かる宅地にした方がいいという地主が多かったため、都市近郊の農地で宅地化が一気に進みました。

2022年には農業を営む義務が無くなる

しかし、大都市でも農業を継続したいという声や、災害防止や都市景観保護の観点から急激に宅地化が進む状況を改善するため、1992年に生産緑地法が改正されました。この改正では、「宅地化を進める農地」と「市街化区域で生産緑地に指定され保全された農地」に分けられました。

自治体から生産緑地の指定を受けると、土地の固定資産税が農地並みに安くなるだけでなく、相続税の納税猶予の特例なども受けられるようになります。農地として所有していても地主にとってメリットが大きい制度に変わったのです。
ただし、法律が施行されてから30年間は、農業をするための建物以外は建築できず、農地として維持管理をする義務が発生することとなりました。そして、1992年の30年後、つまり2022年には全国の約8割の生産緑地で、農業を営む義務(農営義務)が無くなることになります。

30年経過後の生産緑地は、自治体に買取りしてもらうことも可能ですが、財政難の折、各自治体での買取りは思うように進まないことが予測されています。こうした状況を受けて政府は2017年に生産緑地法を再度改正し、30年間農業を営む義務が外れても、10年ごとに延長できる法律を作り上げました。

しかし、引き続き農業を行いたいと思っている土地所有者は多いものの、高齢化が進み、後継者不足という問題もあり、実際には土地の売却や宅地化が2022年を境に急速に進むのではないかと考えられています。

不動産投資にどのような影響があるか?

多くのニュースや新聞などで紹介されている通り、アパートやマンションは既に飽和状態で、都内の空き家率も3割を超えていると言われます。

このような状態でさらに生産緑地として活用されている土地にアパートやマンションが建築されれば、空き家率はますます上昇し、特に個人投資家にとって致命的な競合が増えることによるデメリットも指摘されています。

しかし、生産緑地活用もアパートやマンションだけでなく、農地はそのまま残して家庭農園として利用するなど様々な活用方法があるため、一気にアパートやマンション建築用地にはならないということも十分に考えられます。

しかしながら、生産緑地所有者は高齢で後継者がおらず、農地の継続が困難という相続の問題などから、生産緑地の売却を考える人は次第に増えていくことでしょう。
生産緑地は市街化区域でも広大な土地が多いため、資金に余裕があれば、そうした土地を購入して賃貸事業を拡大できる新たな投資チャンスにもなり得るのです。もちろん、そのような土地に賃貸需要がそもそもあるのか、ということを慎重に見極める必要はあります。

まとめ

不動産業界の「2022年問題」と言われる生産緑地の営農解除は、不動産マーケットに多くの新たな土地が流入する大きなきっかけとなることでしょう。しかしながら、生産緑地を所有する全てのオーナーがすぐにアパートやマンション用地として活用するとは断言できません。個人投資家の不動産投資に直ちには影響がない可能性もあり得ます。
昨今2020年問題により地価の大幅下落を予想する向きも多く見られますが、今後も不動産業界を取り巻く環境の変化に常にアンテナを張り巡らせておくことで、リスクヘッジと同時に新しいエリアに物件を持つことができる収益アップのチャンスにもつながるのではないでしょうか。

各種お問い合わせやご相談はこちら