民法改正による不動産投資の実務への影響とは? Vol.3 | 不動産投資を考えるメディア

民法改正による不動産投資の実務への影響とは? Vol.3

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ここで、おさらいです。改正民法は次の2つの観点から検討されました。一つは「社会・経済の変化への対応」の観点から、もう一つは「国民一般にわかりやすい民法」という観点からです。
「社会・経済の変化への対応」という点からの改正項目としては、連帯保証人への保護が強く打ち出された改正内容であることがポイントでした。
次に「国民一般にわかりやすい民法」という点からの改正項目について紹介していきます。

敷金返還や原状回復ルールを契約書に明記する

この改正項目では、これまで商習慣などで法律には明文化されなかった賃貸借終了時の敷金返還や原状回復ルールについての明確化がポイントになります。
ルールが明文化されていなかったが故に、敷金返還や原状回復について、オーナーと賃借人のどちらが負担するのかトラブルになりがちでした。そうしたトラブルをなくすべく、今回ルールが明文化されたのです。

敷金については、賃貸借契約が終了して賃料の未払い分や故意、過失による損傷の修繕費用などがない限り、明け渡しを受けた時にオーナーは敷金の全額が返還されます。これまでの判例上のルールが明文化されたのが改正民法の特徴として挙げられています。

これは原状回復についても同様です。
通常の使用によって生じる部屋の傷や汚れ、経年変化によって生まれる汚れや色の変化などは、原則としてオーナーの負担となります。
ただし、補修費用を負担する範囲が賃貸借契約書に具体的に明記されている場合は、賃借人の負担とする特約を設けることは改正民法の施行後も問題がないとされています。

「敷引き」も違法にならない

一部の地域で行われている商習慣で「敷引き」というものがあります。これは、賃貸借契約終了時に敷金のうち一定額を無条件で差し引かれるものです。
たとえば、敷金が50万円で敷引きが20万円であれば、退去時には、残りの30万円が返還されることになります。原状回復の特約がある場合は、30万円の中からさらに差し引かれることになります。
契約書にも敷引きの特約条項が記載されているケースが多いです。この敷引き特約は改正民法の施行後にも、差し引く額が高額すぎない限り違法ではないとされています。

修繕に関して入居者(賃借人)の権限が明確化

また、修繕に関しては賃借人の権限が明確になっています。これにより、オーナーが修繕に対応してくれない場合、賃借人が独自で修繕をして、その費用をオーナーに請求することができるようになります。

ただし、条件があります。一つ目は賃借人が修繕の必要性を連絡をオーナーに連絡し、オーナーが修繕の必要性を知ったのに、相当期間修繕をしない場合。
二つ目は差し迫った事情がある場合。
そして、三つ目は賃借人の責任で修繕が必要になった場合。たとえば、お酒に酔って壁を壊してしまったなどの理由で、修繕が必要になってもオーナーはその義務を負わないということが明文化されています。

改正民法施行後はこの修繕に関する規定でトラブルが起きる可能性もあります。たとえば、修繕が発生した経緯や修繕の度合いなどがわからない状態なのに、独自に賃借人が修繕をしてしまい、その費用をオーナーに請求してしまいトラブルになるなどです。
ですので、賃借人から修繕の依頼があれば速やかに対応すべきでしょう。管理を管理会社に依頼している場合では、入居者から修繕の依頼があれば、速やかに対応するということを伝えた方がいいでしょう。再三、言っても対応してくれなければ、管理会社を変更することも必要です。

まとめ

改正民法が施行されれば、多くのオーナーが家賃保証会社を利用するケースが増えると言われています。なぜなら、個人の連帯保証人に関しては限度額を表示しなければなりませんが、法人についてはこれまで通りとされるからです。

一方、敷金返還や原状回復に明確なルールが持ち込まれることによって、客観的で公平な判断をしてくれる管理会社の重要性が高まっています。また、修繕にも迅速に対応してくれなければ、オーナーが不利な立場に立たされることになります。優秀な管理会社の選定がとても重要になるでしょう。

改正民法施行に備えて、これまでの賃貸借契約書は書き換えが必要になります。この契約書の書き換えをやってくれる管理会社もあれば、そうでない管理会社もあるでしょう。これを機会に管理会社との付き合い方を大きく見直す必要があるかも知れません。

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