メディアで踊る空室率はあてにならない!? | 不動産投資を考えるメディア

メディアで踊る空室率はあてにならない!?

メディアで踊る空室率はあてにならない!?
不動産投資の収入の鍵を握る空室率。昨今、首都圏の空室率の高さが話題になっています。
事実、賃貸市場を見てみると賃料の値引き交渉やフリーレントは珍しくない状態で、なかには敷金や礼金をゼロにして募集しなくてはならない物件も多いと言われています。
しかし、一方で過去に比べると賃貸マンションや賃貸アパートの新設着工数は、それほど高くないことが指摘されています。それではなぜ空室率が高まっているのでしょうか。
一方で管理会社がいかに優秀かという指標も空室率にあります。悪質な管理会社では、空室率を計算する基準を操作して、低い空室率を算出しているケースも多いと言われています。オーナーにとって収益の要となる「空室率」は本当に現状を表しているのか、空室率がどのように決まっているのか。調べてみました。

空室率はどのように決まっているのか?

まず、一口に空室率といっても統一された指標ではなく、調査をする機関やサブリース会社、管理会社によって、空室の定義も調査方法もバラバラで統一性がないということがあります。
ある瞬間の時点で空室率を判定する会社もあれば、物件の年間稼働日数から空室率を割り出したケースもあります。また、賃料収入をベースとして空室率を割り出す調査会社もあるのです。そのため、その数値が客観的に賃貸市場の現状を本当に表しているかどうかは「空室率を見る立場によって異なる」ということが言えるでしょう。
空室率は、大きく分けて次の3つの方法で計算されます。

①時点ベースで計算する空室率
②稼働ベースで計算する空室率
③賃料ベースで計算する空室率

一般的な空室率は時点ベース空室率

まず、①の空室率は、あるエリアのその瞬間の空室率の計算方式です。例えば、あるエリアに100戸の物件があり、このうち10戸の物件に空室があった場合、空室率は10%となります。一般的に空室率というとこのように計算されてデータ化される場合がほとんどです。
不動産物件の評価会社の業界最大手は、この方法で計算された空室率を提示しています。計算の元となるデータは、民間情報会社のデータです。民間情報会社は傘下の不動産会社から得られた賃貸住宅の空室募集情報をデータ化し、空室率を計算しています。この計算方法では、空室率は高めに計算されます。

サブリース会社が活用する空室率

②の稼働ベースで算出する空室率は、実際に部屋が稼働したかどうかで計算する空室率です。例えば、賃貸借契約があるということが稼働しているとするならば、1年のうちで賃貸借契約がなかった日数の割合が空室率になります。計算方法は以下の通りです。

解約戸数×平均空室日数÷全戸数×365日=稼働ベース空室率

例えば、解約個数が10戸で平均空室日数が90日、全戸数が100戸の稼働ベース空室率は、2.5%(小数点2位四捨五入)になります。空室が時点ベースの空室率が同じでも、稼働している戸数が多ければ空室率は少なくなります。
この計算方法はサブリース会社などが採用している空室率の計算方法で、自社が管理して営業努力を続けている物件を対象としていることもあり、何を持って稼働しているのかによって、空室率が大きく変動します。

いかにキャッシュロスが増えているかを計算する空室率

③の賃料ベースの空室率は、日数ではなくて賃料ベースで計算をします。例えば、満室想定で月額賃料が100万円のアパートが10戸あるとします。年間の想定収入は1200万円です。このうち年間で2戸が3ヶ月空室になり、9万円でしか契約を決められなかった場合の空室率を計算してみます。計算式は次の通りです。

想定年間家賃−(入居部屋の家賃+空室後決まった部屋の家賃)÷想定年間家賃=賃料ベースの空室率
1200万円−(120万円×8戸=960万円)+(9万円×12−3ヶ月×2戸=162万円)÷1200万円=6.5%

この計算式で空室率を算出すると、想定賃料との差異や家賃の未回収分が計算に入れられるので、空室率が高めになる傾向があります。ただ、この指標は賃貸経営を行なっている上では、このような指標があった方が問題点を把握することができる指標と言えるかもしれません。
③の空室率の計算方式を出している管理会社はまだまだ少ないものですが、このようにキャッシュフローベースで実態に即した数値を出してもらえる管理会社であれば、委託してもいいと言えるでしょう。

まとめ

一口に空室率といっても、様々な計算方式があるため、どのような定義や基準に基づいて計算されているのかきちんと調べる必要があると思います。
①の時点ベースで計算される空室率だけを見ていては、たまたま引越しの時期などのデータを見て、賃貸需要の実態を見誤ることもあります。
②の稼働ベースで計算される空室率だけを見ていれば、悪質な管理会社に騙されてしまう可能性もあります。データの定義や計算方式を見ながら、総合的に判断することが重要になります。

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