勝手に不動産契約の保証人に!?知っておきたい「無権代理行為」とは? | 不動産投資を考えるメディア

勝手に不動産契約の保証人に!?知っておきたい「無権代理行為」とは?

シェアする

20190204

「家族や親戚が勝手に自分を保証人にしてしまっていた。」

こんな話は自分とは全く無縁のように思われるかも知れませんが、実は非常に多く相談されている事案です。

試しに某有名法律相談サイトで「保証人 勝手に」と検索してみると、ヒットする相談数は何と2600件を超えます。

それにしても、勝手に保証人にされてしまうというのは一体どういう事なのでしょうか?

今回は、実際にあった相談の事例と併せ、勝手に保証人にされた時のために覚えておきたい「無権代理行為」について解説いたします。

不動産取引でよくある「保証人」の相談

実は「勝手に保証人にされてしまう」ケースは、さほど珍しい事案ではありません。

中でもよくあるのが、「いつ間にか賃貸物件を借りる際の保証人にされていた」というケースです。

例えば、ヤフー知恵袋では以下のような相談が見受けられます。

母親に、事後報告でアパート賃貸の保証人にされました。
「不動産屋から確認で電話かかってくるからお願いね!」と、勝手に名前、住所、印鑑を押したらしいです。
私は一切関わりたくないです。

■引用:ヤフー知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13178275188?__ysp=6LOD6LK4IOS%2FneiovOS6uiDli53miYvjgas%3D

賃貸住宅の保証人に勝手にされていました。
住宅管理会社より、支払いの請求が来て初めて分かりました。
賃貸の契約者は知らない人でしたが、別れた妻と暮らしている娘に聞いてみたところ、10年以上も前に付き合っていた彼氏との事でした。これからどのような対応をしたら良いのでしょうか?

■引用:ヤフー知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10137139380?__ysp=6LOD6LK4IOS%2FneiovOS6uiDli53miYvjgas%3D

この2つはどちらも賃貸物件の保証人にされてしまった事例です。

賃貸契約は授受される金額が比較的少額であるため、連帯保証人に連絡せず契約完了となることもあり、相談件数も多くなっています。

本人の了承を得ていなければ「無権代理行為」にあたる

勝手に保証人にされるなんて、もし不動産投資ローンの話だとすると少々怖い話です。

ただ不動産売買の場合、銀行のローン契約前には必ず連帯保証人に連絡を入れますので、なりすましの連帯保証人を用意するなど悪質なケースでもない限り、勝手に保証人にされることは滅多に起こりません。

しかし、もし勝手に保証人にされたという事案に巻き込まれたら、「無権代理行為」の可能性がありますので、覚えておいて損は無いでしょう。

無権代理行為(むけんだいりこうい)とは…
第三者が保証人となる人の承諾を得ること無く、勝手に保証人の代理として行う行為

「代理権」を持っていない人物が、勝手に保証人の代わりとして動くことを無権代理行為と言います。

先ほど賃貸物件の保証人にされたケースを例に挙げましたが、いずれも本人の承諾を得ずに署名、捺印までしていますので、完全な無権代理行為であり、場合によって「詐欺」「私文書偽造」で刑罰が下されます。

当然、無権代理により勝手に保証人にされたのですから、その契約も無効です。

ただ安心はできません。勝手に保証人にされた場合、適切に対策しないと非常に面倒なことになる可能性があるのです。

勝手に保証人にされた場合の対策方法

勝手に保証人にされる事案の多くは、大抵の場合、債権者が契約前に連帯保証人に確認連絡をしていなかったことが要因であり、「身に覚えがない」と言えば引き下がってくれるケースもあるようです。

ただ、全ての事案がそうなるとは限らず、勝手に保証人にされた場合は以下のような対策を講じなければなりません。

・「保証人になっていない」という証拠を集める
・保証人になっていない事が証明ができなければ裁判で証明する
・保証人契約がローン関連の場合、個人信用情報機関に記録の抹消依頼をする

被害者は自分だけでなく、債権者も同じです。よって、債権者がどうしても納得してくれないこともあり得ますので、自分で保証人ではないという事実を証明をしなければなりません。

更に面倒なのが、もしローン契約に絡む話だった場合、個人信用情報機関に名前が登録されているケースです。その場合、個人信用情報機関に記録の抹消を依頼する必要がありますが、これには決まった手続きというものがありません。

なぜなら、基本的に個人信用情報機関は個人からの依頼で記録を抹消することは無いためです。

とはいえ、無権代理行為により違法に登録されてしまったのですから、「保証人だと一切認めない」という毅然とした態度で淡々と証拠集めをして相手を納得させることが再優先事項となります。

そして、個人信用情報として記録が見つかったら、それを抹消するためにどうすべきか、個人信用情報機関に相談して解決の糸口を探る必要があるでしょう。

完全な解決は難しい…注意しておくべきこと

最後に注意しなければならない2点をご紹介します。

・どんな話をされても保証人であることを認めない
・どんな理由があっても1円でも支払ってはいけない

まず、前章で「保証人だと一切認めないことが大事」とお伝えしたのには理由があります。

仮に自分が賃貸物件の保証人にされていたと判明した場合、以下の管理会社とのやり取りが正しいかどうかを考えてみましょう。

管理会社「家賃が半年滞納されていますので、保証人のアナタが払ってください」

自分「契約者は自分の兄弟ですが、保証人になった記憶はありません」

管理会社「でも、署名も捺印もされていますよね?払ってもらわないと困ります」

自分「保証人になっていないのだから支払う義務はありません。何度も電話してこないでください」

管理会社「分かりました。ただ、このままだと遅延損害金を含めてアナタに法的な返済義務が生じます。1万円とか5千円とか、いくらかだけでも払ってもらえれば、あとは借主と連絡を取るようにしますが?」

自分「分かりました。では振込先を教えてください」

実際に債権者がこのような話をするかどうかは別として、絶対に忘れてはいけないのは「債権者が何と言おうが1円も払わないこと」です。1円でも支払ってしまうと「追認」となる可能性があります。

追認(ついにん)とは…
当初は保証人になると承諾していなくても、後追いで保証人であると認めること

つまり、滞納となっている家賃を一部でも支払ってしまうと、「私は支払う意思があります」と認めてしまっていることになるのです。

ただし、上記の例では、管理会社が「アナタに法的な返済義務が生じる」という嘘を付いています。嘘や脅迫などの事実があれば「追認」は成立しません。しかし、逆に追認を非成立と主張するためには「嘘を言われた」ことの証明も必要となります。

こう考えると、どう転んでも非常に面倒なことになるのがお分かりいただけるかと思います。

こんな面倒なことに巻き込まれないためにも、先ほどお伝えした「法的に保証人ではないと結論が出るまでは、絶対に認めず、1円たりとも支払わない」ということが何よりも大事です。

勝手に保証人にされるという事案は個人で解決するのが難しい場合も多々ありますので、無理に自分の判断で主張を続けるのではなく、最初から弁護士に相談することも検討した方が良いでしょう。

まとめ

今回は、不動産契約に関わる保証人を前提に無権代理行為を解説してきました。

ただ無権代理行為は不動産に限らず、各種手続きにおいて広く適用できる考え方です。例えば、勝手にカードローンの保証人にされた場合も該当しますし、親子喧嘩で勝手に住民登録を変更された場合も同様です。

夫婦や家族といった極めて親密な間柄なら心配ないという方も多いかも知れませんが、万一の時に自分が思わぬ被害を受けないように、「無権代理行為」が少なからず存在するという事を知っておいて損はないでしょう。

4.5/5 (2)

記事の平均評価

各種お問い合わせやご相談はこちら