地価LOOKレポートとは?2019年に発表される公示地価を予測 | 不動産投資を考えるメディア

地価LOOKレポートとは?2019年に発表される公示地価を予測

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先日、国土交通省により平成30年第2四半期の地価LOOKレポートが公表されました。内容は、主要都市の地価は緩やかな上昇基調が継続している結果となり、横ばいから上昇に転じた地区も増えている。特にオフィス市況や訪日観光客による不動産需要が活況であり、利便性の高い地区でのマンション需要も堅調であるとのこと。

■国土交通省:主要都市の地価は95%の地区で上昇基調~平成30年第2四半期の地価LOOKレポートの結果~
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo04_hh_000152.html

ところで、「地価LOOKレポート」という言葉に馴染みのない方は意外と多いのではないでしょうか。全く知られていないわけではありませんが、実は公示地価や路線価、基準地価などの国が調査する地価動向の先行指標となるものなのです。今回は、地価LOOKレポートとは何か、地価LOOKレポートによってどんなことが分かるのかを中心に解説させていただきます。

地価LOOKレポートとは?

地価LOOKレポート(チカルックレポート)とは、一言でご説明するなら「土地価格の先行指標」といったところになります。公に発表される土地価格というと、国土交通省による公示地価、都道府県の基準地価、国税庁による路線価といった3つが有名ですが、地価LOOKレポートは国土交通省が「一般財団法人 日本不動産研究所」に委託して100名以上の不動産鑑定士によって調査されるものです。

公示地価などの3つの地価と明らかに違うのは調査する地点の数。3つの土地価格と地価LOOKレポートの地点数の違いを見てみましょう。

公示地価 26000地点 (平成30年)
基準地価 21644地点 (平成29年)
路線価 約32万4千地点 (平成30年)
地価LOOKレポート 100地点 (平成30年第2四半期)

調査地点がこんなに少ないのでは正確な地価とは言えないのでは?と思われる方は多いかと思いますが、地価LOOKレポートはあくまで地価動向が現れやすい高度利用地の地区の調査であり、言わば「代表的な地価を先行的に明らかにする」のが目的です。そもそも、四半期ごとに大掛かりな全国の地価調査するのが難しいことを考えると致し方ないとも言えるでしょう。

また、確認することができるエリアは「全国」「東京圏」「大阪圏」「名古屋圏」「地方圏」という5つに分類されており、地域性としては住居系と商業系の2つに大きく分けられています。評価地点も公示地価や路線価のようにはっきりした住所は示されず、「東京都港区赤坂・東京メトロ千代田線の赤坂駅周辺。」といったような大まかな地点のみが公表されます。

直近の地価LOOKレポートを分析

では、実際に2018年(平成30年)の地価LOOKレポートを見てみましょう。

「第1四半期」 「第2四半期」
6%以上上昇した地点:0% 6%以上上昇した地点:0%
3~6%上昇した地点:15% 3~6%上昇した地点:13%
0~3%上昇した地点:76% 0~3%上昇した地点:82%
横這い(0%)の地点:9% 横這い(0%)の地点:5%
0~3%下落した地点:0% 0~3%下落した地点:0%
0~3%下落した地点:0% 0~3%下落した地点:0%
3~6%下落した地点:0% 3~6%下落した地点:0%
6~9%下落した地点:0% 6~9%下落した地点:0%
9~12%下落した地点:0% 9~12%下落した地点:0%
12%以上下落した地点:0% 12%以上下落した地点:0%

公示地価がその年の1月1日時点での地価を公表したものに対して、地価LOOKレポートは、四半期ごとに代表的な100地点に絞って調査しています。やや正確性は落ちるもの、全体的な土地価格などをリアルタイムで確認することができる上、不動産市場の変化を一早く読み取ることができる指標となります。

上記を見ると第2四半期は3~6%上昇した地点が微妙に減ったものの、横ばいから上昇に転じた地点が多かったことが分かります。これまで上昇しなかった地点が上昇したということは、地価の底上げがされたとも取れる内容と言えるでしょう。

地価LOOKレポートの精度の良さを実証

ではここで、「商業エリアの公示地価」を例にして地価LOOKレポートの精度の良さを解説したいと思います。

2007年(平成19年)から調査が始まった地価LOOKレポートですが、地価LOOKレポートと商業地域の公示地価変動率の過去のデータ(全国)を比較してみると、しっかりと連動していることが分かります。実際にどれほど連動しているのかご覧いただくため、過去に地価の上昇下落がハッキリと現れた時期で比較してみたいと思います。

2007年(平成19年)第4四半期の地価LOOKレポート
6%以上上昇した地点:5%
3~6%上昇した地点:47%(全国的に上昇している)
0~3%上昇した地点:35%
横這い(0%)の地点:11%
0~3%下落した地点:2%
2006年と2007年における公示地価変動率の比較
2006年:-2.7%
2007年:+2.3%(5%上昇)
2008年(平成20年)第4四半期の地価LOOKレポート
横這い(0%)の地点:1.3%
0~3%下落した地点:22%
3~6%下落した地点:49.3%(全国的に下落している)
6~9%下落した地点:16.7%
9~12%下落した地点:8.0%
12%以上下落した地点:2.7%
2008年と2009年における公示地価変動率の比較
2008年:+3.8%
2009年:-4.7%(8.5%下落)
2011年(平成23年)第4四半期の地価LOOKレポート
0~3%上昇した地点:10.7%
横這い(0%)の地点:46.7%(ほぼ変わらず)
0~3%下落した地点:42%
3~6%下落した地点:0.7%
2011年と2012年における公示地価変動率の比較
2011年:-3.8%
2012年:-3.1%(0.7%上昇)
2012年(平成24年)第4四半期の地価LOOKレポート
3~6%上昇した地点:2%
0~3%上昇した地点:32%(上昇傾向にある)
横這い(0%)の地点:49.3%
0~3%下落した地点:16.7%
2012年と2013年における公示地価変動率の比較
2012年:-3.1%
2013年:-2.1%(1%上昇)

不動産鑑定士が代表的な地点を調査しているのですから、上記の結果となることは当然と言えば当然。しかしながら、上記の通り地価LOOKレポートと公示地価を突合して見てみると、実に微妙な変化まで公示地価と連動していることが分かります。特にそれが顕著に分かるのが、3つ目の2011年と2012年における地価の変動です。

直近の地価LOOKレポートでは調査地点の約半数が横這い、0~3%下落した地点も半数ほどとなっており、全国的に微妙に下落していることが分かります。それに対して2012年の公示地価では、前年度と比べて上昇にはならなかったものの下落率は微妙なものとなっています。

2018年9月発表の基準地価予測!

冒頭でもお話した通り、今年は既に2018年(平成30年)の第2四半期までの地価LOOKレポートが公表されています。先ほどもご紹介した今年の地価LOOKレポートのデータの抜粋を見てみましょう。

「第1四半期」 「第2四半期」
3~6%上昇した地点:15% 3~6%上昇した地点:13%
0~3%上昇した地点:76% 0~3%上昇した地点:82%
横這い(0%)の地点:9% 横這い(0%)の地点:5%

第2四半期は第1四半期よりも上昇傾向が強くなっていることが分かります。

路線価発表で既に「上がった!」という声が多かったのはご存知の方も多いかと思いますが、約1ヶ月後には都道府県の地価調査(基準地価)が発表されます。基準地価は毎年7月1日時点で調査したものを毎年9月20日前後に発表しますが、地価LOOKレポートの状況からするに、恐らく大きく上昇した結果が公表されるだろうと思われます。

このような動きから見る2019年に発表される公示地価ですが、恐らく大きく上昇した結果となるのではないかと考えられます。特に今、オリンピック需要による不動産需要の高まりが惰性的に続いていることに加えて、消費税の増税を控えて不動産価格が上がっていますので、大きな経済不安や事件でも起こらない限り2018年後半から徐々に消費税増税前の駆け込み需要が表面化してくることが予想され、少なくとも来年度を迎えるまで土地価格も上昇傾向が続くだろうと予想されます。

当然、不動産デベロッパーらは既に開発に必要な土地を取得しているだろうと考えられますが、現在建設中のマンションや商業施設などの開発事業は来年度までの完売、竣工を目的に建設しているはずで、それらを購入する人が現れれば周辺地域の不動産市場も上昇します。

そもそもお盆を過ぎて翌春までの間、全国的に不動産価格が上昇するのは毎年の事であり、2018年前半で横ばいから上昇に転じた地点が多いことを考えると、やはり2019年に発表される公示地価は大きく上昇した結果となるだろうと考えられます。

まとめ

今回は、不動産関連のメディアでは単独で取り上げられることの少ない地価LOOKレポートについて解説させていただきました。投資の世界では、利益を先取りするのに必要な「先行指標」というものがありますが、もしかすると、負動産にも先行指標となるものがあるとは知らなかったという方も多いのではないでしょうか。

公示地価や路線価などを含めたこういった指標は、多くの不動産関係者が目にする指標である調査であるため信憑性が高いというのはポイントです。今後の不動産市況を見る際には、地価LOOKレポートにも目を通してみることをお勧めいたします。

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