不動産投資家なら知っておきたい業界のウラ用語20選 | 不動産投資を考えるメディア

不動産投資家なら知っておきたい業界のウラ用語20選

シェアする

ウラ用語

不動産投資家であれば、法律用語や収支にまつわる多くの用語を耳にする機会は多いでしょう。不動産業界は売買と仲介で分かれますが、売買の業界では売買ならではの用語、賃貸の業界では賃貸業界ならではの用語があります。

今回は一般的に知られていない意味を持つ不動産業界の用語や少し危険な匂いのするウラ用語をご紹介します。これらの用語を一般の方が使う機会はほとんどありませんが、言葉の意味を知れば不動産業界の仕組みが見えてきますので、ぜひ参考にしてみてください。

仲手(チュウテ)

【意味】
「仲介手数料」の略です。相手に聞かれたときのために言葉の意味を分かりづらくする隠語のような意図はありません。単純に省略されただけで業界用語として使われています。
【使い方】
A「最近、仲手0の物件増えたよなぁ」
B「商売あがったりですよね」

客付け(キャクヅケ)

【意味】
一般にも比較的使われている言葉ですが、不動産会社が入居募集や買い主を見つけて申し込みをさせる行為を指します。仮に売却の媒介や入居募集を行う「A不動産」という会社があったとすると、売り主や貸し主からみるとA不動産会社は「客付け業者」ですが、買い主側の不動産業者から見るとA不動産は「元付け業者」となります。
【使い方】
A「君の会社に入居募集依頼して大丈夫?」
B「ウチの会社は、客付け力を重視してますので是非お任せください!」

重説(ジュウセツ)

【意味】
一般的にも知られていますが、「重要事項説明書」「重要事項説明」の略語です。不動産の契約時には必ず重要事項説明書を作成して提示することが義務付けられており、同時に宅建士が重要事項説明書を読み上げて、詳しく説明することも義務付けられています。
【使い方】
A「あの物件の重説いつできるの?」
B「これから物件調査に行くので、夕方にはできあがります」

物調(ブッチョウ)

【意味】
「物件調査」の略です。重要事項説明書を作成するために行われる調査で、法務局で登記簿や地積測量図を確認したり、水道局で水道管の埋没位置などを確認したりします。
【使い方】
A「今朝言ってた重要事項説明書、夕方にできるって言ったじゃん!」
B「物調の途中でお客さんに呼び出されちゃって…」

三為(サンタメ)

【意味】
「第三者の為にする契約」の略で、主に不動産の転売を行う際に使われる手法です。不動産の転売は売り主が不動産業者に物件を売り、不動産業者はその物件をまた別の人に売るという2段階です。そのため不動産取得税や登録免許税がかかり、利益になる仲介手数料も「3%+6万円」のみです。そこで、不動産業者が「買い主を見つけてくるから所有権は私ではなくその買い主に直接移してほしい」という特約条項の付いた契約を売り主との間で取り交わします。その後、買い主を見つかれば、不動産業者は買主から売買代金をもらい、不動産業者は売り主に売買代金を支払います。この際、所有権は不動産業者ではなく買い主に直接移されるため、不動産業者は税金を支払う義務を免れることになり、さらに、仲介ではないため転売価格を高くすることで普通の仲介手数料よりも多い利益を得られます。上記の手法で不動産売買を行う業者を「三為業者」と言い、買い主から取引の実態が見えづらいため、不公平な取引によるトラブルが多発して社会問題になったこともありました。その反面、適正な価格なら仲介手数料不要で購入できるため、買い主にとってメリットになる場合もあります。
【使い方】
A「この業者の物件、全部売り主になってますけど、仕入れ資金にずいぶん余裕があるんですね」
B「違うよ、それ三為業者だから実際には仕入れてないと思うよ」

両手(リョウテ)

【意味】
不動産業者が仲介手数料をお客様(買い主、借り主)から、広告料を仲介の依頼者(売り主、貸し主)から受け取れる取引のことを指します。不動産業者が取引する相手から受け取れる仲介手数料は、売買は「3%+6万円」、賃貸は「家賃1ヶ月分」と法律で定められているため、不動産取引の多くは「片手」取引です。しかし、もう一方の相手とも取引できれば、お客様と依頼者の両方から報酬をもらえる「両手」取引になるため、不動産業者にとって報酬が2倍になる美味しい取引になります。
【使い方】
A「この物件、片手?両手?」
B「両手です」

物元(ブツモト)

【意味】
売買なら売り主と専任媒介契約を結んだ業者、賃貸であればオーナーから入居募集の専任媒介を受けている業者を指します。取引対象の「物件の出元」という意味で考えるとよいでしょう。
【使い方】
A「この会社、個人がやってる小さい業者なのにいい物件持ってますね」
B「この辺の地主から信頼されてる物元だから仲良くしておいた方がいいよ」

先物(サキモノ)

【意味】
株式用語としても有名な言葉ですが、不動産業界では売り主から直に売却依頼を受けた物件ではなく、売り主と媒介契約を結んだ業者が広告する物件を指します。先物が物件を指す言葉なら、先物を扱う取引業者が物元です。例えば、「売り主:業者A(媒介契約)」と「買い主:業者B」の関係で、業者Bから見た売り物件は「先物」になりますが、業者Aから見ると「直物(ジカブツ)」になります。また、稀に売買物件が以下のような関係になっていることもあります。媒介ではなく「代理」の形態で「売り主:業者A(代理契約)」「業者A:業者B(媒介契約)」「買い主:業者C」のように複数の業者が絡むケースがありますが、業者Bからすると代理となる業者Aが売り主です。業者Cからすると業者Bが元付けであり、物件は先物ということになります。
【使い方】
A「ここの会社が出してる物件、仲介手数料が50%のものばっかりですね」
B「そこの業者、大手の会社の専売業者だからじゃない?(大手と提携するなどで専任媒介の物件を取り扱う業者)」

上物(ウワモノ)

【意味】
その土地に立っている建物全般を指し、「土地の上にある物」という意味で使われます。主に中古住宅がある場合に使われる用語ですが、倉庫や廃屋も上物と判断されます。
【使い方】
A「この土地、なんだか割安でいいね!」
B「上物の解体費用がかかる分、値下げしてるんじゃない?」

のっけ

【意味】
賃貸の不動産業者が物件の礼金に1ヶ月分を上乗せすることです。賃貸の場合、取引の相手から受け取る仲介手数料とは別に、貸し主から広告料として家賃1ヶ月分を受け取れることがあります。しかし、広告料が出ない物件を仲介しても報酬は家賃の1ヶ月分だけです。そこで、礼金を1ヶ月分上乗せすることで、取引の相手から家賃1ヶ月分、依頼者から礼金を名目とした広告料として家賃1ヶ月分を受け取ることができるため、報酬2倍の両手取引にする際に利用される方法です。
【使い方】
A「御社の物件、礼金のっけはアリですか?」
B「家主から礼金は0円でと言われてるのでNGです」

追客(ツイキャク)

【意味】
読み方は「ツイキャク」が一般的ですが、稀に「オイキャク」と読む場合もあります。主に見込み客である買い主(借り主)に電話をかけるなどの営業活動を指し、「追客のために電話をする」行動を「追電(ツイデン)」と言います。
【使い方】
A「お前、今月のノルマ大丈夫なの?追客してる?」
B「全然だめ。年末控えてるから追電してもアポ取れないんだよね」

感度(カンド)

【意味】
お客様に物件を紹介し、その結果「買う見込み(借りる見込み)はありそうか」という感触を表す言葉です。より成約の見込みが高い場合は「感度が良い(高い)」、成約の見込みが低い場合は「感度が悪い(低い)」と表現します。
【使い方】
A「今日案内したお客さんどうなの?」
B「いや~、感度は悪くないんだけど、いまいち一歩踏み出せない感じ」

当て物(アテブツ)

【意味】
「あてぶつ」「あてもん」「あてもの」など、人によって少し読み方が違いますが、本命物件を紹介する前にわざと希望と大きく外れた物件を紹介することです。希望と違う物件を見せた後で希望に沿った物件を紹介すると、心理的に通常よりも良い物件に見えることから、成約率をアップさせるために使う営業手法です。
【使い方】
A「課長、このお客さんに紹介する物件、これがいいと思うんですけど…」
B「直接その物件に行くんじゃなくて、当て物回るようにしろよ」

物確(ブッカク)

【意味】
「物件確認」の略。売り主(貸し主)側の不動産業者に買い付けや入居申込が入っていると、お客様に紹介した物件は契約できないため、通常はお客様に物件を紹介する前に必ず「その物件がまだ紹介できる状態か」を確認する必要があります。
【使い方】
A「物確お願いします。メゾン○○の105号室なんですけど」
B「はい、まだ空いてますよ」

売り止め(ウリドメ)

【意味】
売却の専任媒介を受けた不動産会社が、他の不動産会社への物件紹介をやめることです。売り主の意向が変わったり、買い付けの申し込みが入った際などに、他からの買い付け申し込みが入らないようにブロックする方法として用いられます。また、自社で売り主と買い主の両方と取引するために、囲い込みを目的として売り止めを行うケースもあります。
【使い方】
A「あれ?この物件、売り止めかかってたのにまた広告載せてる」
B「(取引が)流れたんじゃない?クセのある売り主だから」

金消(キンショウ)

【意味】
住宅ローンを始めとした銀行の融資契約である「金銭消費貸借契約」の略であり、特に隠語のような意図はありません。
【使い方】
A「このあいだの物件、契約終わったの?」
B「はい、来週が金消の予定です」

捨て看(ステカン)

【意味】
電信柱に貼り付ける紙やプラスティック製の物件広告のことです。違法行為であり、捨て看を取り付けているところを警察に見つかると現行犯逮捕になる可能性もあるため、夜間の人通りが少ない時間にこっそり取り付けられます。法規制が厳しくなった昨今ではほとんど見かけなくなりました。
【使い方】
A「あそこの会社の営業、捨て看貼ってるところ警官に見られて注意されたらしいよ」
B「昔は捨て看なんていくらでも貼れたのに、最近は厳しくなったからね」

ローンブレイク

【意味】
ローンの審査が通らず、取引が白紙に戻されることを指します。不動産業者は安易にキャンセルされないように、ローンの申込より優先して売買契約を取り交わしますが、契約書には「ローン特約」という「ローンの審査が通らない時は契約を破棄する」という旨の特約を付けます。その後、実際にローンの審査が通らず物件の売買取引が進まなければ、ローンブレイクとなり、売買契約は破棄されます。
【使い方】
A「あれ?この物件、この間確認したら売れたはずなのに、また広告出てる」
B「あぁ、その物件ローンブレイクしたらしいよ」

抜き(ヌキ)

【意味】
既に物件紹介や内覧などをしている特定の顧客を別の業者が同じ物件を紹介して契約する行為です。法律上の罰則はないものの、他社の客を横取りする行為であるため、業界内では絶対にご法度です。なお、顧客が別の業者へ同じ物件の仲介を依頼したとしても、同じ抜き行為と見られるため、業者側も注意が必要です。
【使い方】
A「実はこの物件、他の不動産屋さんで紹介されたんですけど、おたくの会社で契約したいです」
B「それは抜き行為になりますので、お話を聞いてしまった以上、お受けすることができないですね」

ごっとう

【意味】
「建ぺい率50%、容積率100%」の物件を指す言葉です。主に第1種低層住居地域など閑静な住宅街に多く、一部では防災や景観制限などを理由として「よんぱち(建ぺい率40%、容積率80%)」や「さぶろく(建ぺい率30%・容積率60%)」といったエリアもあります。
【使い方】
A「お客さんが、3階建ての二世帯住宅を建てたいらしいんですけど、この土地どうですかね」
B「ごっとうだからなぁ。容積率に引っかかりそうな気がするけど」

まとめ

他にも不動産業界には、一般的には使われない専門用語やウラ用語、業界用語などが数多くあります。今回ご紹介したのはエンドユーザーの取引に直接影響したり、比較的身近なウラ用語です。例えば、不動産屋さんに訪れた際に「のっけ」という言葉が出てきたら、紹介される物件の礼金が高くなる可能性があるということです。

また、巷では「掘り出し物」という言葉を耳にすることがありますが、業界では掘り出し物という言葉は滅多に使いません。なぜなら、掘り出し物にあたるような物件が不動産の仲介業者や一般向けの情報として出回ることはほとんどないからです。不動産業者は掘り出し物を探すより、今ある物件を売ることに専念した方が儲かります。そのため、掘り出し物という言葉が日常業務の中で使われることはないのです。

不動産投資家の間では「川上物件」という言葉も使われますが、やはり業界内で川上という言葉が使われるシーンは少なく、むしろ「先物」という言葉を使う人の方が多い印象です。不動産用語を知れば、不利な取引にならないか注意することもできますし、不動産屋さん同士の会話から有利に交渉を進めるためのヒントが見つかる可能性もあります。今回ご紹介したのは基本的な業界用語ですが、気になる言葉があれば是非ご自身でも調べてみてください。

5/5 (7)

記事の平均評価

各種お問い合わせやご相談はこちら