ベテラン大家は要注意!?「平成30年度税制改正大綱」正式発表! | 不動産投資を考えるメディア

ベテラン大家は要注意!?「平成30年度税制改正大綱」正式発表!

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ベテラン大家は要注意!?平成30年度税制改正大綱発表!

12月14日、自民、公明両党により議論されていた平成30年税制改正大綱が正式に公表されました。
既に各メディアではフライング的に主な内容を報道してはいたものの、今回の発表でいよいよ正式な内容が確認できるということになるわけです。先日からの報道によるところでは、所得税や法人税に関する改正内容が目玉であろうという事は言わずもがなですが、実際にその内容はどのような決定がなされたのでしょうか。

今回は、自民党の平成30年税制改正大綱より、主な改正内容と不動産投資を行っている方への税負担に何か変化があるのか、またそれらが歓迎されるものなのかといったところで詳細な内容をまとめてみたいと思います。

参考:自民党「平成30年度税制改正大綱」
https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/136400_1.pdf

サラリーマン大家さんに痛み無し!?個人所得関連の改正

さて、今回の税制改正で最も注目を集めたのが、「給与所得控除」と「基礎控除」の増減についてではないでしょうか。本改正においては、これまで手厚すぎると言われていた給与所得者の控除を見直し、フリーランスや個人事業主の増加といった働き方の変化に歩調を合わせることが目的となっています。
では、その具体的な内容ですが、以下のようになっています。

  • 給与所得控除を受けられる所得金額を850万円までとし、控除額を一律10万円引き下げ
  • 給与所得控除の上限額を220万円から195万円に引き下げ
  • 基礎控除を一律10万円引き上げにより38万円から48万円へ
  • 合計所得金額が2400万円を超えたら32万円、2450万円を超えたら16万円、2500万円を超えたら控除無し

つまり、850万円以下の給与を得ている一般的なサラリーマンであれば、控除額はプラマイゼロといったところで何ら変化はありません。しかしながら、ここにもし、アパートや複数所有する不動産の収入があった場合は話が違ってきます。
分かりやすく解説するため敢えて諸経費には触れませんが、基礎控除が無くなる2500万円から給与所得控除が頭打ちとなる850万円を引くと「1650万円」ということになるわけですが、つまりは家賃収入が1650万円以上となると基礎控除額が無しになる可能性が出てきます。
よって、家賃7万円ほどの単身用のアパートやマンションを20戸ほど所有している場合(7万円×20戸=140万円)や、夫婦やファミリー用のアパートマンションを14戸ほど所有して10万円で賃貸している場合などは、基礎控除を受けられないなんてことも考えられるのです。

とはいえ、かなり大雑把な計算であり、15戸20戸と不動産を所有している大ベテランのサラリーマン大家も数としてはそこまで多くないのではないかと考えると、大騒ぎに発展するほどのものではないかもしれません。但し、今回の改正は何もサラリーマンだけに限ったものではなく、高齢者の不動産オーナーにも影響の出る内容も含まれているのです。

高齢者にはちょっと手厳しい改正?

まず、高齢者でアパートを持っているという方も多いかと思いますが、実は今回の税制改正により年金収入に対する控除額が一律で10万円の減額となり、その年金収入が1000万円を超える場合は控除額の上限が195万5千円と設定されました。更に、年金以外の所得部分については高額所得のラインとなる1000万円を超えるか否かで以下のように変わりました。

  • 1000万以下の場合:65歳未満で60万円、65歳以上で110万円
  • ~2000万円の場合:65歳未満で50万円、65歳以上で100万円
  • 2000万円超の場合:65歳未満で40万円、65歳以上で90万円

つまり、不動産を持つ年金受給者の方は、不動産収入が2000万円を超えると20万円分の控除が受けられなくなるということです。基礎控除の解説の際の計算例をそのまま当てはめるとするなら、単身用アパート等で23戸、ファミリー等のアパート等で16戸程度所有していると控除額20万円が無くなるということです。
更に、確定申告で受けられる恩恵にも少々寂しい変化がありました。
これまで、65万円の控除が受けられるという事で青色申告を行っていた方も多いかと思いますが、この控除額が55万円に引き下げられます。但し、帳簿を電子記録媒体で保存作成をし、e-Taxにて申告する場合においてはこれまでどおり65万円の控除となります。
確かに、今回の税制改正自体がICT化による生産性の向上を目的としているところもありますが、未だパソコンを勉強中だなんて高齢者の方にはちょっと厳しいものになるかもしれません。

不動産に直接的関係のある税制改正は?

さて、近からずも間接的に不動産投資に影響しそうな改正内容を解説させていただきましたが、実際に不動産業界に直接的に関係する改正はあったのでしょうか。
結論から申し上げると、「大幅な変更はなかった」といったところに落ち着きます。不動産に関連する内容が皆無というわけではありませんが、ほとんどが延長、拡充といった範囲に留まります。
では、どのような改正内容が盛り込まれたのか、主なものを以下にまとめてみました。

  • 都市再生推進法人への低未利用地の譲渡について長期譲渡所得の特例対象とする
  • 居住用財産の買換え等による譲渡損失の損益通算及び繰越控除の2年延長
  • 土地に係る固定資産税、都市計画税の負担調整措置の継続
  • 低未利用地の所有権移転登記に関する登録免許税の軽減
  • 不動産譲渡に係る印紙税率の特例を2年延長
  • 新築住宅の固定資産税の軽減措置を2年延長
  • 不動産会社による買取と耐震等の適合基準を満たす増改築を行うための中古住宅のある土地に対する不動産取得税の軽減の延長
  • 不動産取得税の標準税率軽減の期限を3年延長
  • 非耐震マンション等の要除却認定マンションに関する不動産取得税の非課税措置の2年延長

正確にはまだ、不動産に関わる内容が少しありますが、全てを羅列、解説することとなるとスペースの問題もあるため割愛させていただきます。
しかしながら、主に所得税に関わる話や事業者の賃上げや設備投資への話ばかりが表沙汰になる中、実はしっかりと不動産に関する税制改正もされているのだということがお分かりいただけるかと思います。

まとめ

連日のように報道されていた平成30年度税制改正も自民党の税制改正調査会での議論が終わったという段階で、年が明けてから改めて国会審議に入ることとなりますが、おおよそは決定事項と思っても良いかもしれません。
実は税制改正の内容には、国民健康保険に関してや、新設される森林環境税といった個人に対する改正内容も含まれていますが、今回はあくまでも不動産投資を行う上で重要となるポイントのみ解説させていただきました。
今後様々なメディアでも解説がなされていくかと思いますが、今後も不動産に関わる話になるようであれば改めて解説させていただきたいと思います。

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