地方の不動産投資は移住希望数・空室率・求人倍率で「岡山・広島」が有利 | 不動産投資を考えるメディア

地方の不動産投資は移住希望数・空室率・求人倍率で「岡山・広島」が有利

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尾道

先日、総務省が「平成29年度における移住相談に関する調査結果」を公表しました。これは移住に関する各都道府県と市町村の相談窓口に寄せられた相談件数を、総務省が聞き取り調査を行ったものです。

■総務省:平成29年度における移住相談に関する調査結果(移住相談窓口等における相談受付件数等)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei08_02000151.html

最も相談件数が多かったのが長野県の1万5778件。地方に移住するIターンを希望する人が増えているというのはよく耳にすることではありますが、そんな事実と各データを見ると地方の不動産投資でも旨みがありそうな地域が見えてきます。今回は、地方への移住希望者数と移住先に求められている条件などから、不動産投資で有利な都道府県を考えてみたいと思います。

移住希望者の多い都道府県ランキング

まず、最も移住希望者の相談が多かった都道府県を5位まで見てみましょう。

移住希望者の相談が多かった都道府県
順位 都道府県 相談件数
1位 長野県 15,778件
2位 新潟県 14,889件
3位 石川県 13,537件
4位 北海道 12,700件
5位 兵庫県 11,764件
6位 富山県 11,604件
7位 福井県 10,269件
8位 高知県 9,941件
9位 静岡県 8,843件
10位 岡山県 7,121件

希望者の数は日本海側が多いことが分かります。1位の長野は毎年相談件数の順位が高いため、不動の人気を誇る県と言って良いでしょう。但しこれは、各都道府県の相談窓口に寄せられた相談数です。東京でIターン希望者が、どの都道府県への移住を希望しているのかが気になります。その疑問を解消するために「NPO法人ふるさと回帰支援センター」が毎年公表しているデータも見てみたいと思います。

20代の移住希望者が急増

ふるさと回帰支援センターでは、毎年「移住希望地域ランキング」を公表していますが、集計方法は東京のふるさと回帰支援センターに来訪した人に対するアンケートを取っています。その結果、2017年の移住希望地域は以下のようになっています。

順位 都道府県
1位 長野県
2位 山梨県
3位 静岡県
4位 広島県
5位 新潟県
6位 福岡県
7位 岡山県
8位 福島県
9位 宮崎県
10位 富山県

■参考:NPO法人ふるさと回帰支援センター「2017年移住希望地域ランキング公開」
http://www.furusatokaiki.net/wp/wp-content/uploads/2018/02/db6c900774985e6ae7e38177bfc27ccf.pdf

先ほどのデータが全国の相談窓口に寄せられた相談件数であるのに対して、上記は東京に住む人の移住希望地域です。よって、Iターン希望者の意向がより強く反映しているデータと言えますが、どのような年代の人が移住を希望しているのかも見てみましょう。同データでは過去9年間の年代別の移住希望者割合も算出していますので、それを筆者にてグラフ化したものをご覧ください。

過去9年間の移住希望者数の推移(年代別)

データから分かるのは、高齢になるにつれて移住希望の意識が薄れてくるということです。逆に30代や40代の方は安定して移住を希望する方が多く、20代の移住希望者はここ数年で一気に倍以上になっています。こんなデータを見てしまうと「地方でも不動産投資ができるのではないか?」という疑問が湧いてきますが、あくまで移住希望者のデータですから安易に不動産投資で有利である証拠とすることはできません。ただ、もし物件価格が安い地方で不動産投資をするのであれば、どの都道府県が良いのかは気になります。そこで、移住希望者数やその希望条件などから見えてくる地方の不動産投資でオススメの都道府県を考えてみたいと思います。

過去9年間で人気の移住希望地ランキング

ふるさと回帰支援センターでは他にも、過去9年間における「移住希望地ランキング」も公表しています。ここではそのデータを基に安定して人気のある都道府県を割り出してみたいと思います。まず、47都道府県がランキングに登場する回数を数値として捉えます。数値は「47」を最高値とし、多く登場した都道府県ほど高い数値を付与しました。なお、登場回数が同じ都道府県に関しては同じ数値を付与しました。

また、移住希望地のランキングは順位をそのまま数値化して9年間の順位を合計します(昨年10位、今年1位なら合計11)。この数値が低いものほど平均的な順位が高い都道府県と言えるため、合計値の低いものから順に47を最高値として高い数値を付与しました。これで、ランキングに登場した回数と過去のランキング順位をある程度は公平に数値化できたことになりますので、最終的にそれぞれの数値を合計すると以下のランキングが出来上がります。空室率も併せて見てみましょう。

※人気スコアは2009年~2017年の移住希望都道府県をランキングを合算して数値化した筆者独自の調査。

移住希望地&空室率ランキング(2009-2017年)
順位 都道府県 人気スコア 空室率
1位 長野県 93 27.70%
2位 岡山県 77 18.60%
3位 山梨県 75 28.20%
4位 福島県 71 22.80%
5位 静岡県 69 18.50%
6位 島根県 68 18.70%
7位 広島県 67 18.20%
8位 千葉県 66 20.50%
9位 香川県 65 24.50%
10位 新潟県 64 21.50%
11位 福岡県 63 18.90%
12位 岩手県 62 23.30%
13位 山形県 61 22.00%
14位 大分県 61 18.10%
15位 茨城県 59 27.50%
16位 宮崎県 59 15.80%
17位 滋賀県 58 17.70%
18位 鳥取県 58 18.70%
19位 高知県 58 22.80%
20位 宮城県 57 15.80%
21位 神奈川県 57 16.10%
22位 富山県 57 24.00%
23位 福井県 56 30.10%
24位 三重県 56 21.30%
25位 熊本県 56 17.90%
26位 北海道 55 20.80%
27位 秋田県 55 24.50%
28位 栃木県 55 24.40%
29位 群馬県 54 25.00%
30位 埼玉県 54 18.40%
31位 愛媛県 53 21.20%
32位 長崎県 53 18.40%
33位 石川県 52 23.60%
34位 岐阜県 51 25.60%
35位 鹿児島県 51 17.60%
36位 和歌山県 50 24.50%
37位 山口県 47 19.10%

やはり長野県はトップになりました。ただ気になるのは「空室率」です。不動産投資という視点で空室率が27%を超えているというのは引っかかります。したがって、2位の岡山や5位の静岡などの比較的に空室率が低い場所が選択肢となってきますが、不動産投資は「家賃あってこそ」ということを忘れてはいけません。そこで最後に、移住希望者が移住した先で暮らすのに、どのようなことを条件としているかを見てみましょう。

Iターン希望者は移住しても「仕事」が最優先!?

同じくふるさと回帰支援センターでは、移住希望者の条件や希望するエリアの種類の集計もしています。以下の図をご覧ください。

希望する地域類型(2016-2017)

移住先選択の条件(優先順位)2016-2017

地方に移住するのだから山や川のある田舎をイメージしているのかと思いきや、意外にも市街地を希望する人が多いことが分かります。また、移住先に求める条件は圧倒的に「就労の場がある事」が多くなっており、「自然環境が良い事」「住居があること」と続きます。このデータから推察できるのは以下のようなことです。

  • 田舎には暮らしは希望するものの山や川に囲まれたところはNG
  • かといって東京ほど開発が進んだ場所よりも程良く自然が残る場所が良い
  • 上記に加えて、今までと同様の生活水準は保ちたい

推測とは言え、何とも贅沢な希望のように思えますが、上記を満たすのに最低限必要なのが「仕事があるかどうか」です。そこで今度は、都道府県の有効求人倍率を高い順で10位まで見てみましょう。

3つのデータから地方の不動産投資に適した場所は「広島と岡山」

都道府県別有効求人倍率TOP10
都道府県 有効求人倍率
東京都 2.08%
福井県 2.01%
石川県 1.85%
愛知県 1.82%
広島県 1.81%
富山県 1.8%
岐阜県 1.79%
岡山県 1.78%
香川県 1.73%
群馬県 1.61%

東京都の有効求人倍率が高いのは当然の事ながら、意外なことに福井、石川、広島といった北陸・中国地方が上位にきています。

ここまでのデータを「移住希望の多い都道府県」「都道府県の空室率」「都道府県別の有効求人倍率」という3つの要素で総合的に考えると、移住希望者の多い都道府県のトップ10は先述の通り、「長野、岡山、山梨、福島、静岡、島根、広島、千葉、香川、新潟」になりますが、ここから空室率が20%を超えるものを除外すると、「岡山、静岡、島根、広島」が残ります。さらに、最終的に有効求人倍率が1.7%を超える県を抜き出すと、「岡山県」と「広島県」の2つのみに絞れます。

予めご承知いただきたいのは、これは有効求人倍率からみた不動産購入に向いた都道府県を選別しているのではなく、「移住希望の多さ」「空室率」「有効求人倍率」の3つの要素を考えた時、最も不動産投資に適した都道府県はどこかということです。そもそも有効求人倍率はここ数年で完全な売り手市場となっているため、基本的にどの都道府県でも何らかの仕事はあるでしょう。ただ、移住者として就労の場があるかどうかという点から、より仕事を選びやすい都道府県がどこかということで最終的に絞り込むと「岡山」「広島」が残るということです。

不動産投資は他にも家賃相場や平均利回り、人口数、立地、周辺環境といった視点からも見なければいけませんので、上記までを全てと考えるべきではありません。しかしながら、「移住希望者が多く、空室率も低い、仕事もそれなりにある」という視点で見た時に、岡山と広島を投資物件を探す候補地域に入れておくというのも悪い考えではないでしょう。

まとめ

今回のテーマはあくまで「移住希望者のデータから見る、地方の不動産投資をする場合のオススメの場所」です。最終的に岡山と広島という結論となりましたが、「岡山なら不動産投資で儲かる!」「広島なら失敗しない!」ということではないことはご理解いただければと思います。

また、前述のデータにもありましたとおり、移住希望者が住まいとして望んでいるのは市街地ですから、もし地方の不動産投資を考えるのであれば「岡山と広島の市街地」というエリアを頭の片隅に置いておくと意外な優良物件が見つかることもあるかもしれません。

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