東京23区でも空室率30%超!東京都内の空き家ランキング

国内不動産投資

3a08749e-7603-4cd9-b15c-088b6225bca3

日本で空室率の低い都道府県と言えば、東京都と言われる事が多いですが、実は東京の23区内であっても30%を超える非常に高い空室率のエリアが存在します。今回は東京23区内における意外な空室率のデータを見ていきたいと思います。

東京都市区町村別の空き家数と空き家率

最初にご覧いただきたいデータは、総務省統計局が公表している賃貸物件の空き家数です。これは東京都の市区町別に分けられた「住宅の種類・住宅の所有の関係別住宅数、住宅以外で人が居住する建物数並びに世帯の種類別世帯数及び世帯人員」というデータにある「借家」の数と「住宅の建て方、構造別賃貸用の空き家数」というデータにある「賃貸用の空き家」を元に、空き家数の多い順に20位までランキングしたものです。

総務省:賃貸物件の空き家数・空き家率
順位市区町村借家数賃貸用の空き家数空き家率
1位青梅市13,9104,83034.7%
2位日の出町53018034.0%
3位豊島区83,93025,45030.3%
4位あきる野市6,8302,03029.7%
5位東大和市13,2103,69027.9%
6位大田区174,43045,75026.2%
7位府中市50,27013,01025.9%
8位羽村市9,8802,54025.7%
9位武蔵野市35,7408,92025.0%
10位日野市36,6309,07024.8%
11位国分寺市28,9006,89023.8%
12位武蔵村山市10,1102,37023.4%
13位福生市12,9303,00023.2%
14位中野区103,61023,92023.1%
15位狛江市19,0304,37023.0%
16位葛飾区84,14019,02022.6%
17位国立市18,4204,15022.5%
18位小平市36,2608,09022.3%
19位渋谷区61,22013,59022.2%
20位瑞穂町3,79084022.2%

■参考:総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査調査の結果」

上位10位以内のほとんどが東京都市部になっています。予想通りの方いるかと思いますが、上記データの出典元は「平成25年住宅・土地統計調査調査の結果」というタイトルの通り、実は約5年前のデータ(総務省は5年毎にデータを発表)なのです。

「これでは正確な数値とは言えないでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、実はそうとも言い切れないのです。直近の空室率情報を別のデータから見ていきたいと思います。

東京都市区郡の最新空室率

ここでご紹介するのは、LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)不動産投資というサイトにある「見える賃貸経営」というコーナーのデータです。

先ほどご紹介した総務省統計局のデータを使っているようなのですが、サイト内に記載されている借家数と一致しないため、恐らくオフィスなどのデータも含めて独自算出している可能性があります。

続いて、LIFULL HOME’Sが公開している東京の市区郡別の空室率ランキングを見てみましょう。

LIFULL HOME’S:東京の市区郡 空室率ランキング
順位市区郡名空室率
1位千代田区36.50%
2位目黒区28.20%
3位中央区27.70%
4位あきる野市23.00%
5位西多摩郡20.80%
6位荒川区20.50%
7位福生市20.00%
8位豊島区18.90%
9位台東区18.40%
10位足立区18.20%
11位大田区17.40%
12位武蔵村山市17.30%
13位羽村市17.20%
14位小平市17.00%
15位葛飾区16.90%
16位八王子市16.80%
17位青梅市16.60%
18位日野市16.20%
19位国立市16.00%
20位東大和市15.70%

■参考:LIFULL HOME’S不動産投資「見える賃貸経営」

なんと上位10位のうち、あきる野市・西多摩郡・荒川区・福生市以外は全て東京都の特別区部がランクインしています。しかも、千代田区に関しては36%を超える非常に高い空室率となっているのは驚きです。では、このランキングを23区に絞るとどうなるか見てみましょう。

LIFULL HOME’S:東京23区 空室率ランキング
順位23区名空室率
1位千代田区36.5%
2位目黒区28.2%
3位中央区27.7%
4位荒川区20.5%
5位豊島区18.9%
6位台東区18.4%
7位足立区18.2%
8位大田区17.4%
9位葛飾区16.9%
10位練馬区15.5%

さて、これらのデータから分かることは何か。次の章で結論を出してみたいと思います。

最も空室率の高い東京23区のエリアは?

本来であれば市区郡を総合して考えるべきかもしれませんが、都心から離れるほど人口が少なく高齢化も進むだろうと想定し、ここでは23区に焦点を当てて考えます。

「千代田区」「目黒区」「中央区」の空室率が高い理由

先ほどのデータで最も空室率が高いのは千代田区、そして目黒区、中央区と続きます。これらエリアの空室率の高さの理由は「賃料の高さ」にあると考えられます。

LIFULL HOME’S不動産投資「見える賃貸経営」では、各エリアでよく検索される家賃帯のデータもありますが、基本的に検索される家賃が高いのです。実際に各エリアの家賃の検索されている割合を見てみましょう。

家賃相場千代田区目黒区中央区
6万円台4.3%9.9%4.0%
7万円台6.4%9.8%7.6%
8万円台11.1%12.5%11.4%
9万円台7.9%9.7%10.2%
10万円台9.9%7.4%7.6%
11万円台6.7%6.6%6.0%
12万円台4.6%6.8%5.0%
13万円台5.3%5.5%5.4%
14万円台5.0%3.5%5.6%
15万円台17.5%12.8%21.8%
20万円台13.2%6.1%10.6%
30万円台2.9%2.4%2.8%

この3エリアに共通しているのは、単身用物件に多い6~9万円台の家賃がよく検索されているのに加え、15万円以上の家賃で検索する人も多いということです。これに対して、中野区はどうでしょうか。

家賃相場中野区
4万円台4.7%
5万円台9.6%
6万円台14.9%
7万円台16.5%
8万円台12.1%
9万円台8.7%
10万円台5.7%
11万円台4.7%
12万円台6.0%
13万円台4.8%
14万円台3.1%
15万円台5.6%
20万円台1.6%
30万円台0.1%

先ほどと比べて、4~8万円の家賃が検索される割合が多くなっており、10万円台以上の家賃を検索している人は少なくなっています。

以上のデータから、一般的には借りづらい高い家賃の物件を望む人は多いが、実際に借りる人は少ないため、空室率の高さに繋がっていると予想されます。

■参考:LIFULL HOME’S不動産投資「見える賃貸経営」

5年前から変わらず空室率が高い「豊島区」と「大田区」

さて、平成25年に発表された総務省のデータとLIFULL HOME’Sのデータを見比べると、どちらの上位にも「豊島区」と「大田区」がある事に気づきます。まずはそれぞれのデータを23区に絞ったランキングを見てみましょう。

「総務省公表の空室率」
順位23区名空室率
1位豊島区30.3%
2位大田区26.2%
3位中野区23.1%
4位葛飾区22.6%
5位渋谷区22.2%
6位港区20.5%
7位新宿区20.5%
8位杉並区17.0%
9位江戸川区16.8%
10位墨田区16.7%
「LIFULL HOME’S公表の空室率」
順位23区名空室率
1位千代田区36.50%
2位目黒区28.20%
3位中央区27.70%
4位荒川区20.50%
5位豊島区18.90%
6位台東区18.40%
7位足立区18.20%
8位大田区17.40%
9位葛飾区16.90%
10位練馬区15.50%

それぞれ計算方法が違いますので「空き家率」「空室率」の数字は違うものの、オフィス等も多く含まれているであろう千代田区・目黒区・中央区を除くと、LIFULL HOME’Sのランキングでも豊島区、大田区が上位になります。正確に言うと、ここに葛飾区も含めるべきかもしれません。

では、23区内での家賃水準が平均的な豊島区や大田区の空室率がなぜ高いのでしょうか。

豊島区の空室率が高い理由

まず豊島区は、他の区と比べて単身者向け物件が多いという特徴があります。隣接する練馬や板橋のワンルームや1Kの物件掲載数が60~70%ほどなのに対して、豊島区は83.7%です。更に、ワンルームや1Kが検索されている割合も、練馬や板橋が50%台なのに対して、豊島区は70%弱となっています。つまり、回転率が高い単身者向けの物件が多いため、空室率も同時に高くなっているのではないかと考えられます。

大田区の空室率が高い理由

次に大田区ですが、「住宅数の多さ」に対して「賃貸需要が低め」という特徴があります。23区の総住宅数を5位までのランキングで見てみましょう。

「東京23区の総住宅戸数ランキング」
順位23区名住宅戸数
1位世田谷区451,450戸
2位大田区351,960戸
3位練馬区342,170戸
4位足立区325,710戸
5位江戸川区307,330戸

大田区は世田谷区に続く住宅数の多さとなっています。ここから予想されるのは「住宅数に対して賃貸住宅が多くて余っている?」「持ち家が重宝されていて賃貸の人気がない?」といったことです。では、世田谷区と大田区の持ち家数と借家数の数と比率を比べてみましょう。

【世田谷区と大田区の持ち家数と比率】
大田区:154,860戸(44.0%)
世田谷区:188,700戸(41.8%)
【世田谷区と大田区の借家数と比率】
大田区:174,430戸(49.6%)
世田谷区:214,940戸(47.6%)

このようにどちらの区もさほど大きな違いはありません。住宅数は世田谷区の方が多く、対して持ち家比率や借家数はほぼ同じ水準、しかし空室率は大田区の方が圧倒的に高い。この結果を見ると、両区の違いは人気の有無ではないでしょうか。

大田区と言うと、田園調布のイメージもあれば風俗店の多い蒲田も有名。街並みがキレイな場所もあれば築年数の古い建物が多い場所もあり、明暗が混在したような街と言っても良いでしょう。

過去に各メディアで調査された、住みたくない街ランキングで蒲田が何度も上位に顔を出していることを考えると、人気の無さという理由で空室率が高くなっても不思議ではないと言えるのではないでしょうか。

まとめ

国が公表するデータとLIFULL HOME’Sのデータから空室率を見てみました。空室率は入居需要の有無を確認する重要な指標になります。

今回ご紹介した2つ以外にも株式会社タスが公表する空室率のデータが有名ですが、それぞれで計算方法が違うため、毎回発表される度に賛否両論が巻き起こります。

不動産投資家なら3つのデータを全て確認すべきですが、いずれにしろ空室率の低いエリアから物件を探すのが不動産投資成功への近道と言えるでしょう。

5/5 (8)

記事の平均評価