「愛媛県の再開発事業」賃貸経営への影響は?

愛媛みかん
愛媛県での再開発事業は、松山市の中心部で大規模な再開発が予定されています。過去に今治市での今治新都市が開発・整備され、平成25年から平成30年までの5年間で人口が約2万人増加しました。松山市でも商業施設併設型の共同住宅建設が予定されており、都心部への居住誘導によって住宅需要アップが期待できます。具体的にどのような開発事業の計画があるのかご紹介します。

愛媛県の再開発計画概要

愛媛県の都市計画・再開発計画については、四国最大の人口を有する松山市を中心にコンパクトシティ形成と活性化に向けた取り組みが示されています。特に松山市の繁華街である銀天街(湊町三丁目)と中心部にある一番町・歩行町では大規模な再開発が進められており、松山市の景観や地域振興、不動産相場などに大きな影響を与える計画となっています。主な再開発事業の概要は以下の通りです。

  • 湊町三丁目 C 街区地区第一種市街地再開発事業
  • 一番町一丁目・歩行町一丁目地区第一種市街地再開発事業
  • 今治新都市再開発事業
  • 都市計画区域の指定
  • 都市計画区域マスタープラン
  • 立地適正化計画
  • 都市計画施設

再開発事業の内容

湊町三丁目C街区地区第一種市街地再開発事業

松山市湊町三丁目C街区地区で再開発事業が予定されています。湊町三丁目C街区地区は「銀天街」と呼ばれるL字型の繁華街で、商業施設松山銀天街GET!を中心に商業施設・公共施設などが立ち並ぶ区画です。銀天街は、大街道と共に2大繁華街として松山市では特に発展している地域。大規模な再開発によって住宅・商業施設・公共施設・駐車場などが増えることにより、銀天街のさらなる活性化が期待できるプロジェクトと言えます。早ければ2023年ごろの完成を予定しています。

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施設構成方針
主な用途共同住宅、商業施設、駐車場
階層地下1階、地上20階建
店舗サービス約4,300㎡
公共施設約2,500㎡
共同住宅約14,380㎡(184戸)
駐車台数588台
構造鉄骨造、鉄筋コンクリート造
敷地面積約7,000㎡
建築面積約5,300㎡
延床面積約45,370㎡

■出典:湊町三丁目C街区地区第一種市街地再開発事業・概要書

一番町一丁目・歩行町一丁目地区第一種市街地再開発事業

湊町三丁目C街区地区と同様に、一番町一丁目と歩行町一丁目地区でも大規模なマンション建設が予定されています。一番町一丁目・歩行町一丁目地区は、観光地をはじめ商店街・飲食街・ビジネス街などから形成されており、松山市中心部の一角を担う場所です。その一方で、建物の老朽化や耐震性の問題など防災面での不安があり、土地の低利用も課題となっています。

合理的な土地の利用と、立地に相応しい機能を備えた施設を強化することで松山の中心部が賑わい、より活性化することを目的とした再開発事業です。特に共同住宅と宿泊施設が併設された施設は松山市では珍しいです。

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施設構成方針
主な用途共同住宅、宿泊施設、商業・観光振興施設、駐車場
階層地下1階、地上29階建、塔屋1階
構造鉄骨造、鉄筋コンクリート造
敷地面積約4,630㎡
建築面積約3,200㎡
延床面積約39,500㎡

■出典:一番町一丁目・歩行町一丁目地区第一種市街地再開発事業・計画案概要書

今治新都市再開発事業

今治市は愛媛県の北部に位置する港町で、造船やタオル産業が広く認知され発展し続けています。人口は平成30年時点で約19万人。今治市の中心部から南西に約3~4kmに第1地区、さらに西へ2~3kmに第2地区として大規模開発が行われました。

第1地区は産業を中心とした複合市街地、第2地区は文化・学園機能を有する複合市街地で形成されています。平成18年に瀬戸内しまなみ海道が開通したことで事業用の施設用地や住宅用地の分譲が始まりました。2016年には大型商業施設のイオンモール今治新都市が開業しています。

都市計画区域

都市計画区域を指定することで、土地利用や公共・交通施設などを整備・開発・保全する必要がある地域が明確になります。また、市街化したい地域を指定することで社会的・経済的に発展させることができ、逆に農地が市街化しないよう抑制することができます。

  • 11市6町で14区域を指定
  • 区域内面積 約132,468ha(県土面積の23%)
  • 区域内人口 約122万人(県人口の約90%)

都市計画マスタープラン

都市計画マスタープランは、都市計画区域全体が対象です。区域区分をはじめ都市計画の基本的なプランで、約20年後を想定した「まちづくりの方針」となっています。効率の良い土地利用を促進し、都市施設や自然環境の整備、災害対策など機能的な都市として形成するために必要なプランです。

マスタ-ープランの内容
  • 都市計画の目標
  • 区域区分(線引き)の決定の有無及び区域区分を定める際の方針
  • 土地利用に関する主要な都市計画の決定方針
  • 都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定方針
  • 市街地開発事業等に関する主要な都市計画の決定方針
  • 自然的環境の整備又は保全に関する都市計画の決定方針
  • 災害に強いまちづくりのための都市計画の決定方針

■出典:えひめの都市計画2018

立地適正化計画

上記のマスタープランよりもさらに進んだものです。医療・福祉・商業・住居などの区域を指定し、誘導することでコンパクトシティの形成を目指しています。

都市計画施設

道路や公園、下水道、駐車場など生活に欠かせない都市環境を維持するための公共施設を計画したものです。教育文化施設やごみ焼却場、火葬場なども都市計画施設に該当します。

松山市湊町・一番町・歩行町の再開発決定による周辺地域の変化

これまで松山市の中心部である湊町や一番町・歩行町などは、観光・商業地域として発展していました。商業施設が併設された大規模な共同住宅(29階建てのタワーマンション)が建設されれば、これからは住居地域としても需要が増していくと予想されます。

国道11号線沿いなのでアクセスも良く、周辺には松山三越や伊予鉄高島屋といった大型商業施設や、観光地として知られる松山城があります。路面電車が走っており、全国的に有名な道後温泉までのアクセスも良好です。

愛媛県の賃料変化

3.3㎡あたりの家賃相場(民間賃貸住宅)
家賃(3.3㎡あたり)例 70㎡(3LDK程度の間取り)
2010年3,251円68,960円
2011年3,273円69,427円
2012年3,292円69,830円
2013年3,285円69,682円
2014年3,536円75,006円
2015年3,527円74,815円
2016年3,502円74,284円
2017年3,486円73,945円

■参考:e-Stat(政府統計の総合窓口)

愛媛県観光客数の推移

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愛媛県の県庁所在地である松山市は道後温泉で知られ、県外・県内共に観光客数は平成18年頃から上昇傾向にありました。平成30年の時点で観光客数は2,539万2,000人です。豪雨災害や悪天候によるイベント中止などの影響で、平成28年の2,745万5,000人に比べると減ってはいるものの、湊町・一番町・歩行町の商業施設併設型マンション建設など今後の再開発事業によって観光客の増加も期待できます。

■参考:愛媛県観光客数とその消費額

再開発で賃貸需要はどうなる?

前述の通り、松山市の繁華街である銀天街や、一番町・歩行町に大型マンションができることで松山市中心部の賃貸需要の高まりが予想されます。再開発によって分譲マンションが完成すると売買による不動産価格が高まるため、家賃相場にも大きく影響してきます。また、商業施設が併設されることからオフィスや店舗用のテナントが賃貸され賃料相場のアップにも繋がるのではないでしょうか。

松山市中心部では特に建物の老朽化が著しく、耐震性の問題から商業・公共施設の更新が課題とされてきました。歩ける範囲で必要な施設が整備されていれば都心集中型のコンパクトシティが実現できます。こうした背景から再開発事業によって新たな複合施設が誕生すれば、安心・便利で機能的な都市になっていくでしょう。愛媛県内で不動産投資を行うのであれば、特に松山市中心部の不動産需要に注目したいところです。

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