福島原発事故で発覚した不動産問題と賠償請求詐欺 | 不動産投資を考えるメディア

福島原発事故で発覚した不動産問題と賠償請求詐欺

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福島駅
東日本大震災から今年で丸7年が経ちました。東日本大震災では津波被害に加え、福島原発の事故でも多くの人が被災しました。原発事故の影響は長期化しており、未だに自宅へ帰還できていない人も多く、避難指示が解除されたエリアでも帰りたくないという人も多いようです。
2011年3月11日に発生した地震で、福島第1原子力発電所の事故が発生、近隣地域は住むことができなくなり、住民は避難しました。全国で地震直後の避難人数は推定47万人と言われています。避難民は福島だけでも16万人にのぼりました。
避難民は避難指示が解除される度に減少しており、2018年2月13日時点で全国で7万3349人、福島のみでは1万6,471人となっています。未だ福島だけでも1万6,471人が避難生活をしているのです。

東京電力のあり得ない賠償額

地震による直接の賠償責任は問うのは難しいですが、福島原発事故で被災した人たちは、東京電力に損害賠償を請求できます。東電は被災者一人ひとりを調査し、請求書を郵送しています。東電は被災者に損害賠償金を支払う義務があるのです。
東電は2018年3月9日現在で累計7兆9,978億円の賠償金を支払いました。それでもまだ賠償は終わりません。先述の通り、福島だけで1万人以上の人がまだ避難生活をしているのです。これほどの金額になると一企業で支払うことは困難なため、賠償には国が関与しています。
また、年月を経るごとに、賠償請求の仕組みを理解した者たちが制度を悪用した不当請求の件数も増えています。最近では詐欺事件にまで発展し、逮捕者も出ています。

福島原発事故で賠償対象になるのもの

福島の原発事故で被災者に賠償しているものは、大きく分けて、人、モノ、法人になります。
人に対しては、人身被害だけでなく、避難による精神的損害に対する賠償や、移住により精神的損害を受けた人に対する賠償というように細かく規定されています。
モノに対しては、家屋や家財、土地、山、クルマなどが賠償の対象になります。土地や家屋、家財が原発事故の影響で使えなくなった人に対する賠償であり、本来土地などは賠償に留め、買い取ることはしませんでした。
しかし最近になって、被災地に帰還する人が少ないため、土地を有効活用するために買い取りも検討しているようです。
法人に対しては、風評被害で売り上げが落ちたり、被災して売り物にならなくなった農産物などに対しての賠償がメインとなります。
いくら賠償責任があるといっても、無条件に支払いをしているわけではありません。本当に原発事故による被災かどうかという点が重要になります。元々売り上げがない企業が風評被害だという理由で請求してきても、原因が被災だとは言えないからです。しかし元々は少なくてもさらに減っていて、明確な根拠がある場合は支払いの対象になります。
請求の妥当性・正統性を証明するため、全ての請求に対して根拠となる様々な証明書が必要になります。会社であれば登記簿謄本や、元々あった売り上げがわかる決算書などです。個人で身体への被災であれば、病院の診断書などです。土地や家屋であれば、登記簿謄本などです。

福島の深刻な不動産問題

今回の原発事故の賠償請求の際、意外な事実が発覚しました。
福島県のある地域一帯ではほとんどの家庭が不動産の登記をしていなかったのです。
その地域とは人口1万2,000人ほどの小さな町で、その一角の土地の所有者が不明だったのです。逆に100㎡位の土地の地権者が150人もいた地域もありました。
さらに、別の地域では新たな建設予定地の地権者2,365人のうち890人もの行方がわからないというケースもありました。
所有者が海外にいたり、地権者が死亡しているがそのまま死亡者宛てに固定資産税の請求が行われているなど、不動産に関する問題の発覚が後を絶ちません。
福島原発事故により偶然このようなことが明らかになったのですが、これは氷山の一角で実は日本のあちこちで同様の事態が起こっている可能性があります。
たとえ元の家に戻れても、本当の問題は解決されていません。地震で家が崩壊してしまった場合は家を建て直し登記もし直さなければなりません。自分が帰っても近隣住民が帰ってこなければ以前のような生活が戻ってくるとは限りません。そのため、避難指示が解除されても約半数の人は帰らないと言っているのです。
現在、新しく登記する人の負担を減らそうと、現地の法務局では登記料を無料とするサービスを行っています。

風評被害を悪用した賠償請求詐欺

賠償請求が始まって7年も経過すると、請求の仕組みの裏をかいた不当な請求が増えてきているようです。以前からもあった事ですが、ここ数年は手口が巧妙化し、数も増えているようです。法人は原発事故による風評被害で農産物などの売り上げが落ちたという理由で損害賠償請求ができます。
以前は福島産だから買うのやめておこうという人もいたと思います。そのような風評被害で売り上げが落ちたということに対する賠償です。
その場合、風評被害だという明確な根拠と以前の売り上げの証明ができなければ賠償金は支払われません。
その制度を悪用し、あたかも売り上げが数億もあったような決算書などを偽造し請求してくる人が増えているのです。
請求額は数万円から数千万円と金額幅は広いですが、いくらであっても犯罪には間違いありません。大きなニュースにはなっていませんが今年も逮捕者が出ています。

まとめ

3.11に起きた地震は福島原発事故という悲惨な事故も起こしました。現地では未だ帰れず避難生活をしている人もいます。この混乱の中で土地に関する問題が浮き彫りになっています。所有者不明、海外にいる、同じ土地に複数の地権者がいるなどです。これは福島に限らず実は日本全国で顕在化していないですが、潜在的にある問題なのではないかと思われます。不動産をお持ちの方は一度確認された方がいいかもしれません。

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