所有物件は大丈夫?2019年以降「負動産」になるかも知れない7つの理由 | 不動産投資を考えるメディア

所有物件は大丈夫?2019年以降「負動産」になるかも知れない7つの理由

シェアする

20180630-2

2019年以降、自分の所有する不動産が「負動産」に変わる。もしかしたら今後、そんな話題が多くなるかもしれません。

ここ数年、東京を中心に都市部は不動産バブルであると言われてきましたが、バブル崩壊という暗い過去を背負った日本ならではと言うべきか、一部の専門家から「バブルの終焉が近い」と示唆する話がチラホラ出てきています。

一国一城の主という言葉があるように、古くから日本人は土地を持つことを「立派な事」として考えてきました。しかし、そんな悠長なことを言っていられない時代を迎えているように思います。

今回は、2019年以降に自分の所有する不動産が「負動産」に変わるかもしれない7つの理由をご説明させていただきます。

負動産とは何か

負動産とは何か?

「人々が熱狂し始めたら相場は暴落する」

これは株式や為替などのトレーダーの間では常識とも言える格言です。
かつて投資というものに無頓着だった日本人は、膨れ上がったバブルを「日本の土地は永久的に値上がりする」と勘違いし、明らかに不相応な価格でも、数十倍の競争率であっても、ひたすら「買い」に走りました。

結果、日本のバブルは崩壊。同時期に不動産を購入した人々は高額な住宅ローンが残っただけでなく、購入した家や土地の価値も突如としてマイナスになり、「負動産」へと変わったのです。

不動産が負動産に変化しつつある

これまで人生における一つのステータスとして、家を持つ事が羨望の的となってきました。しかし、もはや止められない少子高齢化や地方都市の人口流出・過疎化などにより、相続放棄や資産としても利用価値がない耕作放棄地の増加等の影響もあり、「不動産=資産とは限らない」という見方が一般的になりつつあります。

所有者不明土地の増加はその証左とも言える問題であり、農業をやるつもりはないのに親の残した土地が農地だったとか、再建築ができない土地や活用困難な不動産という理由で相続も登記もしないまま放置される土地や建物が後を絶ちません。

かつて、書籍「金持ち父さん貧乏父さん」でヒットを飛ばしたロバート・キヨサキ氏は以下のように述べています。

「資産は私のポケットにお金を入れてくれる。負債は私のポケットからお金をとっていく。」

車や不動産など、どんなに高級な物を所有していても、維持費や税金等の支払いが収入を上回るものは、資産どころか負債であるという考え方です。

かつてはステータスだったはずの持ち家が、資産としても利活用の面での価値も無くした結果、単なるポケットからお金を取っていく負動産に成り下がっているケースが今の日本で多くなっているのです。

「住まい」に対する意識も変化

以前に当サイトでもお話させていただいた「たった9㎡!?超コンパクトマンションに人気が集まる理由」にて、駅近の狭小マンションに人気が集まっているという記事を書かせていただきました。

現代の若者の住まいに対するスタイルは、どうやら昔と様変わりしているようです。スマホさえあればテレビは要らず、風呂はシャワーで済ませ、食事は外食やコンビニ弁当、家は寝る場所さえあればOK。いざとなれば気軽に寝泊まりできるネットカフェもあります。更に未婚率の上昇や晩婚化という事実を見ても、とにかく「合理的で自由なライフスタイル」が重宝されてきているだろうと感じます。

そう考えると、住む予定も売る予定もない、まして借り手も見つかるはずもない親の家を子が相続したいなどと思うはずもありません。2019年以降からマイホームが「負動産」になり得るというのはますます現実味を帯びてきているのではないでしょうか。

「負動産」の定義とは?

では、そもそも「負動産」というものに定義はあるのでしょうか。実は負動産と言っても、上記のとおり負債にしかならない不動産の俗語であるため、明確に定義されているわけではありません。その為、負動産という言葉が使われるようになったのもまだ最近です。恐らく、老朽化や進まない建て替え問題が取り上げられるようになった1960年代の第一次マンションブームの建物を「負動産」と呼んだのがキッカケではないかと思われます。

以前と比べてマンション全体が高齢化し、売るに売れない、修繕積立金も建て替える資金も足りない、住人の了承が得られないなど複数の理由から、何を選択してもお金がかかる老朽化マンションの今後を案じた「負動産」をテーマにした記事が増えたのです。

不動産業界においては、空き家問題を目下の課題として考えている風潮がありますが、同時にそれは不動産を負動産にしないための本格的な対策も必要になってきたと言えるのではないでしょうか。

2019年以降に負動産になる7つの特徴

2019年以降に負動産になる7つの特徴

では続いて、本題となる所有する物件が2019年以降に負動産になるかもしれない7つの理由について考えてみましょう。

ここまでは、負動産の定義を「負債しか生まない土地や建物」と解釈してお話させていただきました。つまり、負動産が生み出す「負」が何かを追求すれば、自分の所有物件が負動産になるかどうかが見えてくるかもしれないのです。

【特徴1】爆買いの余波!日本の不動産は2019年問題に直面

現在の不動産バブルは、主に外国勢による日本の不動産が爆買いされた結果生じた価格上昇が要因だと言われています。事実、数憶円する区分所有の部屋が建設後に即完売する事例がいくつもありました。このバブルが始まったのが2013年以降です。そして、それから5年が経過した2019年はバブル崩壊の危機に直面していると言われています。

不動産投資家の方であればご存知かと思いますが、不動産の譲渡所得課税は所有5年以下と5年以上で税率が2倍近く違います。5年以下であれば約30%、5年未満であれば約15%といった具合です。

このため、爆買いブームから5年目にあたる2019年以降に不動産を売る動きが強くなり、バブル崩壊という憂き目に遭うかもしれないと推察されているのです。今の時期に購入された物件は、正にその危機に直面しているのかもしれません。

これまでオリンピック需要が終わる2020年問題が話題として多く取り上げられていましたが、投資家サイドから見れば上記のように税率まで考慮した出口戦略が考えられていても全く不思議ではありません。

【特徴2】オリンピック前の売り抜けと経済危機10年周期

先述の通り、外国人投資家は2019年という税率が低くなるタイミングで売り抜けるいうという説と、それに関連するもう一つ有名な説があります。これは北京オリンピックの時に遡ると分かりやすいでしょう。

北京オリンピックが開催されたのは2008年ですが、実はその前年から中国株の下落は始まっていました。今がピークと見た投資家の売り抜けによる下落です。同時に不動産景気指数も下落する事となりましたが、最悪な事に、その直後にリーマンショックという非常にネガティブな事件が起こります。結果、中国の各市場は2009年まで下落傾向が続きました。

こういった動きは恐らく日本でも起こるだろうという見方が強く、早ければ今年2018年中にもその兆候が現れるかもしれません。金融業界には「経済危機は10年周期で訪れる」という説もあります。2009年のリーマンショックを経済危機と仮定すれば、2019年に不動産バブルが崩壊する説もあながち否定できません。

【特徴3】ピークを迎えつつある世帯数

もう一つ2019年問題と言われるものがあります。2019年問題としては太陽光発電がメディアに取り上げられる事も多いですが、不動産業界では、2019年に世帯数が5306万世帯というピークを迎え、その後減少していく事が2019年問題と呼ばれてきました。

実はこれ、国立社会保障・人口問題研究所による過去の調査の話であり、最新のデータでは少なくとも2023年までは世帯総数は増加すると予測されています。

しかし、近いうちに世帯数の減少が始まるという予測はあながち外れているとも言えません。確かに最新データでは前回の予想が修正されていますが、既に「親、夫婦、子供」というサザエさんのような家族形態は以前から減少傾向にあり、次に減少するのが2021年の核家族世帯となっています。

逆に単身世帯は2030年頃まで増加しますが、人口減少問題からは逃れられず2033年からは減少すると予測されています。一般世帯総数で見れば2023年まで増加と修正されたものの、核家族と単身以外の世帯の数が減少し続けていることを考えると、2019年問題以前の話とも言えるでしょう。

言い換えればそれは、子が相続しないであろう「実家」という負動産が増え続けている証拠とも言えるかもしれません。

【特徴4】消費税増税前の駆け込み終了

忘れてはならないのが、消費税増税前の駆け込み需要です。これまでに何度か行われてきた消費税の増税ですが、その都度駆け込み需要が観測されていたため、今回の消費税増税でも高確率でそれは起こると予想されます。しかしその後が問題です。

実際に消費税の増税が行われるのは2019年10月ですので、基本的に新税率が適用されるのは物件の引き渡しを増税前と後のどちらで行ったのかで変わります。そのため、2019年10月まで駆け込み需要があるという見方が有力ですが、注文住宅などにおいては2019年4月までの工事請負契約であれば旧税率が適用になるため、業界関係者の間では、早ければ2019年4月以降から駆け込み需要が収束していくのではないかという見方もあります。

【特徴5】住むつもりはないが空き家にもできない

空き家対策特別措置法が2015年に施行されている事はご存知かと思います。簡単に言えば、現在の空き家への対策や空き家が増えないようにするための法案ですが、これが逆に不動産所有者の負担となる可能性があります。

現在、この法令に基づいて各自治体での計画策定が進んでいると言われています。もし既に、放置している空き家物件を所有している場合は注意が必要です。まず、老朽化や雑草の繁茂により、その物件が人に危険を及ぼす可能性があると判断された場合、まず自治体から助言や指導が行われます。危険かどうかだけでなく、そもそも空き家を解消したいと考える国や自治体にとっては、最初の忠告というわけです。

もし指導に従わなかった場合、勧告、命令、代執行といった順で徐々に強制力が強まっていきますので、売るにも売れず、かといって解体費用も捻出できないといった場合でも何らかの対処をしなければいけなくなります。もちろん、代執行で費用が発生した場合は所有者負担となりますので、ただでさえ負動産であった物件が更に負を生む事がないよう、今から注意が必要です。

【特徴6】終の棲家として買ったマンションが…

分譲マンションストック戸数

■出典:分譲マンションストック戸数(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html

国土交通省がまとめたマンションストック戸数の表を見たことがある方も多いかと思います。新規分譲マンションの戸数だけでなく、旧耐震基準で建てられたマンションのストック数が年々増え続けるグラフが印象的で、建築や不動産に関わるメディアで度々取り上げられています。旧耐震基準のものだけでなく、築年数が経過したマンションなどを所有している場合、今後は早急に対策が必要になるかもしれません。

「何を今さら」というご意見もあるかもしれませんが、現状の老朽化マンションは「悪い」というレベルを超えており、その対策はもはや悠長なことは言っていられない喫緊の課題なのです。

国土交通省のまとめによると、平成25年時点では築50年のマンションが既に1万戸ありましたが、その内、建て替えを実施したものが183件であったとしています。1棟あたりの戸数を平均30戸だとすると、330棟ほどが築50年以上のマンションで、建て替えは60%ほど終わっている計算になります。

しかし恐ろしいことに、同調査では1万戸だった築50年のマンションは、平成30年には一気に5万戸(3000棟以上)に増加、平成35年には30万戸(21000棟以上)に急増するという緊急事態なのです。

築後30、40、50年超の分譲マンション数

■出典:築後30、40、50年超の分譲マンション数(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html

建物の老朽化が進めば、自ずとマンションに住む人の高齢化も進みます。「終の棲家として購入した」という声もよく耳にしますし、「老いて先も長くないから今さら建て替えは…」といった理由での建て替え拒否もあり、建て替え決議がなかなか前に進まないのはよく聞く話です。

しかし、「終の棲家」という住人の感情だけに影響された結果ではなく、修繕積立金が足りない、建て替えや大規模修繕に関する知識やスキルを持った人がいない、コンサルタントや専門会社に依頼するにも費用が嵩むなど、実に様々な問題を抱えているため、建て替えを実施したくても話し合いだけで10年かかるというケースも珍しくありません。

では、今から修繕や建て替えを積極的に行うマンションが増えたとしたらどうでしょうか。
当然今度は、建築会社が足りない、時間が足りない、人手が足りないという問題が出てくるわけですが、今後は建て替えや修繕が停滞していたり、話し合いすらしていないマンションであるほど「負動産」になる可能性が高いと言えるでしょう。

【特徴7】負のスパイラルが起こる可能性

負動産になるかもしれない7つ目の理由は、「上記までの理由を含め、近いうちにバブル崩壊のスイッチが入るのではないか。スイッチが入ったら負動産が激増するのではないか」ということです。根拠の乏しい推測かもしれませんが、あながち的外れとも言えないでしょう。

1990年代のバブル崩壊を目の当たりにした方はご存知かもしれませんが、日経平均株価が下がり始めたのは1989年でした。その2年後から地価も下落を始め、そのまま金融機関の破綻や各企業の破綻へと発展、日本のバブルはあっという間に弾け飛びました。

つまり、上記までに挙げたものも含め、一度スイッチが入ってしまったらもはや誰にも止められない負のスパイラルが起こる可能性は否めないのです。しかも、一度バブル崩壊を経験している日本ですから、いち早くそれを察知した投資家たちの逃げ足は速いでしょう。前回を超えるスピードで各市場が冷え込む可能性も考えられます。

不動産業界では、ここ数年以内に経済危機や不動産バブルの崩壊が来ることを前提としていると言われており、現状を一言で表すと「スイッチはあらゆる場所にある。あとはいつONになるか。」と言えるのかもしれません。

所有物件を負動産にしないためには?

20180630-7

2018年6月末の時点では市場に特に変わった雰囲気もなく、上記までの7つの理由が杞憂に終わるのではないかと思われた方もいるかもしれません。

下図の通り、レインズが公表している中古マンションの成約件数や㎡単価等の推移を見てみると、2月と3月の成約件数や㎡単価が振るわない結果となることや、4月と5月は逆に持ち直すという動きは毎年同様の事であり、やはり何ら変わったところはないようにも思えます。

負動産にしないために必要な事

■出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「REINS TOWER」の資料より筆者にて一覧化
http://www.reins.or.jp/trend/mw/index.html

しかし、気になるのは今後発表される路線価や基準地価です。路線価は相続税や贈与税の算出の基準となる地価で1月1日時点のものとなりますが、基準地価は公示地価の詳細版といった面もあり、更に基準地価は7月1日時点の地価を表すものですから、この結果次第では2019年の行方が見えてくるかもしれません。

【追記】2018年の路線価が発表されました!

超速報!2018年(平成30年度)全国の路線価ランキング
超速報!2018年(平成30年度)全国の路線価ランキング
2018年7月2日、国税庁が全国の路線価を発表しました。この記事では全国の最高路線価トップ20と全国の路線価上昇率トップ10をご紹介させていた...

不動産を所有するために必要なこと

ここまでの話では、まるでマイホームを持つこと自体が危険、時代遅れとでも言うかのようですが、決してそうではなく、あくまでも「負動産」にしないための工夫や見通しを立てることが今後は重要になってくるということです。

確かに、不動産を所有している限りは固定資産税という永久に無くならない支払いがありますし、売却しようと思ったところで築年数が経過すれば売るに売れない可能性は高まっていきます。かといって、空き家や供給過剰と言われる賃貸物件の数が減少するにはまだ時間もかかると考えれば、安易に賃貸に出そうと思っても上手くいくかどうか怪しいところです。

しかし、そんなネガティブ要因ばかりを見ていては不動産市場にも悪景況を及ぼしかねませんし、「家を持ちたい」と思っている方の出鼻を挫くだけで生産性がありません。そこで、真っ先に買わない選択や放置する選択をするのではなく、自身の所有する物件を負動産にしないために以下のような事を考えると良いでしょう。

  • 最終的に物件をどう処分するか「出口戦略」を考える
  • リノベーションや定期的な修繕など、資産価値を落とさない努力をする
  • 資産活用の方法を常に用意しておく
  • 不動産を所有しているというステータスに固執しない
  • 相続に備え、親族との関係を深めておく
  • 所有物件に関係する税金の知識を付けておく
  • etc…

出口戦略を考えるとは、本来は不動産投資家の考えることですが、今や負動産を生み出さないために自己居住用の物件にも求められていると言えるでしょう。

マイホームを持った、不動産運用を始めたということで喜びや高揚感で満たされるのは皆同じです。これからは負動産にしない、資産価値を高めるという一歩先を行く不動産の持ち方がスタンダードになっていくかもしれません。

まとめ

現在、フジテレビにて「限界団地」という深夜ドラマが放映されています。タイトルからして不動産に関わりのある話かと思いますが、その内容は「冬彦さん」で一躍その名を有名にした佐野史郎さんが、自身の思い描く「夢のニュータウン」を実現するため、邪魔な住人を排除すべく、狂気の沙汰とも言える異常性を見せるというもの。そんな限界団地が「冬彦さん復活!」と話題になっていますが、このドラマに登場する住人の印象的な言葉があります。

「やだよ、こんなとこ」

そう、今や日本の団地は夢のニュータウンどころか負動産化が進んでおり、住みたいと思う人も少なくなっています。自治体への負担が大きくなるのは当然のことと言えるでしょう。

所有者不明土地や耕作放棄地などをこれ以上増やさないためには、国や自治体による法改正、整備、管理が必須なのは変わりません。加えて、雑種地などを開発して大分譲を行うデベロッパー各社においても、売り捨てではなく、その地域の将来を見据えた開発を行っていく努力が必要になるでしょう。

そしてそれは、それぞれが単独で行うのではなく、行政と企業が連携して行い、個人においても不動産を見極める力を付けていくことが望ましい形と言えるのではないでしょうか。

4/5 (4)

記事の平均評価

各種お問い合わせやご相談はこちら