ドラマ・アニメのチカラで町おこし!聖地巡礼の不動産市場への影響 | 不動産投資を考えるメディア

ドラマ・アニメのチカラで町おこし!聖地巡礼の不動産市場への影響

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指をさす女性営業マン

2016年7月に日本テレビで放送が開始された北川景子さん主演のドラマ「家売るオンナ」。視聴率は好調なうちに最終回を迎え、その後のスペシャルドラマも13.0%という高視聴率を叩き出したとして話題になりました。

思い返してみれば、これまで不動産をテーマに視聴率を稼いだドラマは多くなかったように思われますが、そこは日本テレビの戦略勝ちといったところが大きいようです。では果たして、この「家売るオンナ」は不動産業界のイメージ向上に貢献するに至ったのでしょうか。

そんな事を考えながらテレビが及ぼす不動産市場への影響を調べてみたところ、多くの可能性に気付くことがありました。今回は「聖地巡礼」のブームで町おこしにまで至った実例を踏まえ、ドラマ・アニメのチカラが不動産市場へ及ぼす影響について考えてみたいと思います。

「家売るオンナ」は不動産業界のイメージを変えた?

北川景子さんが主演を演じる「家売るオンナ」ですが、実在する不動産業界の関係者からは「こんなシーンあり得ない!」「これは犯罪の域!」なんて意見もあったようです。

しかし、そこはドラマの世界。真面目一辺倒の演出では視聴率が稼げるわけもなく、不動産活劇と考えれば多少は過ぎた演出があっても問題ないでしょう。

日本テレビは「過去の事件で心に傷を負った女性が、あらゆる事象に淡々と向き合い、それによって何故か周りの人を幸せにする」というパターンを得意としており、過去には「女王の教室」「家政婦のミタ」などが同じパターンでヒットを飛ばしました。

それはさておき、「家売るオンナ」がヒットしたのを機に、多くのメディアが実際の不動産会社の女性社員にインタビューしたり、ドラマとリンクして不動産業界の実務について解説する記事をアップするなど、テレビドラマの不動産業界への影響は否定できません。

「家売るオンナ」がヒットした以外にも、TBSでは「拝啓、民泊様。」を放映、テレビ東京では「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」という賃貸不動産のドラマが話題を呼び、NHK BSプレミアムでは「プリンセスメゾン」といったドラマが放映されています。

「地上げ」「悪徳」「反社勢力」など、何かと悪いイメージを持たれがちな不動産業界。何やら今までスポットが当てられていなかった不動産ドラマが業界の追い風となりそうな雰囲気が感じられ、「家売るオンナ」などのドラマで不動産業へのイメージが変わったという人は多そうです。

ドラマではありませんが、実際に「テラスハウス」というフジテレビの番組がきっかけとなり、一時シェアハウス人気が高まったという事例もあります。ただ、その後は聞こえの悪い事件も続きましたが…

そんな風に見ていくと、やはりテレビドラマなどによる不動産業界への影響が無いとは言えないでしょう。いっそ過疎化が進む街を題材にしたドラマをヒットさせることができれば、社会貢献に繋がるのではないかと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで一つピンとくるのが、テレビアニメの「聖地巡礼」のブーム。聖地巡礼が何やら地域の活性化に大きく貢献しているとの情報が多くあり、不動産業界への影響を調べてみることにしました。

「らき☆すた」の聖地巡礼で町が活性化!久喜市鷲宮の事例

「らき☆すた」というアニメで登場する「鷲宮神社」。埼玉県久喜市にある、それまでは何の変哲もなかった一つの神社が「らき☆すた」で登場したことから、突如として訪れる人が激増したというニュースはご存知の方も多いでしょう。

同アニメが放映されたのは2007年。それまでは10万人にも満たなかった初詣の参拝客が「らき☆すた」が放映されたのを機に、2007年には13万人、翌年には30万人と年々増え続け、2011年にはついに47万人となりました。

この驚異的なアニメの影響は、人とのコミュニティ形成や町全体の活性化、各自治体が視察に訪れるなどといった変化をもたらし、経済効果はなんと22億円にもなるとの話もあるほどです。

さて、一過性のものかと思われるこの聖地巡礼ブームですが、加えて驚きなのが、「らき☆すた」の放映終了から数年経った今でも鷲宮という地域の町おこしは盛況であり、鷲宮神社の参拝客の数は今も変わらないということです。

これだけ大きな変化をもたらした「らき☆すた」による町おこし。実際に地価相場にも影響を及ぼしたのでしょうか。

実際に久喜市の地価推移を見てみると、確かに2007年から2008年にかけて一時地価が上昇する場面があります。

とは言え、これは久喜市だけの話ではなく、日本全国の地価が上昇したミニバブルの時期であり、2008年以降の地価推移は下落傾向にあります。さすがにアニメだけの影響では地価上昇にまでは繋がらないのかもしれません。

しかしながら、こと賃貸経営に関しては、聖地巡礼ブームによる影響が全くないとは言えなそうです。

聖地巡礼が不動産業界に影響を及ぼす可能性

昨年、株式会社DeNAトラベルが行った少々興味深いデータがあります。10~70代の1020人に実施したアンケートでは「あなたは聖地巡礼をしたことがありますか」の問いに「はい」と答えた10~30代は6割を超え、40~50代は約5割となりますが、60~70代となると4割を切ります。

しかしこの結果に対し、「聖地巡礼の為に海外まで行ったことがあるか」という問いに「ある」と答えたのは、10代が3割、20~30代が4割、50代以降となると何故か6割を優に超えてきます。この結果の謎は以下のアンケート結果を見ると納得がいきます。

同アンケートでは「訪れたことのある聖地」という質問もあり、1位がアニメ「ガールズ&パンツァー」で登場する茨城県大洗であるのに続き、2位はなんと「ローマの休日」のイタリアがランクインしています。

更に、「訪れてみたい聖地」の質問に関しては、「エヴァンゲリオン」で登場する神奈川県箱根や「ジョジョの奇妙な冒険」の舞台となったイタリアといった有名どころが登場しつつ、「冬のソナタ」の韓国、「赤毛のアン」のカナダがランクインしています。

参考:@Press「DeNAトラベルが「聖地巡礼」についてアンケートを実施」
https://www.atpress.ne.jp/releases/136869/att_136869_1.pdf

これらの結果を見る限り「なるほど」と思わざるを得ません。実際のところ「らき☆すた」でブームになった久喜市鷲宮周辺の町おこしは、日本全国に知られるほどの影響をもたらしましたし、テレビ東京で放映されたドラマ「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」は、「SUUMO住みたい街ランキング2017」で再び吉祥寺が1位に返り咲く要因の一つとなったという分析もあります。

ここまでを総合して考えた時、アニメやドラマの聖地巡礼で土地の価格にまで与える影響はさほど大きくないと言えますし、一過性のブームになる可能性も否めません。

とはいえ、聖地巡礼が「らき☆すた」に始まったブームかと思いきや、「ローマの休日」や「冬のソナタ」といった観光ブームがあった事を思い返すと、聖地巡礼は世代に関係なく、町おこしや経済効果へ繋がる一つとなるのは間違いなさそうです。

さて、今後ヒットするドラマ・アニメでは、どの町が聖地となり、訪れる人が多くなるのでしょうか。聖地巡礼と不動産投資との間に直接的な関係を見出すのは難しいかもしれませんが、実際に物件を所有して賃貸経営をされている方にとって、聖地巡礼による地域の活性化が歓迎すべきものであるのは間違いなさそうです。

まとめ

冒頭でもお話した通り、これまで不動産をテーマにしたアニメやドラマはあまり多くありませんでした。パッと思いつく限りでは、過去に「フリーター、家を買う。」という不動産を連想させるドラマもありましたが、その内容は不動産というよりも、なかなか就職できないフリーターと周辺の人々とのヒューマンドラマに終始し、本格的に「家を買う」動きが出たのは最終回のみでした。

最近ヒットを飛ばしたテレビ朝日のドラマ「おっさんずラブ」では、登場人物たちが「天空不動産」という会社社員であるという設定になっていますが、やはり不動産というよりも恋愛ドラマ。しかし、これらメディアのチカラによって、少しずつ不動産業界のイメージも変わってきたように思えるのも正直なところです。

そういえば、昨今問題となっている団地やニュータウンの高齢化。現在、それを基にした「限界団地」というドラマをTBSで放映していますが、かつて狂気のマザコン夫「冬彦さん」を演じた佐野史郎さんが、再び狂気の住人を演じるという事で話題になっているようです。

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