「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」に決着!結論は誰にも出せない!? | 不動産投資を考えるメディア

「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」に決着!結論は誰にも出せない!?

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家についての議論イメージ

「賃貸と持ち家どっちが得か?」
こんな話題を一度は耳にしたり、解説する記事を見たことがある方も多いかと思いますが、世間の意見として最も多いのは「資産が残るから絶対持ち家!」という結論。

不動産や金融関連のメディアも「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」に決着を付けようと、あらゆる手段で解説するも、結局は釈然としない結論になりがちです。

何故、この論争に誰も結論を出せないのでしょうか。
そこで、今回は「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」に終止符を打つべく、ある意味最終結論とも言える内容を解説させていただきます。

「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」の決着が付かない主な理由

まず初めに、様々なメディアでも比較される、賃貸と持ち家の住宅に関わる費用のシミュレーションを見てみましょう。

ここでは、30歳で結婚して新居に住み始め、80歳で生涯を終えたという仮定でシミュレーションしています。
賃貸に関しては始め家賃10万円でスタートして、築年数や家族構成の変化から25年目で家賃7万円の物件へ引っ越したと仮定し、持ち家の場合は3500万円の木造住宅を全期間固定金利1.3%の35年ローンで購入し、1度だけフルリフォームしたと仮定します。

「賃貸に住み続けた場合」
前家賃 10万円
敷金2ヶ月 20万円
礼金1ヶ月 10万円
仲介手数料 約7万円
保証料 3万円
火災保険料(25年分) 25万円
鍵交換費用 2万円
25年分の家賃(300ヶ月) 3000万円
25年分の更新料(2年毎1.5ヶ月分) 約188万円
(以下、26年目以降)
前家賃 7万円
敷金2ヶ月 14万円
礼金1ヶ月 7万円
仲介手数料 約7万円
保証料 2万円
火災保険料 25万円
鍵交換費用 2万円
25年分の家賃(300ヶ月) 2100万円
25年分の更新料(2年毎1.5ヶ月分) 約126万円
賃貸に80歳まで住んだ場合の合計費用 5555万円
「3500万円の持ち家に住んだ場合」
初期費用(10%) 350万円
手付金 500万円
ローン総返済額(3000万円借入) 約3730万円
50年分の固定資産税(10万円と仮定) 500万円
リフォーム費用 500万円
持ち家に80歳まで住んだ場合の合計費用 5580万円

このように、費用面で見た時の合計金額には大きな差は生まれません。
実はこれが「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」に決着が付かない理由の一つでもあります。
当然、持ち家の場合は所得税の住宅ローン控除等がありますし、そもそもローンを利用しなければ大きく節約できます。

対する賃貸の場合も家賃の減額交渉が可能で、早い段階で安い物件に引っ越す、物件のグレードにこだわらないなどすれば安く住み続けることが可能です。
つまり、それぞれに費用の節約術が存在するため、住み方や支払い方法等によって節約ができるという理屈を持ち出し、「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」に結論を出すことは難しいのです。

「お金」以外で考える「賃貸」と「持ち家」のメリットデメリット

上記の比較から「でも、最終的に土地という資産が残る!」と思われる方が多くいらっしゃることは重々承知の上であり、確かに一般的な戸建て住宅は最終的に1000~2000万円ほどの価値がある土地が残ります。
しかし、土地には固定資産税という永遠に無くならない費用がある上に、子に相続する際には相続税もかかります。

最近では特に利用の予定もなく、需要もない土地を「負動産」と揶揄する言葉まであるほどなのです。
更にもし、持ち家がマンションであれば管理費、修繕費がプラスで必要になる上に、大規模修繕のために数十万円から百数十万円以上の一時金も必要になるケースすらあります。

では、住宅に関する費用に大きな差が無いのであれば、「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」をどう決着させればよいのでしょうか。
そこで、賃貸と持ち家をお金以外の視点から見た時のメリットデメリットを考えてみましょう。

(賃貸のメリット) (持ち家のメリット)
住み始めの費用が安い 最終的に資産が残る
税金は所得税と住民税くらいで済む 隣や上階の騒音に悩まされにくい
引っ越しが自由にできる リフォームや修繕、改築が自由
災害などで住まいが消失してもローンは残らない いざとなれば賃貸に出して家賃収入を得られる
光熱費は借りている部分のみ 共有設備のルールや修繕費等の強制がない ※戸建のみ
各設備の管理や費用が不要 ペットが自由に飼える ※戸建のみ
(賃貸のデメリット) (持ち家のデメリット)
支払った家賃は戻ってこない 初期費用が高額
隣や上階の騒音や迷惑行為に悩まされる可能性がある 固定資産税の支払いが永遠に続く
DIYやリフォームだけでなく、設備交換すら自由にならない 住み替えが簡単ではない
高齢になるほど借りづらくなる 広くて自由な反面、光熱費が嵩む
更新料が必要 災害等で家が消失したら、借金だけが残る可能性がある
ペットが飼いづらい 防犯・修繕等は全て自己管理、自己負担

上記を比較して決定的なメリットは見つかりましたでしょうか。
むしろ、ライフスタイルやリスクの面から見ても、賃貸にも持ち家にも同等のメリットデメリットが存在するという事にお気づきになられた方がほとんどではないでしょうか。

ここまでを踏まえて、「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」に最終結論を出してみたいと思います。

「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」は「損得」と「不安定要素」のバランス

本記事をお読みいただく前までは、賃貸と持ち家どっちが得かと聞かれて最初に「お金」を連想される方が多かったのではないでしょうか。

それは、不動産、金融関連のあらゆるメディアも同様であり、どの記事も金銭的な優劣を理路整然と語り、将来的に渡るお金の動きを細かに算出して解説しています。
しかし、決定的に不足しているのは「何を得と捉えるか」です。

上記の通り、賃貸と持ち家はどっちが得かをお金という面で見た時に、結果として大きな差が生まれることはありませんでした。
更に、金銭面以外でのメリットデメリットを比べても、それぞれに特有のメリットデメリットがありました。

では、なぜ賃貸vs持ち家どっちがお得論争がいつまでも続いているのでしょうか。

それは「何をお得と考えるかは人によって違う」「賃貸と持ち家にある特有のデメリットや不安定要素を無くすことは難しい」という2つの事実があるためです。
要は、賃貸と持ち家という比較において、それぞれに存在する不安定要素を多く解消できたほうが優るものの、結果的にそれは難しいことであって人によって得と感じる点も違うのです。

たとえば、生涯を旅する人生で終えるような人であれば、持ち家なんて持つ必要がありません。一時的に寝床が確保できる部屋さえ借りられればそれでいいという人もいるでしょう。
逆に、自分の城を持ち、確固たるステータスを築くことに重きを置く人にとっては、持ち家を選ぶことが正解と言えます。

しかし、マンションと戸建てのどちらにもリスクやデメリットは付きまとうため、それらとどう付き合っていくかによって「お得」が一転して「大損」になることもあるのです。

住まいを確保するという事は、不安定要素との付き合いの始まりでもあります。
一生働かなくても良いほど資産を持っていない限り、「賃貸vs持ち家どっちがお得論争」が決着することはないでしょう。

強いて結論を出すのであれば、「ライフスタイルや将来設計に合わせたストレスフリーな住まいを構築できる」ということが、自分にとっての「お得な住まい」と言えるのかもしれません。

まとめ

タイトルにもある通り、賃貸と持ち家どっちが得かは誰にも出せないというのが、最もシックリくる結論なのかもしれません。
少々ずるい結論かもしれませんが、合理的かつ事実を並べていくと今回のような結論になっても不自然とは言えないのではないでしょうか。

それでも尚、どちらかに優劣をつけようと思うのであれば、どちらかをヒイキするしかありません。同時にそれは、重要なリスクを見落とすことにも繋がります。
つまり、不動産にかかわらず、公平な目で比較し自分にとって得となる選択をし続けなければならない投資の世界において、どちらかを無理に有利なものとして見てしまうのは致命的なミスとなり得るのです。

とはいえ、「お金」「時間」「自由」などを考えた時に何を得と考えるかはその人次第であり、最終的に満足な住まいを確保できたのであれば、それが一番の得だと言えるかもしれません。

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