ペット可物件は入居率向上に寄与するのか? | 不動産投資を考えるメディア

ペット可物件は入居率向上に寄与するのか?

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ペット可能物件は果たして入居率向上に寄与するのか?│画像

ひと昔前では、賃貸物件でペットを飼うのはなかなか難しいものでしたが、最近は入居率を向上させるために、ペットが飼える物件も増えています。
ある調査によると、ペットを飼っている独身社会人は4人に1人。今後、何らかのペットを自分の部屋で購入したいと考えている人を合わせると実に2人に1人の割合となり、ペットと一緒に住むという需要はますます高まっています。
しかし、ペット可物件の住人には、とても常識では考えられない状態でペットを飼育し、物件の価値を下げてしまう問題のケースもあります。
犬や猫だけでなく、最近は小鳥やウサギなどの小動物や蛇やトカゲといった爬虫類も人気です。サイズにもよりますが、部屋の中にいる蛇が逃げ出してしまったら、それだけでも大事件に発展してしまう可能性もあります。
ペット可物件にすれば、本当に入居率が向上するのでしょうか。今回はペット可物件をメリットとリスクの両面から考えていきます。

ペット可物件が災いした失敗例

Aさんは、ある地方都市近郊にアパートを所有するサラリーマン大家さんです。
Aさんが所有している物件は、築35年の築古物件。最寄駅から徒歩5分程度とアクセスはとても良いのですが、物件が古く間取りも狭い上、そのエリアで大口の借り手だった工場が閉鎖され、全10戸の半分が空室になる状況に陥っていました。
そこで、藁をも掴む思いでAさんが考えたのが、部屋の中でペットの飼育を許可することでした。ペット可能という情報を掲載したところ、すぐに小鳥を飼いたいという入居希望者が現れ、早速入居が決まりました。
ところが数日もすると、その部屋のペットの問題で近隣住民から苦情がきていると管理会社から連絡がありました。管理会社に詳しい話を聞いてみると、その内容は常識では考えられないような内容だったのです。
小鳥を飼うと言っていた入居者ですが、実は部屋の中で30羽以上もの小鳥を飼っていたのです。小鳥とはいえ、それだけの数を飼うと、糞などで部屋からかなりの悪臭が漂います。それだけでなく鳥の鳴き声なども部屋から四六時中漏れて聞こえてくるので、近隣住民にとっては迷惑極まりない状態になっていたのです。
そこで、管理会社を通じて注意をしてもらいましたが、許可をもらったとの一点張りで一向に取り合わず、そのまま黙認せざるを得ない状況になってしまいました。その間に他の部屋の退去が相次ぎ、結果その物件を手放してしまったといいます。

入居者を増やそうとペット可能にしたことが、このケースでは大きな仇になってしまったのです。

ペットを飼う条件を明確にする

ペット可物件では、オーナーがペットを飼う条件を明確にしていないケースも少なくありません。オーナーとしては常識の範囲で、ペットを飼って欲しいと考えているものですが、常識をはるかに超えるケースが存在することを忘れてはいけません。

入居率を高めたいからといって安易にペット可物件にしてしまうと、せっかくの資産価値を下げてしまうことにもなりかねません。前述したオーナーのような失敗を防ぐためにも細かい飼育ルール、ペットの飼育に関する規約を設けた方が無難です。重要なのはそのペット規約をどの程度まで細かくするかということです。

たとえば、ケージに入れて飼育するなどの明文化された飼育ルールがない場合、放し飼いで飼ってしまう人もいるでしょう。小動物のハムスターでも放し飼いで飼ってしまうと、あらゆるものを歯で傷つけてしまうことがあります。
柱などを傷つけられた場合、退去時の原状回復費用がバカにならないケースもあるのです。規約が明確でないと責任の所在が曖昧になり、水掛け論に陥ることもあります。だからこそ、ペット規約は必要なのです。

ペット規約を制定するには?

では、具体的にペット規約とはどのようなものを準備すればいいのでしょうか。

まず、種類、大きさ、頭数は必須です。
問題が起きやすいのは、共用部分やバルコニー、ベランダ部分でのペットの扱い方です。トラブルが起きた事例では、共用部分で糞を放置するケースがあったり、バルコニーでペットを洗うため、毛などで排水溝を詰まらせたりするケースがありました。共用部分の規定やバルコニー、ベランダ部分の取り扱いについても細かい規定を設けておくことが大切です。

また、犬など鳴き声が大きい動物は近隣に迷惑を掛けないために、しつけ教室に通わせておくことを入居条件にするのもオススメです。
そして、賃貸借契約書にはペットによる汚損や破損は飼い主である入居者の負担であることを明言しておくことが重要です。

細かいペット規約を設けているケースでは、飼っているペットの写真を添付した申請書類の提出が義務付けられていたり、予防接種を義務付けていたりするところもあります。想定される問題を事前に解消しておくためにも、ペット規約は管理会社と相談しながら決めておくのが良いでしょう。

まとめ

独身社会人の多くがペットと暮らしたいと考えており、今後もペット可物件の入居需要は増えていくことでしょう。そうした人たちの需要に応えるべく、ペット飼育を可能にするオーナーも実際に増えています。
しかし、ペットが元で新たなトラブルも発生しています。ペットの飼育には、種類やサイズ、頭数、また責任の所在など最低限の条件を設けておくことが必要です。
販促対策のはずが、トラブルの元にならないように予め対策を整えておきたいものです。

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