不動産投資の東京への一極集中が実は危険な理由

東京の街並み
「不動産投資するなら、人口が集中する東京が良い」そんな言葉を数多くの不動産関連メディアで目にします。確かに人が集まるなら、そこに不動産を所有すれば空室に困る可能性は低くできます。

ただし、安易に投資エリアを東京へ一極集中させるのにはリスクが伴います。今回は不動産投資の東京への一極集中が実は危険である理由を解説します。

実は危険な「東京一極集中」型の不動産投資

一極集中させるのが東京でなかったとしても、分散投資しないこと自体がリスキーです。分かりやすい例を挙げると、もし同じエリアでだけ不動産投資していて大きな災害が起きたら、物件が全て壊滅してしまう可能性があります。また何らかの原因で、そのエリアの過疎化が進んだとしたら空室は一気に増えるでしょう。

つまり、「そもそも一極集中型の不動産投資自体が危険」なのです。では、東京への不動産投資を一極集中させるのが何故リスクなのでしょうか。主な理由が3つあります。

  • 不動産市場は東京だけがバブル状態
  • 既に素人では手が出しにくい状態
  • 東京の不動産は経済情勢に影響を受けやすい

東京の不動産市場は、現在のところバブルだと言われています。2012年以降、アベノミクスによって不動産価格が高騰を続け、現在は一般の投資家では手の出しづらい水準になっています。仮に銀行から融資を受けられるとしても、今から東京の不動産を安易に購入するのは危険な行為です。

東京の不動産価格は最高値を更新し続けている

では前章の理由を詳しく解説するため、不動産投資を「お金儲け」という視点で考えてみましょう。儲かると分かっているところには必ず人が群がります。ただ気づいた頃には時すでに遅し。早くに投資していた人は盛り上がってきたところで資金を引き揚げます。

最も分かりやすい例が仮想通貨の相場。仮想通貨は大変な騒ぎになるほど盛り上がりましたが、今では完全に静かになってしまっています。盛り上がった頃に投資した人たちの多くが、大きな損失を出してしまいました。

■出典:tradingview

では、東京の不動産市場をどう見るべきでしょうか。先述の通り、東京の不動産市場はバブル状態。その裏付けとなるのが、「東日本不動産流通機構」と「不動産経済研究所」のデータです。

■出典:レインズデータライブラリー

※不動産経済研究所のデータを基に筆者作成

新築も中古も勢いよく価格が上がっています。特に新築マンションは1戸あたり平均7000万円を超えており、一般消費者が手の出せる範囲を大きく超えている状況です。では、東京以外のエリアでここまで不動産価格が高騰しているかというと、全くそんなことはありません。東京の不動産価格は一人歩きするかのように上がり続けているのです。

この盛り上がりが今すぐにしぼんでしまうとは言い切れません。ただ少なくとも、相場という視点で見た時にいつ下落が始まってもおかしくない状況と言えるでしょう。もし東京への一極集中型投資をしていたとしたら、東京の不動産バブルが崩壊した時の被害は目を覆いたくなるものになるでしょう。

真っ先に経済情勢の影響を受けるのが東京

不動産投資を東京へ一極集中させるリスクとして、「東京の不動産は経済情勢の影響を受けやすい」という点も忘れてはいけません。もちろん根拠があります。

以下にご紹介するのは、以前に当サイトで掲載した記事「2019年の不動産市場に潜在する5つのリスク」にてご紹介したグラフです。

上のグラフが何を示しているかというと、青い線が東京都心3区の中古マンション価格、赤い線が日経平均株価です。2009年1月以降からのデータですが、どちらも2012年を境に上昇しています。その後2015年と2016年の足踏みを経て、更に上昇するという動きです。つまり、東京の特に都心3区にある不動産価格は経済情勢の影響をダイレクトに受けやすいのです。

一般的に経済情勢に変化があると東京都心3区に影響し、その後、周辺エリアや23区全体、さらに首都圏全体といったように波及していくと言われています。もし不動産投資を東京への一極集中型にしていたら、経済情勢の変化による影響をすぐに受けます。もちろん今後も不動産価格が上がるなら問題ありませんが、現状は既に限界まで高い状態。この後も引き続き不動産価格が上がるとは考えづらいでしょう。

すると考えられるのは、経済情勢のネガティヴな変化とそれによる東京の不動産バブル崩壊。不動産バブルの最高値で不動産を買い進めている中で経済情勢に変化があったとしたら、真っ先に影響を受けるのは買い進めたその不動産なのです。

東京一極集中に惑わされない不動産投資の方法

ではなぜ、多くのメディアで東京の不動産投資を勧めているのでしょうか。理由は様々に考えられます。

  • 人口集中をメリットとするのみで他のリスクを考慮していない
  • 地方の若者が東京に上京してくることを前提としている
  • 東京なら高い家賃でも借り手があるという前提である

もちろん日本の人口が東京一極集中であるのは間違いない事実です。ただそれが、不動産投資で「空室が発生しない」「家賃を高く設定できる」「儲かる」ということに必ずしも繋がりません。家賃を高くしたところで、借り手の所得が上がっていなければ借りられるわけがないからです。

では私たちの生活は所得が上がって、以前より裕福になったと言えるでしょうか。正直なところ首を縦に振れる人は少ないでしょう。以下の記事でも解説していますが、東京のマンションは価格が高くなりすぎたため専有面積を狭くしてでも買える価格に抑えているというのが良い証拠です。

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東京の不動産を買うべきではないということではありません。不動産投資に潜在する様々なリスクを考えた時、やはり東京以外のエリアも含めてバランス良く投資を進めていくのが現在の不動産投資で望ましい形と言えるのではないでしょうか。

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