オリンピック決定前後で東京湾岸エリアはどのように変わったか | 不動産投資を考えるメディア

オリンピック決定前後で東京湾岸エリアはどのように変わったか

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2020東京オリンピック開催まで約1年となりました。オリンピック開催による不動産バブルが間もなく崩壊すると再三言われてきましたが、今のところ市場にマイナス要因となる特別な変化は見られません。

オリンピック開催直前となった今、オリンピック特需により開発が進められてきたエリアが今どうなっているのか気になる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はオリンピック開催決定の影響が強く出たと言われる湾岸エリアについて、開催決定前後から今に至るまでの変化や開催決定当時の2013年頃の風景画像などをご紹介します。

超高層マンション竣工・計画戸数の推移

「湾岸エリア」に明確な定義はありませんが、以下を湾岸エリアとするのが一般的です。

中央区 月島、勝どき
江東区 豊洲、東雲、有明、台場
港区 台場

このエリアで最初にご覧いただきたいのが不動産経済研究所が公表している「全国超高層マンション市場動向」のデータです。

このデータでは超高層マンションを「20階建て以上」と定義しており、2019年以降に完成予定の超高層マンションの状況を調べたところ、以下のようになっていました。

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不動産経済研究所「全国超高層マンション市場動向」より著者作成

他エリアと比較するためグラフ左側に上記3区を寄せてみたところ、明らかに湾岸エリアを含む区において超高層マンションの供給数が多いことが分かります。

湾岸エリアは基本的に埋め立て地ですからマンション用地となり得る場所が多くあります。そう考えれば上記グラフも当然の結果と言えるかもしれませんが、超高層マンションの供給数の差がここまで如実に現れているのを初めて知った方も多いのではないでしょうか。

湾岸エリアの不動産価格の推移

では、いわゆるタワーマンションである超高層マンションの建設数に対して、土地価格に何か変化があったのか確認してみましょう。

以下のグラフは、東京都の公表する基準地価格を基に作成したグラフです。視覚的に分かりやすくするため、主要3区と湾岸エリアを含む3区をピックアップし、2015年以降の住宅地と商業地における基準地価の変動率をグラフ化しました。

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東京都「東京都基準値価格」より著者作成

住宅地は中央区の地価が2015年以降ずっと下がり続けているものの、江東区は少しずつではありますが確実に地価が上昇しています。

ただ、どちらかというと商業地のほうが特徴的な動きをしており、中央区と港区は2016年を境に平均価格の変動率が大幅に縮小し、やはり江東区が着実に上昇してきています。

超高層マンションのグラフと上記の基準地価の変動率の様子を見る限り、マンション用地の取得がおおむね完了し、まさにこれから着工、完成するタワーマンションが多いのだろうと予測できます。

Googleストリートビューで見る湾岸エリアの変化

湾岸エリアがタワーマンションの建設ラッシュという事は既に各メディアで数多く報じられていますが、今後と発展が見込まれる地域にも関わらず、湾岸エリアがオリンピックの決定前後でどのように変わってきたのかはあまり報道されていません。

そこでGoogleマップの機能を活用して過去と現在の様子を調査・比較したところ、明らかにタワーマンションが増えていると感じさせる場所が複数ありました。その一部である晴海エリアの画像を一枚ピックアップしましたのでご紹介します。

場所は豊洲から豊洲大橋を渡った月島警察署付近の画像です。

【2013年6月】月島警察署付近

【2018年4月】月島警察署付近

左手前にある建物が月島警察署ですが、建設途中だったものが完成し、道路の奥側の整備も完了したことが見て取れます。何よりも月島警察署の背後に2棟のタワーマンションが建設され、たった5年で街の風景が様変わりしたことがよく分かる画像です。

上の画像は豊洲大橋を渡って北東方面を映したものですが、南西方向には空き地が多く残っています。この空き地、実はオリンピックの選手村として使用するため整備が続けられており、オリンピック終了後は50階建てのタワーマンションや商業施設が建設予定となっています。

晴海や豊洲付近にはまだ空き地が多く残っており、オリンピック終了後には更に多くのタワーマンションが姿を現すことになるでしょう。

2025年以降に訪れるかもしれない本当の危機

それにしても、タワーマンションの建設ラッシュがこのまま続いたとして、果たして供給過剰ということにはならないのでしょうか。以前に以下記事でもお伝えした通り、いくら東京に人口が集中しているとは言っても2025年をピークに世帯数が減ることが予想されています。

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そんな懸念がある中で、果たして誰がこのタワーマンションを買うのでしょうか。

この疑問を解消するのに、少々興味深い記事がありましたのでご紹介します。以下は、産経新聞の情報サイト「SankeiBiz」の記事からの抜粋です。

タワーマンションを購入しているのは、基本的にニューカマーです。彼らは大学入学や就職のときに東京に出てきた地方出身者で、それなりに成功を収めた人。年収1500万円くらいになり家を購入する際に、なぜか好んで湾岸のタワマンを買う人が多い。だから湾岸のタワマンに住む人の職業は、IT関連や不動産関係が多いといわれています。しかし私の知る限り、代々東京に住んでいる“本当の富裕層”は、湾岸のタワマンを投資用に買うことはあっても、自分たちが住むことはあまりありません

■引用:SankeiBiz「なぜお金持ちはタワーマンションが嫌いか “本当の富裕層”が好む家とは?」

ニューカマーとは「新しく来た人」。
つまり日本に来た外国人のことを指すわけですが、ここ数年言われ続けていた「外国人投資家がタワーマンションを購入している」ということが、ここにきて改めて報じられた形です。

不動産バブル崩壊の話題となると、2013年にタワーマンションを購入した外国人投資家が、長期譲渡所得が適用になる2018年以降に一気に売りに出るという話が一般的です。

ただ、これから建設されるタワーマンションが買い続けられるのであれば、不動産バブルの崩壊もまだ先の話のようにも思えます。

しかし、忘れてはいけないのが、これから訪れる人口減少の影響です。

不動産投資家は市場に何らかの変化が現れてからではなく、世帯数が減少する2025年より前に出口戦略を検討しておいたほうが良いのかも知れません。

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