建築基準法発覚のレオパレス21はその後どうなった?現在の動きと変化の経緯 | 不動産投資を考えるメディア

建築基準法発覚のレオパレス21はその後どうなった?現在の動きと変化の経緯

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建築基準法

2018年5月に発覚した「レオパレス21の建築基準法違反事件」ですが、その後何か変化はあったのか。たった4ヶ月ほどしか経っていませんが、調べてみると意外なほど情報が出てきます。特に気になるのが、業績への影響とレオパレス21側の対応についてですが、業績悪化は免れていないものの対応については疑問を持たざるを得ないことも分かりました。今回はレオパレス21の建築基準法違反の経緯から現在の動きと変化についてまとめてみました。

建築基準法違反の経緯

まず、建築基準法違反が発覚した当時から現在までの動きを整理してみましょう。

【2018年5月】事件発覚

テレビ東京「ガイアの夜明け」にて建築基準法違反の事実が報道される。その直後、慌てたかのように建築基準法違反の事実についてレオパレス21の公式サイトにてプレスリリースの公表。

【2018年6月】事件と事実に対する恫喝

LPオーナー会で建機法違反による被害者の会を設立。LPオーナー会代表も自身の所有物件の調査にあたりNHKの取材があることをレオパレス21側に伝えると、レオパレス21の社員から恫喝を受ける。

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【2018年7月】状況悪化を招く事態発生

7月はレオパレス21にとっては追い討ちとなる事態が複数発生しました。

  • 事件の最中、深山英世社長の報酬が1億2500万円である事実が判明し非難を浴びる
  • 他のシリーズ物件にも違反ありとLPオーナー会から発表される
  • 猛暑が続く中、物件に設置されたエアコンに3時間で強制的に電源が落ちる機能が付いている問題が発覚

【2018年8月】更に状況を悪化させる問題と赤字転落

続いて8月。直接的な問題が発覚したわけではありませんが、ネガティヴなニュースが続きます。

  • ついに建基法違反の事実に岐阜県の男性が初の提訴。「話し合いができる状態ではなかった」と説明
  • レオパレス21の2018円4~6月期決算が9億円の赤字。補修工事などの引当金として50億円を特別損失として計上
  • レオパレス21の物件に居住する男性の起こしていたNHK受信料の問題でNHK側の勝訴。レオパレス21のテレビ付き物件はNHK受信料の強制徴収が決定
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【2018年9月】レオパレス21物件の97%で問題有り

そして9月。レオパレス21が公表した資料によると、今回特に問題となった「ゴールドネイル」シリーズの建物において、97%以上の物件で何らかの問題が発覚したことを公表しています。また、優先調査を行っている他の物件については調査済みの2割ほどの物件では界壁不備無しと判断されたものの、界壁を含めたその他の不備まで含めた問題を抱えた建物が40%以上になっています。

レオパレス21の建築基準法で特に問題となったのは「界壁の有無」ですが、こんな単純な建築基準法違反の建物を大量に供給していたのであれば、これから調査される2万棟を超える物件についても高い確率で建築基準法違反が見つかることは容易に想像できます。

■全棟調査進捗状況の更新について
https://www.leopalace21.co.jp/info/pdf/2018/progress.pdf

事件前後?現在までの株価推移

さて、サブリース問題の代表としてレオパレス詐欺とまで言われ続けた挙句、建築基準法違反まで発覚したレオパレス21ですが、当然、株価は暴落しています。事件発覚後の推移を見てみましょう。

レオパレス21株価 年初来高値の半値まで下落!

事件が発覚したのが今年5月。1023円あった株価は一気に541円まで下落していますが、実に47%もの下落です。現在は調整の範囲でわずかながら上昇し始めたかという状況ですが、チャートをテクニカルに見る限りでは、もう一段の大幅な下落が想定される動きとなっています。

入居率や受注高にも影響が…

では、レオパレス21の事業には何か影響が出ているかを見てみましょう。レオパレス21はこれまで、サブリース問題の代表のような扱いで報道されてきていますが、実は建築よりも賃貸事業がメインの会社です。入居率の推移がどのようになっているか見てみましょう。

【2018年入居率】
1月 90.83%
2月 92.43%
3月 93.72%
4月 92.82%
5月 92.76%
6月 92.10%
7月 90.45%
8月 89.41%

入居率はピーク時から5%ほど下落しています。あまり減っていないかのようにも思えますが、不動産経営における空室率10%というラインは一つの目安でもあります。では、建築の受注高はどうでしょうか。

【2018年建築受注高】
1月 5,540
2月 5,497
3月 8,124
4月 6,067
5月 4,355
6月 4,438
7月 5,794
8月 5,599

ピーク後の事件発覚で約50%ほど受注高が減少していますが、これまでの数々の事件やガバナンス体制が明るみになっても尚、毎月5000棟以上が建築されているのは少々驚きです。上記のデータはレオパレス21の自社調査によるもの。これまでオーナー達から挙がった声を鑑みるに、影響は軽微だと裏付けるものとして都合よく出されたデータではないかという疑念すら抱いてしまいます。

事件後のレオパレス側の対応

では最後に、レオパレス21側の対応を見てみましょう。レオパレス21では建築基準法違反の事実に対して、オーナー向けの特設ページを開設しています。情報として公開されているのは以下のような内容です。

界壁施工不備問題の概要について

事件発覚の経緯を「オーナーからの申告により発覚」としており、原因や界壁とは何かについて触れています。

問題解決に向けた取り組みについて

対策本部の設置と組織図、建物調査の進捗、2019年10月までに補修工事を終える旨を報告しています。

更新情報

特設ページにおける更新情報一覧

よくあるお問い合わせ

所謂QAですが、「レオパレス管理のオーナー」「他社管理のオーナー」「それぞれ入居者」「共通」に分かれて掲載されています。

さて、これらの対応についてですが、疑問になる点はいくつかあるものの、レオパレス21の姿勢が現れているどうしても気になる記述があります。
それは「よくあるお問い合わせ」のこんな一文です。

Q. 4月27日付のプレスリリースには、対象物件について「当社は安全性があると考えております」との記載があるが、建築基準法違反ではないのか

A.「一部の特定行政庁からは建築基準法違反であるとのご指摘を受けているのは事実でございます。 皆様にご迷惑をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます。改めて原因究明を行ってまいります。」

■よくあるお問い合わせ(共通FAQ)
https://www.leopalace21.co.jp/info/faq/common.html#q08

これは、どういうことでしょうか。一部の特定行政庁から建築基準法違反を指摘されているとありますが、下記リンクにもあるとおり、建築基準法施行令第114条の定めにより完全な建築基準法違反であることは確定しているのですが、まるで「私たちはそんな法律知りませんでした」と言わんばかりの記述です。不動産会社であるにも拘わらず、指摘云々の話以前のことであるはずなのですが…。

■e-Gov「建築物の界壁、間仕切壁及び隔壁」
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325CO0000000338&openerCode=1#909

今回の事件では3万棟にもおよぶ建物を調査するとしていますが、調査費と修繕費は1棟あたり60万円前後と言われています。もし3万棟全てを修繕するとなるとザっと見積もって180億円です。全棟でないにしても、高確率で不備が見つかっていることを考えると同規模の損失はあり得る話です。なにせ全国のオーナーから詐欺だとまで言われているサブリース契約訴訟が数多くあり、レオパレス21に突き付けられた請求額は数億円。特別損失として50億円を計上していますが、先行きはかなり不安定な状況と言えるでしょう。

まとめ

レオパレス21の建物については、これまでに何度となく「4つ隣の部屋のチャイムが聞こえる」とか「壁が動く」といった報告があらゆるメディアに書き込まれていましたが、今回の事件で建物のクオリティの低さを証明してしまったという印象を受けます。

また、筆者の自宅近所にも多くのレオパレス物件が立ち並びますが、どれも空室が目立っており、地主は果たしてローン返済や納税は大丈夫なのだろうかと心配にすらなります。

建築基準法違反の事実と対応については、比較的早期に、そして無理やりにでも終焉に向かわせるでしょう。しかし、間違いなく長引くことが予想されるサブリース問題について、現オーナーはもちろん、今後もレオパレスに対して訴訟を起こす人が現れるだろうということも考えられなくもありません。今後また何か動きがあれば調査していきたいと思います。

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