OYOが提供するスマホ賃貸サービスで賃貸需要はどのように変わるか | 不動産投資を考えるメディア

OYOが提供するスマホ賃貸サービスで賃貸需要はどのように変わるか

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20190418
「契約手続きなしで、すぐに入居可能」そんな斬新な賃貸サービスが始まっています。その名も「OYO LIFE」。

読み方は「オヨライフ」ですが、OYO LIFEはインドのベンチャーとヤフーが共同で立ち上げた「OYO TECHNOLOGY & HOSPITALITY JAPAN株式会社」が提供する、非常に斬新的な賃貸サービスです。

OYO LIFEは、2019年の不動産業界において最も注目を集めた話題になる可能性も秘めています。では一体、OYO LIFEとは何なのでしょうか。

日本の古い慣習にとらわれない新しい賃貸スタイルであるOYO LIFEの内容や、不動産投資の面で何か活用できるポイントがあるかなどを解説します。

日本の賃貸が変わる!OYO とは?

OYOとは、インドに本社を置くOravel Stays Private社(オラベル・ステイズ・プライベート・リミテッド)が運営するホテルの予約サービスです。

予約サービスといっても、単に旅行者にホテルを紹介するだけの仕組みではありません。OYOがホテルを借り上げて30項目にわたる品質チェック、部屋のリフォーム、サービス改善指導を行い、基準をクリアしたホテルが晴れてOYOチェーンの仲間入りとなります。

既にソフトバンクグループやAirbnb、米大手ベンチャーキャピタルなどがOYOへ数十億ドルを出資しており、ベンチャー企業でありながらたった数年でインド最大手のホテルチェーンとなるユニコーン企業へと成長しました。

そんなOYOですが、いよいよ日本に本格進出するとの発表があり、以下の2つのサービスに注目が集まっています。

  • ヤフーと共同で立ち上げた賃貸サービス「OYO LIFE」
  • ソフトバンクと共同で開始するホテル事業

どちらも斬新なサービスで話題になっていますが、特に賃貸サービスにおいては従来の不動産業界の仕組みに大きく切り込んでおり、多くのメディアがOYO LIFEを取り上げています。

OYO LIFEと一般の賃貸物件との違い

では、OYO LIFEがどんなサービスかもう少し詳しくご紹介します。

OYO LIFEは「スマートフォンで物件を探して申し込むだけで部屋を1ヶ月間借りられる」というサービスです。

日本にも既に「マンスリーマンション」というものがありますが、OYO LIFEは、本当にスマートフォンの操作だけで契約まで完結しますので、手ぶらで入居できてしまうという点で全く異なります。

それを踏まえて、具体的に一般の賃貸物件とOYO LIFEの利用の流れを比較してみましょう。

一般の賃貸物件の利用の流れ
  1. 物件探しや内覧
  2. 入居申込と入居審査
  3. 契約手続き
  4. 敷金、礼金、その他費用の支払い
  5. 鍵の受け渡し
  6. 家具や家電を買いそろえる
  7. 公共料金の契約
OYO LIFEの利用の流れ
  1. スマートフォンで物件探し
  2. スマートフォンで入居申し込み
  3. クレジットカードで部屋使用料の支払い

まるでホテル予約をするかのように、数ステップで入居できるのがOYO LIFEの大きな魅力です。さらに、全ての部屋に家具家電が揃っており、敷金や礼金、仲介手数料もかかりません。

マンスリーマンションですら、審査や契約手続き、初期費用の支払いという工程がありますが、OYO LIFEでは申し込みと部屋の使用料を支払うだけで入居できるのです。

元々ホテル事業を展開しているOYOが提供するサービスですので、まさにホテルの仕組みと日本の賃貸市場が融合した次世代のサービスと言えるでしょう。

OYO LIFEを不動産投資家が利用するメリットデメリット

OYO LIFEの仕組みを知っても空室対策に活用できないと思われた不動産オーナーもいるかと思います。

そこで、OYO LIFEの仕組みが与える不動産オーナーへのメリットを考えてみましょう。

OYO LIFEを不動産投資家が利用するメリット
  • 物件を借り上げる転貸型のため空室リスクがない
  • 部屋の使用料が前払いのため滞納リスクがない
  • 所有物件のブランディングが可能
  • ヤフーの資本力とマーケティング力による優位性に期待できる

空室リスクや滞納リスクを回避できるというのは不動産オーナーにとって大きなメリットですが、「所有物件のブランディング」というのが、これまでの賃貸市場ではあまり意識されていなかったメリットと言えます。

OYOはインドで大成功を収めたサービスのため、日本でも比較的知名度はあります。つまり、自身の物件をOYOで運用した場合、大手フランチャイズ加盟店のようなネームバリューを得ることができるのです。

しかし、デメリットが全くないわけではありません。OYO LIFEの仕組みだけでなく、スタートアップ企業であるという事実から以下のような懸念点もあります。

OYO LIFEを不動産投資家が利用するデメリット
  • 入居審査がないため入居者トラブルのリスクが考えられる
  • 新興企業のため可能性がゼロとは言えない倒産リスク
  • 部屋の使用料が少々高め
  • サービスが認知されるかが不確定

不動産ポータルサイトとOYO LIFEで規模や募集条件等が近い物件を比較してところ、一般の賃貸物件に比べてOYO LIFEの物件は1.2~1.3倍ほど家賃が高いことが分かりました。ただ、初期費用は不要ですので、短期入居であればコストメリットは高いと言えます。

2019年に始まったサービスということもあり、まだ改善やユーザービリティ向上の余地も大きく、今後は不動産特有のリスクにどう対応するかも重要な課題となりそうです。

OYO LIFEの今後の展開

家具家電付きで複雑な手続きを必要とせず即入居できるという点では、OYO LIFEは様々な可能性を秘めており、不動産投資という視点で見ても業界に新風を吹き込むサービスと言えるでしょう。

OYO LIFEの公式サイトからオーナー向け情報を確認しましたが、定型化された情報はまだ発信されていません。もし、不動産オーナーとしてOYO LIFEの利用を検討するのであれば、問い合わせフォームから利用申込を行い、担当者からの提案を受ける必要があるでしょう。

OYO LIFEの公式サイトや各メディアによる報道を見る限り、今後OYO LIFEは以下のようなサービス展開を予定していることが分かります。

  • 3日間の試し住みサービス
  • OYOパスポートの拡大
  • 現在の470室から1300室へ規模拡大

OYOパスポートとは、家事代行やカーシェアリング、コワーキングスペースなど、生活全般のサービスをOYO LIFEの利用者が1ヶ月無料で利用できるサービスです。

もし、OYO LIFE のような賃貸サービスの認知が広まったら、間違いなく日本の賃貸市場は大きく変化するでしょう。

これからは「所有する」「確保する」ではなく、「利用する」という考え方での不動産活用が求められていくかも知れません。

まとめ

OYO LIFEはあくまで日本特有のサービスです。ソフトバンクもホテル事業を立ち上げるにあたってインドのOravel Stays Private社と提携していますが、まだ詳しいサービス内容等は発表されていません。

I不動産テックの話題はこれまでも数多く発表されてきましたが、未だ大ヒットに至ったサービスはないのが現状です。一時的に大ブームとなったAirbnbなどの民泊事業も同様です。

果たしてOYO LIFEがどこまで日本の不動産業界に切り込めるのか。これからの動きに注目です。

■参考:OYO LIFE|旅するように暮らそう。新しい賃貸サービス

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