約6割が事故物件OK!?調査結果に見る心理的瑕疵物件の需要

不気味な物件のイメージ

住宅情報サイトSUUMOと弁護士ドットコムが共同で行った、「事故物件調査」というデータがあるのをご存知でしょうか。賃貸住宅に住んでいて部屋探しの予定がある400名に対して行った、事故物件に関する意識調査です。

事故物件とは事故死や自然死だけでなく、自殺や他殺などを含めた人の死亡事故が起きた心理的瑕疵物件。実はそんな事故物件に対し、今回行われた調査では意外な結果が出ています。事故そのものについては哀惜の念に堪えないところですが、かといって不動産オーナーは物件への影響を過度に心配する必要はないかもしれません。

今回は事故物件に対する一般の方の意識と、調査結果から読み取れる心理的瑕疵物件への需要について考えてみましょう。

世の中の約半数は事故物件に住んだことがない

今回ご紹介する調査結果は、2017年12月に行われた調査。比較的にホットな情報として考えてよいでしょう。さて400人に対して行われた「事故物件という言葉を知っている?」「事故物件に住んだ経験」という質問に対し、回答の結果は以下のようになっています。

「事故物件というものは知っているが、住んだことがない」という人が大半を占めます。そもそも心理的瑕疵物件を頻繁に見かける機会が少ないことが、調査結果の要因であると言えるでしょう。

事故物件を探している人は意外と多い!?

では逆に事故物件に住んだことがあると答えた5.5%の人は、なぜ事故物件に住むことになったのでしょうか。この疑問に対する調査結果は、驚くことに31.8%の人が「もともと事故物件で探していた」と答えています。

さらに「不動産広告で知った18.2%」「内見などの際に業者から聞いた18.2%」も合わせると「事前に心理的瑕疵物件と知っていた人」は約7割。つまり22人中15人が心理的瑕疵物件と知っても契約をしたという事になります。

約6割の人が心理的瑕疵物件でも条件次第で契約する!?

では、仮に400人の内見が決まったとして、その中から契約に結び付く確率はどのくらいあるのでしょうか。400人が内見とは現実味のない話ですが、確率的な視点で見ていくと意外な事が分かります。

今回の調査では「事故物件と分かっても条件次第で検討するか」という質問もしており、平均して35%の人が「検討する」と答えています。約3人に1人が、条件次第で事故物件でも検討するという結果です。また、上記では事故物件でも条件次第で検討する人を平均40%として計算していますが、同調査を細かく確認してみると235人が事故物件でも条件次第で検討すると答えているとの記載。

【出典】弁護士ドットコム事故物件調査

アンケートの集計結果について詳細は公開されていません。ただ400人中235人ということは、事故物件であっても物件の条件次第で検討する可能性がある人が約6割いるということです。つまり事故物件であっても、条件が合致して内見すれば契約に結び付く可能性は十分にあると言えます。

とはいえ、同質問では自然死や病死、事故死、自殺、他殺といった状況に分けて質問しています。病死や自然死が48%を超えているのに対して、自殺や他殺の場合は25%以下。心理的瑕疵物件となった内容により差があることは覚えておきましょう。

心理的瑕疵物件でも検討範囲に入る条件とは?

さてでは、心理的瑕疵物件でも検討してもらうためには募集条件をどうすべきでしょうか。
今回の調査結果では、条件次第で事故物件も検討する235人のうち92.8%が「家賃が相場より安い」を選んでいます。次に「交通の利便性65.5%」「リフォーム済み57.9%」「間取りや広さ56.6%」「設備55.7%」「築年数42.6%」と続きます。

家賃の安さが事故物件でも検討するダントツの理由になっていることを見ると、仮に自分が所有する物件が事故物件になったとしても諦める必要はないと言えそうです。ただ、家賃はオーナーにとっての大事な収入源。家賃をどのくらい下げれば契約に繋がるのでしょうか。

最後に同調査で「家賃が安ければ検討する」と答えた218名(235名の92.8%)に対し、「仮に家賃8万円の物件がどのくらい安ければ検討するか?」と質問した結果を見てみましょう。

安ければ安いほど良いというのは誰しも同じ意見でしょう。ただあまり安すぎると逆に不安になるのか、最も多い回答が「30%安い」でした。それ以上安い物件なら検討するとした人は2割程度。日本人の国民性なのかもしれません。もし事故物件になってしまったら、まずは2~3割程度の値下げから始めてみると入居希望者が現れるかもしれません。

まとめ

今回は一般ユーザーの意識調査の結果から推測できる、心理的瑕疵物件の需要について解説させていただきました。筆者だけでなく「事故物件=不動産投資終了」というイメージを持つ方も少なくないでしょう。だからこそ実際の調査内容を見て、意外と感じた方も多いのではないでしょうか。

ただ心理的瑕疵物件の告知期間には、明確に定められた法律が存在しません。一度入居者が入れば次の入居者に説明義務は無いとするケースもあることから、既成事実を作るために知り合いを短期間入居させる「事故物件ロンダリング」を行う少々悪質な業者もあります。

どちらにしても事故物件になったからといってネガティブになり過ぎる必要はありません。どうしたら契約に結び付くか工夫をしたほうが、無駄なトラブルを未然に防ぎ、入居者との信頼を得られる長期的な収支に繋がると言えるのではないでしょうか。

【参考】弁護士ドットコムニュース「事故物件調査」

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