賃貸経営でよくある住民トラブル事例集10選

事例
20190707

賃貸経営をしていると切っても切れない問題が住民トラブルです。トラブルを起こす住民がいる場合、住民に非があるのは当然ですが、オーナーは民法上、賃貸借契約に基づいて住民が安心して暮らせるよう適切に対応する責任があります。

トラブルがほんの些細なこととだとしても、放置しておくとやがて住民の退去問題にまで発展しかねません。賃貸経営者としては、空き家はできるだけ避けたいもの。そこで今回は、よくある住民トラブル事例を10選ご紹介し、トラブルやクレームの対処法をまとめてみました。

【1】騒音・生活音

「SUUMO近隣トラブルに関する調査」によると、騒音に不満を持っている人の割合は45.9%もあり、トラブルの要因トップとなっています。生活音は人が生活する上でどうしても発生してしまうものであり、一番解決しにくい問題ともいえるでしょう。住民の生活様式によっては、夜中に洗濯をしたりテレビを見たりすることもありますが、それを騒音だとして訴える住民もいます。また、ドアの開け締めや足音、子どもの鳴き声、水道の流れる音は、誰が見ても明らかな生活音なのですが、それが迷惑だとしてトラブルに発展しがちです。

■出典:SUUMO 近隣住民の騒音、何が一番気になる?

【2】ベランダでの喫煙

健康にさまざまな悪影響を及ぼすといわれている受動喫煙。自室内での喫煙を家族から許可してもらえず、仕方なくベランダで一服……という、いわゆる「ホタル族」の人もいらっしゃるでしょう。しかし、今度は近隣から「タバコの煙が部屋に入ってくる」「タバコのニオイで気分が悪い」といったクレームが出ることがあります。共有部分であるベランダは火気厳禁、タバコ禁止と規約に明記していれば、トラブルは回避できるはずです。昨今のタバコによる受動喫煙対策が広まるなか、オーナーとして、住民トラブルにつながるベランダでのタバコは禁止としてみてはいかがでしょうか。

【3】ゴミ屋敷になっている

ゴミを適切に捨てられない、いわゆるゴミ屋敷になっている場合、室内に放置した生ゴミや汚物の悪臭が外へ漏れ出し、近隣からクレームが発生することがあります。また、悪臭だけではなくゴキブリやハエのような害虫やネズミが大量に発生し、衛生環境が悪化することも十分に考えられるでしょう。さらにゴミ屋敷では掃除が行き届いていないため、ゴミに埋もれた電化製品やコンセントに大量のホコリが付着し火災の原因となることがあります。ゴミ屋敷の住民は意図してゴミ屋敷にしているわけではなく、障害があって片付けが苦手な人がいますが、なかには、ゴミを「ゴミではない」と言い張る難しい人もいます。火事などの大きな問題に発展する前に、ゴミ屋敷の住民の家族と連絡を取るなどして対策を講じましょう。

【4】ゴミ出しルール違反

ルールに則ってゴミを出さない住民がいる場合、市町村のゴミ回収日にきちんと回収されずにいつまでも残ってしまうと、ゴミ屋敷同様、悪臭問題や害虫の大量発生などの問題が住環境に悪影響を与えることがあります。ゴミ出しルール違反は、マンションやアパートの規約だけで解決をするには難しい問題です。かといって、オーナーがゴミ出し違反のたびに回覧板を回したり張り紙を張ったりするわけにもいかないでしょう。ルールを守られていない場合、ゴミから個人を特定するための調査をおこなうこともあるとする規約を作るか、一度、市町村の衛生課の協力を要請しましょう。

【5】駐車場でのトラブル

駐車場では、「無断で駐車スペースに停められた」というトラブルがもっとも多く、次いで「エンジンの音がうるさい」「接触事故」といったトラブルが起きています。通常の契約では、オーナーは駐車場のトラブルに際して一切の責任はないと明記しているはずです。ただ、住民同士のトラブルが大きくならないよう、監視カメラを設置するといった対策が求められるかもしれません。

【6】ヤクザが立ち退きしてくれない

暴力団だと知らずに契約してしまった場合、他の住民とのトラブルの原因になりかねずオーナーとしては一刻も早く退去してほしいところです。ただ、家賃不払いや契約上の使用目的違反、暴力団の対立抗争といった問題があれば契約が解除できる可能性がありますが、そうでない場合は契約の解除は難しいでしょう。事前に賃貸借契約のなかに、暴力団員である場合は契約を解除できるという特約を盛り込んでおき、ない場合は次回契約時に追記しておきましょう。いずれにしても、住民が暴力団だとわかれば、暴力追放運動推進センターや警察に相談しましょう。

■出典:大阪府暴力団排除条例について / 群馬県警察 アパートの入居者が暴力団員

【7】ペット禁止ルールを守らない

規約ではペットを飼ってはいけないとしていても、「鳴き声がしないから動物だから」「小動物だから」という理由で、ウサギやハムスターなどのペットを飼う住民がいます。ペット禁止の規則で犬や猫の飼育は論外だとわかっていても、小動物や熱帯魚ならいいだろうという解釈です。ペットを飼うと糞尿処理の問題だけではなく、ペットを飼っている住民がいることが広まってさらに内緒でペットを飼う住民が増えるという懸念があります。ペット飼育によるニオイの付着や傷が原因で、物件の価値が下がってしまう可能性があります。そうならないためには、いかなるペットも飼育禁止とするほかありません。

【8】共有部分に使用マナーが悪い

エントランスや階段、通路、エレベーター、ベランダなどで起きるトラブルは多いものです。自転車を通路に置いている、エントランスが子どもの遊び場になっていて危険、こういったクレームを聞いたというオーナーもいらっしゃるのではないでしょうか。通路に物を置いておくと、日常的にケガの原因になるだけではなく、万一災害が起きたときに避難の妨げになる恐れがあります。また、エントランスはすべての住民が行き来する場所ですので、子どもの遊び場になっていたり、物が放置されたままになっていたりすると、多くの人が不快に感じてしまいクレームやトラブルの発生に繋がりかねません。

【9】隠れ民泊

賃貸借契約では、住民以外の人に部屋を貸すこと、いわゆる又貸し、民泊を禁止しているのにもかかわらず部屋を貸し出している住民がいます。多くの場合、複数の外国人がキャリーバッグを引いて物件内を出入りしている姿を見かけて通報という経緯で見つかります。隠れ民泊は、夜中に大騒ぎする、ゴミ出しルールを守らないといったクレームや、他の住民とのトラブルに発展しかねません。

【10】孤独死

単身者向けの賃貸物件を経営していると、遭遇しやすいのが孤独死です。孤独死は、心臓発作などの突然の病で倒れてしまい、周囲に気づかれないまま亡くなってしまうため、老人だけではなく若い人にも起きてしまう可能性があります。孤独死の発見が遅れると腐敗臭が発生し、近隣住民からクレームが来て発覚することがあります。また、数日間連絡が取れないといって、安否確認を取りたいと家族や友人からオーナーに連絡が来ることで発覚することもあります。いずれにしても、死亡してからすでに数日経っていることが多いため、状態によっては部屋にシミができたり異臭が漂っていたりします。今後の賃貸経営に支障が出ないよう、早期に原状回復を進める必要があります。

実際にトラブルが起きたらどうする?

ご紹介してきた住民トラブル事例は、賃貸借契約に特約を記載することで未然に防げるものがほとんどです。ただ、住民が暴力団だとわかった場合は、速やかに暴力追放運動推進センターや警察に相談するなどし、ゴミ出しルールは市町村役場に相談してみると良いでしょう。また、クレームやトラブルの対応は、オーナーがすべてひとりでできるものではありません。オーナーに代わりクレームやトラブルに対応してくれる賃貸管理会社を上手に利用しましょう。賃貸管理会社は、クレームの対応をはじめ、共用部分の清掃や管理、建物や設備の保守・点検業務などをおこなってくれますので、オーナーの負担は激減するでしょう。

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