サラリーマン不動産投資の失敗例5選 | 不動産投資を考えるメディア

サラリーマン不動産投資の失敗例5選

不動産投資を勧める情報は巷に溢れています。本や広告、ブログなどでサラリーマンが不動産投資で大きく収益を上げている華々しい成功例を目にすることもあるかも知れません。しかしその陰で不動産投資に失敗した人も数多く存在します。
これから不動産投資を始めている方やすでに取組み始めたサラリーマンにとって、成功した人から学ぶのも必要ですが、失敗例を学ぶことでリスクを理解し、未然に回避することも可能です。今回はサラリーマン不動産投資家における失敗例を5つご紹介します。

自己資金「0円」フルローンでの失敗例

自己資金「0円」で始め、ローンで失敗した例

「自己資金0円で始める不動産投資」このようなチラシや広告を目にしたことはありませんか?
不動産投資を考えてはいるけどそれほど資金がないという人にとって、何とも気になるキャッチフレーズです。サラリーマンのAさんもその一人でした。

会社勤めをしているAさんは、多少のリスクは感じたものの、何より不動産投資をやりたいという気持ちが先立ってまずは物件を見ることにしました。すぐに業者に連絡を取って物件を見学、実際に物件を見て気に入ったため、ローンが通ればそのまま契約するという流れになりました。

話はトントン拍子に進み、金融機関のローンも問題なく通ったので、正式に契約することになりました。しかし、それには落とし穴がありました。金融機関から融資が受けられるのは実は物件価格のみで、物件価格以外にかかる仲介手数料などの諸費用についてはローンの対象外だったのです。

その事実を知らず自己資金もなかったAさんは結局、諸費用分を親から借りて支払うはめになりました。資産を増やそうと思って始めた不動産投資でしたが、結局、金融機関と親から借金をすることになってしまったとのことです。

魅力的な謳い文句に惑わされず、契約内容を正確に把握、確認することの重要性を教えられる失敗例でした。

完全自主管理での失敗例

経費削減で自己管理し、家賃滞納で失敗した例

次は不動産を購入後、物件管理を管理会社に任せるかどうかで迷い、経費削減のために完全自己管理を選択して失敗したサラリーマンBさんの事例です。

大手メーカーに勤務するサラリーマンのBさん。半年前に中古のワンルームマンションを買いました。購入当時すでに入居者がおり、特に家賃滞納などのトラブルもありませんでした。

物件購入の際、投資会社の担当者から「家賃保証システムを利用してほしい」との話がありました。管理会社に物件管理を任せると、毎月の家賃の5%が手数料としてかかります。Bさんの購入した部屋は家賃を90,000円に設定していたので毎月4,860円の管理委託費を支払うことになります。

金融機関へのローン返済もあり、管理費の4,860円を節約したいと考えたBさん。購入した物件の現在の入居者に何のトラブルもない状況もBさんを強気にし、当面は物件の管理を「完全自主管理」で行うことにしました。

しかし物件の自主管理は、そう甘くはありませんでした。入居者から家賃の振り込みが次第に遅れるようになり、しまいには全く振り込まれなくなってしまったのです。

電話をかけても通じず、訪問しても留守ばかりで全く連絡がとれず途方にくれたBさん。結局、賃貸管理会社と契約し管理を委託することにしました。管理会社の対応により、現在はようやく未納の入居者に退去してもらうことができたそうです。

「経費削減」と「管理会社委託」を天秤にかけた時、自分が物件を購入して大家になった場合はどうするかを深く考えさせられる失敗例でした。

ファミリータイプ物件の想定外の出費での失敗例

ファミリータイプ物件の想定外の出費での失敗例

次に、将来的に家族で住めるとの考えからファミリータイプのマンションを購入し、利回りの低さと修繕にかかる出費の多さで失敗した中小企業に勤めるサラリーマンCさんの事例です。

4人家族のサラリーマンCさんは不動産投資を始める時、ワンルームマンションにするかファミリータイプのマンションにするかで迷いました。購入した物件を運用しながら将来的には家族で住むこともできることを優先し、結局ファミリータイプを購入したのでした。

賃貸収入のみで十分にローン返済ができる試算でしたが、実際運用を始めてみると次々に設備の劣化や故障が明るみに出ます。想定より修繕費用が高く付いてしまった上、しばらく住んでいた入居者が退去した後、同じ価格設定で次の入居者に貸そうとしたところ、当初と周囲の状況が変わったことなどが影響し家賃相場の下落しており全く借り手が付かず、泣く泣く家賃を下げざるを得なくなり、利回りが大幅に低下してしまったのでした。

ファミリータイプの購入費用はワンルームよりかなり高額なものでしたが、実際の利回りは決して高くなかったのです。結果、高額な維持費を合わせて赤字物件を抱えることになってしまったCさん。ローンを返済し続けることが難しくなり、結果的に物件を手放すことになったのでした。

将来家族で住むために購入した物件も、いざ住もうとした時に状況が一変している場合もあります。子どもの学校の問題や、家族が転居を嫌がったり、自分自身の転勤や親の介護など年々状況は変化しており、家族で動くのは簡単ではありません。

不動産投資を始めるのなら、自分が購入しようとしている物件が「投資対象」としてどうなのか、様々なリスクも想定した上でしっかり検討する事が大切です。

重要事項説明で大きな問題を見逃してしまった失敗例

重要事項説明で大きな問題を見逃してしまった失敗例

不動産投資の失敗・トラブルでよくあるのが取引時の手続きをよく理解していないことから発生することが多いです。取引の流れも不動産業界特有の慣行などがあり、初めての方にはなかなか分かりにくい部分もあるものです。

不動産取引の中でもトラブルの元になっているものが重要事項説明(略して重説「じゅうせつ」とも呼ばれます。)においてです。重要事項説明は、これから投資対象となる収益物件の商品説明のようなものです。

収益物件は一つとして同じものがないため、重要事項説明にはその物件の特徴や取扱上の注意点などが書かれています。その後の賃貸経営を行う上で重大な問題になる可能性があるものも含まれていますので、十分に検討する必要があります。ただし、不動産業界特有の専門用語もたくさん出て来るため、分からないことがあればその都度質問するようにしましょう。

重要事項説明の本来の趣旨は2~3時間ぐらい掛けて一つずつ物件の説明をするものですが、取引を急いでいる場合などは重要事項説明にあまり時間をかけずにさらりと流してしまうケースがあります。ところが、その流したところに後に賃貸経営の際に大きな問題となる可能性のあることが含まれていることがあるため注意が必要です。

次に、収益物件を購入しようとした時に行った重要事項説明で大きな問題点を見逃してしまったDさんの失敗例をご紹介します。

Dさんは外資系製造業のサラリーマンです。以前から給料以外で収入を得たいと思い不動産投資をスタートしました。自分が投資したい条件に合うような物件がなかなか見つからず早1年以上。ようやく地方に築20年の木造マンション一棟(5000万円)を見つけました。

その物件は、入居者がいる状態で物件の所有権を移転するいわゆる「オーナーチェンジ物件」でした。現地調査も行いましたが、築20年も経っている割には外装はとてもキレイ。給湯器などの付帯設備もまだまだ使える状態に見えました。部屋数は24戸ありましたが、物件を見つけた段階で20戸は埋まっていました。もう少し頑張れば満室も可能では?と夢が膨らんだそうです。しかし物件購入の問題点は予算でした。4000万円までは金融機関の融資で都合をつけられるのですが、後1000万円足りません。そこで思い切って何とか1000万円を値引きしてもらえないか価格交渉を申し込んでみました。

物件の売主のことを調べてみると地方の地主さんでした。物件は数年前から売りに出しているものの人気がないのかなかなか買い手がつかず悩んでいたそうです。資産家なので価格交渉は難航するかと思われたのですが、売りに出してから時間がかかっているため早く売却したいとのことでした。Dさんは不動産会社に価格交渉を依頼しました。不動産会社は最初は嫌がっていましたが、Dさん以外に買い付けを入れる人が全くいなかったため、売主が不安を覚えて4000万円で売却する意志を固めてくれたそうです。

融資も無事に承認され、売主との売買契約と同じ時に重要事項説明がありました。本来の流れでは契約より前に重要事項説明を受けるはずですが、実務レベルでは売買契約と同時に重要事項説明を行うことはよくあることです。重要事項説明の中に一つ気がかりな点がありました。それは住人の中に生活保護制度で生活している方がいて、その方が心の病を患っているということなのです。その話を不動産会社から聞かされた時に一瞬、Dさんの心の中に「大丈夫かな?」という疑問が芽生えました。しかし、重要事項説明で不動産会社の人が詳しく言及しなかったため「そこまで大した問題ではないのだろう」とその時は思ってしまったそうです。

そのようにDさんが思うようにしたのは理由があります。一つには売主への遠慮でした。売主は5000万円の物件を1000万円も値切ってくれました。もう一つは問題点を言い出せない雰囲気です。売買契約には銀行の担当者、不動産仲介会社、売主、司法書士など売買契約に関係する担当者が一同に会して契約作業を行うため、「質問して作業を中断させてはまずい」とDさんは思ってしまったのです。「何とかなるだろう」と思って売買契約を結んだのですが、それが致命的な問題になってしまったのでした。

物件購入後、しばらくは何事もなかったものの、ついに例の心の病気を患っている入居者の症状が悪化してしまい、何と真夜中に頻繁に騒ぎ出すようになってしまったのです。夜な夜な奇声をあげて物件を徘徊するため、あまりの騒々しさに他の入居者は次々と退出してしまいました。残っているのはわずか数名の入居者のみ。一気にキャッシュフローが悪化してしまいました。問題の入居者に退居を促しているものの本人曰く、なかなか転居先の物件も見つからないとのこと。おかげで新規入居者が入っても数ヶ月で退居するという悪循環を繰り返し、安定した収入が得られなくなりました。結局Dさんは物件を売却して不動産投資を止めてしまったのでした。

重要事項説明書の内容を把握しておく

物件の構造に関わる瑕疵(重大なキズ)や入居者の問題は、基本的には重要事項説明で明らかにされることが多いです。物件の構造に関わる問題や入居者の問題は、一度や二度の物件調査ではなかなか把握できないものです。そこで初めて重要事項説明で明らかにされるのですが、軽く流されて説明されることも多いため、よく注意して聞いていないと質問する機会を失ってしまいます。

Dさんのような失敗をしないためには、重要事項説明書に予め目を通しておき、分からない部分や少しでも疑問に思うことがあれば、確認・理解しておくことが大切です。重要事項説明書は売買の判断に必要な事項が書かれた書類です。重要事項説明書は契約前にもらえるものですので、申込が済んだら必ず前もって提示してもらうようにしましょう。そして不動産会社から重要事項説明を受ける前に、重要事項説明書をよく読んで分からない箇所や疑問点は調べたり事前に専門家などに相談しておくことも必要です。そして、調べてもわからないことや疑問に思うことは売買契約前に遠慮せず質問することが重要です。

重要事項説明書には、大きく分けて3つの項目が書かれています。

①「対象となる宅地又は建物に直接関係する事項」

  1. 登記記録に記録された事項(登記簿に登録された内容のこと)
  2. 都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要
  3. 私道に関する負担に関する事項
  4. 飲用水・電気・ガスの供給施設及び排水施設の整備状況
  5. 宅地造成又は建物建築の工事完了時における形状、構造等(未完成物件の時)
  6. 当該宅地建物が造成宅地防災区域内か否か(区域内の場合、建築に許可が必要になる)
  7. 当該宅地建物が土砂災害警戒区域内か否か(区域内の場合、建築に許可が必要になる)
  8. 石綿(アスベスト)使用調査の内容(建築にあたり石綿を使用したかどうか)
  9. 耐震診断の内容
  10. 住宅性能評価を受けた新築住宅である場合(住宅性能評価書の交付の有無)

②「取引条件に関する事項」

  1. 代金及び交換差金以外に授受される金額
  2. 契約の解除に関する事項
  3. 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
  4. 手付金等の保全措置の概要(業者が自ら売主の場合)
  5. 支払金又は預り金の保全措置の概要
  6. 金銭の貸借のあっせん
  7. 瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要
  8. 割賦販売に係る事項

③「その他の事項」

供託所に関する事項など。(宅建業者は取引の相手が損害を受けた場合に備えて保証金を供託することが義務づけられています。その事項についての説明です。)その他、取引の判断に重大な影響を及ぼす事項について書かれています。
これらに加えて、マンションなどの区分所有の物件を購入する場合には以下の事項があります。

④「一棟の建物又はその敷地に関する権利及びこれらの管理・使用に関する事項」

  1. 敷地に関する権利の種類及び内容
  2. 共用部分に関する規約の定め
  3. 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め
  4. 専用使用権に関する規約等の定め
  5. 所有者が負担すべき費用を特定の者のみ減免する旨の規約等の定め
  6. 計画修繕積立金等に関する事項
  7. 通常の管理費用の額
  8. 管理の委託先
  9. 建物の維持修繕の実施状況の記録
  10. その他

瑕疵や問題がある物件であっても、それを理解して購入するのと全く理解しないで購入するのでは大きな差があります。後で「そんなこと知らなかった」ということのないように重要事項説明書はじっくり読み込んでください。

Dさんのケースでは「重要事項説明が売買契約日と同時に行われたため、入居者に心の病を患っている人がいることをその日に知った」とあります。重要事項の説明は、売買契約の成立前に行うということしか定められていません。そのため、買主から何も言わなければ、契約の30分前に重要事項説明書を軽く流し読みする程度になってしまうケースがほとんどです。

プロではない買主にとって重要事項の内容はその場で理解できるほど簡単なものではありません。少なくとも売買契約日の数日前には聞いておきたいものです。事前に入手していれば最悪でも当日質問することができます。内容が分からなければ問い合わせることも出来ますし、専門家に見てもらうというのも一つの手です。

なお、重要事項説明は宅地建物取引主任者から説明を受けることになっています。これは法律で決められているのですが、宅地建物取引主任者の資格を持っていない不動産営業担当者も中にはいますので、重要事項説明を受ける場合にはきちんと資格を持っているかどうかを確認をしましょう。証明書を提示してくれるはずです。

現地調査や聞き込みで入居者のことを知る

重要事項説明書に書いてあることを一言一句把握することも重要ですが、重要事項説明書に書かれていないことも当然ながら不動産投資のリスクになりえます。その筆頭が周辺環境です。Dさんの場合は入居者の問題なので記載されていましたが、周辺環境については全く記載されてないケースも少なくありません。

取引に不利益になる情報は記載しなければならないと法律で決まっていますが、それはあくまで既に把握している情報であり、「知らない情報は記載しなくてよい」という決まりになっています。不動産会社は周辺環境について詳しく調べている訳ではないので、重要事項説明書に書かれてない問題が発生するケースもあります。

重要事項説明書に書かれてないことで失敗しないためにも現地調査は念入りに行う必要があります。特に近隣住民への聞き込みや立地・周辺環境などは十分に調査しておきましょう。

Dさんのケースでも近所の人に聞いてみることで「生活保護で暮らしている人が多い」、中には「心の病を持っている人たちもいるようだ」など問題のある人が住んでいるということは、ある程度把握することができたかもしれません。重要事項説明だけでなく、物件を自分で調べることも忘れてはいけません。

動物の被害でも不動産投資は失敗する?!

動物の被害でも不動産投資は失敗する?!

夜間の現地調査が招いた意外な落とし穴

Eさんは、中小企業の課長職。将来の年金の不足には日頃から不安を抱いていました。何か投資をして手元のお金を増やしたいと思っていたEさんは、雑誌やテレビでよく見かける不動産投資に興味を抱きました。そこで不動産投資セミナーに足しげく通い、ある不動産会社の紹介で、1棟もののアパートを紹介してもらうことができました。一度、物件は見ておいたほうがいいという先輩投資家のアドバイスによって、何度か物件調査に行きました。ちょうどその頃、Eさんの昇進が決まり、部長になることができました。部長に昇進したのは良かったのですが、仕事が忙しすぎて現地調査に行くときはいつも決まって夜でした。夜に現地調査に行くと、アパートの周囲は住宅地なのでとても静か。幹線道路も遠く車の音も聞こえません。また、駅から10分というアクセスの良さで、電車の音も気にならないというところも気に入りました。Eさんは「これだけ静かであれば、大丈夫だ」と太鼓判を押し、すぐに購入しました。

購入したのは良かったのですが、なかなか入居が決まりません。物件の問い合わせは多いのですが、内見しても決まりにくいのです。また、最近では決まってもすぐに退去してしまうなどなかなか入居者が定着せずに困っていました。どうしてそのような問題が起きるのか不思議に思ったEさんは、会社を休んで日中に物件を見に行きました。そこで初めてその物件の問題に気がついたのです。

その問題とは、物件の目の前の電信柱がゴミ置場になっていたという事です。しかも、目の前の民家はどうやら空家で野良猫の巣窟と化していました。さらに悪いことには庭にはガラクタが散乱していたのです。どうやら、可燃ゴミの日にはカラスや野良猫が生ゴミを食べたりして、アパートの玄関に糞を撒き散らしているというのです。

管理会社に依頼して清掃を細かくやってもらうことも指示しましたが、野良猫の巣窟になっている空家のせいで全く状況は改善されませんでした。結局、部屋を埋めるために、周辺の相場よりもかなり家賃を安く設定することで満室まで漕ぎ着けました。しかし、キャッシュフローが大きく悪化し、家賃収入としてはほとんど手元に残らないという苦しい事態を招いてしまいました。

土地勘のない場所で物件を購入すると、どうしても見逃しがちなのが、動物の糞尿被害です。今では街中で野良犬は見かけなくなりましたが、野良猫や鳩などの小動物が物件の価値を大きく下げてしまう問題もあります。たかが猫、たかが鳥と思わずに、動物の糞尿被害などが発生していないかというのも物件調査のチェック項目に入れておくべきでしょう。

たとえば、野良猫などは、自分が餌を食べる場所、糞尿をする場所、散歩をする場所などきちんと縄張りが決まっています。そのため、何度も掃除をしてもいつもエントランスホールに糞尿が放置されているということがあります。最終的には、そこでトイレをしている野良猫に何とかして縄張りを変えてもらうしかないのですが、なかなか苦労が伴うものです。常に清掃が行き届いてればいいですが、行き届いていない場合は住民から不満の声が上がるかもしれません。

また、動物の被害では、こんな事例もあります。

ある駅から10分以内の商業地域にある区分マンションを購入した不動産投資家がいました。その方も前述したEさんのようにサラリーマン。本業が忙しいために物件調査は夜を中心に見に行っていました。夜ですから周辺環境はもちろん、よくわかりません。立地だけで判断して、その物件を購入しました。ところが、購入後、日中にその物件を訪れてみるととんでもない問題が発生していることがわかりました。

それは、ベランダが日中は鳩がたくさん集まって来て、まるで巣のような状態になってしまうということでした。鳩の糞の被害がひどすぎて、とてもではないけどベランダに洗濯物を干せるような状態ではありません。これでは入居者も決まらないでしょう。その投資家はインターネットで調べながら、鳩と格闘を重ねたようですが、なかなか決定的な解決策が見つからず困っていました。最終的にはその投資家は動物の専門家に依頼して、ネットをベランダに張ることで対応しました。もちろん、鳩の糞被害を防止するネットの設置費用は全てその投資家負担でした。さらに、窓からの景観が著しく悪くなり、家賃も通常より下げざるを得なくなったと言います。

たかが鳥ではないのです。鳥のおかげで収益が左右されることも十分あり得ます。本来であれば、その物件の価値や収益に関わることですから、鳩の糞被害についても重要事項説明などで指摘するべきですが、不動産会社は少し触れただけであまり詳しくは教えてくれなかったといいます。もし事前に鳩の糞被害が把握できていれば、物件を購入する際に鳩の被害による物件の価値の低下や糞被害の対策費用も織り込んだ上で価格交渉ができるはずでしたが、事前に知らなかったため、泣き寝入りの状態になってしまったのです。

確かに実際にその物件に住んでみないとわからないこともありますが、事前に条件を変えて物件を見るしか防衛策はありません。たとえば、建物の裏側や廊下など、写真加工でどうにでもできる物件写真以外の部分を中心にしっかりと見ておきましょう。そうやって細かく見ていると、ゴミが変なところに散らばっていたり、糞尿の特有の匂いがしてみたりと何か問題点が浮き上がってくるものです。そして、納得ができなかったら、納得ができるまで物件を調査し続けるということです。疑問に感じたことがあれば、遠慮せずに不動産会社に積極的に問い合わせることも必要だと思います。

現地調査は時間や条件を変えてじっくり調べる

不動産投資で失敗しないためには、まず勝敗の7割が決まってしまうという物件購入の時に、物件をきちんと調べることが大切です。現場に行って購入前には必ず自分の目で確かめることが必要です。物件概要書や写真だけでなく、実際の物件を見ることでわかることも多いからです。物件調査で失敗してしまったEさんの場合は、終業後の夜に調査に物件を少し見に行っただけでしたが、本来であれば休日の昼間や雨の日などにも物件調査をしておきたいものです。ゴミの集積所は実際にゴミの日になってみないとわからないものですが、購入しようとしている物件の周辺住民に「今度、ここに引っ越そうと思うのですが、ゴミ捨て場はどこにあるんですか?」などと聞けば教えてくれるはずです。アパートやマンションの場合は専用のゴミ置場があるのですが、ゴミの置き方を巡って近隣トラブルが発生することもあります。

あるマンションの話です。

ゴミ集積所の境界線から少しでもゴミがはみ出ていたり、落ちていたりするとすぐにオーナーや管理会社に連絡がかかってきて、謝罪を要求されるという迷惑な近隣住民がいらっしゃいました。迷惑な近隣住民だけだったら良いのですが、中には隣が暴力団の事務所でゴミ捨てには細心の注意が必要だったなんて話もあります。もちろん、近隣トラブルは基本的に管理会社が対応してくれますが、このような近隣トラブルが原因で、入居者がなかなか決まらなかったり、すぐ退去に繋がってしまっては意味がありません。現地調査は1回で終わらせずに、何度か時間や条件、シチュエーションを変えて調査をした方が良いでしょう。

「物件の用途地域も調べておく」

自分が購入を考えている収益物件の用途地域もきちんと調べておきましょう。用途地域とは土地を住居の地域は住居、商業地域は商業関連施設、工業地域は工場や倉庫など、計画的な都市づくりのために定められた土地の活用のルールです。この用途地域も実際に物件調査に行ってみると色々なことがわかります。たとえば、自分の収益物件が駅から近いところにあると、商業地域に物件が建てられているということが多いと思います。商業地域は、多くの人で賑わうエリアですから、昼間と夜の街の顔が大きく変わりやすいエリアでもあります。時間や条件を変えて物件調査を行うことが重要です。住宅専用地域は、主に住居に適した建物が建っていることが多いです。たとえば、第1種中高層住居専用地域という用途地域では、アパートを建てることができます。自分の収益物件がこのエリアにあるという人も多いのではないでしょうか。

問題は、住居専用地域だからと行って、閑静な住宅街ではない可能性もあります。たとえば、住居専用地域の縁(へり)に自分が購入しようとしている物件が建っていると仮定します。そして、道路を挟んで向こう側は商業地域であるような場所があるとしましょう。

このような場合、もしかしたら道路を挟んだ向こう側の商業地域に、スーパーや大型の薬局など生活に便利な商業施設ではなく、大型のパチンコ店ができる可能性もあります。パチンコ店やキャバクラ、風俗店などは、近隣にあると住みたくない施設のナンバー3です。向かいにパチンコ店ができたことで、入居付けに問題が出てくる可能性もあります。物件調査では、自分の購入しようとしている物件だけでなく、周辺環境も含めてきちんとチェックをしておく必要があるのです。周辺環境については、土地勘がないとどのようなものができるかわからないので、住んでいる人に聞き込みをすることが大事です。「今度、ここに住みたいと思っているのですが、住みやすいですか?」とか「騒音や治安の問題など気になっていることはありますか?」などと聞いてみるのです。

夜間だとなかなか聞くのは難しいと思いますので、昼間の公園などで聞き込みをするというのもいいと思います。

トラブルを未然に防ぐには…

不動産投資は立地条件で7割が決まると言われていますが、立地が良くても周辺環境が悪くては物件そのものの価値は大きく下がってしまいます。いくら入居需要があっても入居付けで苦戦を強いられる可能性もあります。物件概要書を見て、購入を即断するのではなく、必ず物件の調査には時間や状況を変えて訪れてみてください。

そして、同じ時間帯や同じ天気の日に行かず、昼間に行ったり、夜間に行ったり、休日に行ったりすることでその物件のメリット・デメリットも理解することができます。物件の周辺環境は、昼間は人通りが多いのに、夜になると全く人気がなくなってしまうという場所も少なくないのです。ゴミの問題や近隣のトラブルの問題、動物の糞尿被害など物件調査から見えてくるものもあるでしょう。物件には何度か足を運ぶことで、トラブルを未然に防ぐクセをつけるようにすることがとても大切です。

まとめ

サラリーマンの不動産投資失敗例を紹介してきました。いずれもリスク管理を徹底すれば防げた可能性が高い失敗例です。不動産投資に失敗しないためには業者の言うがまま投資に踏み切るのではなく、十分な現地調査やしっかりと勉強した上での決断が必要になります。

重要事項説明は不動産の商品説明のようなものです。内容を把握することがその収益物件の強みや弱みを理解することに繋がり、最終的に不動産投資のリスクを回避・低減することにも繋がります。不動産業界特有の用語も多く、なかなか理解しにくいかもしれませんが、失敗しないためにも、少しでも分からないことはその都度確認して理解するということが大切です。

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