初めての不動産投資で利回り10%⁉︎ 住宅セーフティネット活用術 | 不動産投資を考えるメディア

初めての不動産投資で利回り10%⁉︎ 住宅セーフティネット活用術

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初めての不動産投資で利回り10%!?住宅セーフティネット活用術

2017年4月に公布され、同年10月に施行された「改正住宅セーフティネット法」。
世間の雰囲気を見る限りでは、住宅セーフティネット普及への期待と、増え続けている空き家問題を同時に解決できるかもしれないという一石二鳥とも言える改正に対し、徐々に注目が集まってきているような状況が伺えます。
では、この改正住宅セーフティネット法ですが、空室に困っているオーナーやこれから不動産投資を行おうと考える人にとって何かメリットはあるのでしょうか。
今回はそんな住宅セーフティネットを活用して、初めての不動産投資でも利回り10%を確保しようといったお話をさせていただきたいと思います。

住宅セーフティネット制度の背景

2017年に改正された住宅セーフティネット制度は、2007年に制定された「住宅セーフティーネット法」が基となっている制度です。
2007年に制定されたとは言っても、厳密にはそれより前に「持ち家の取得を促進する」という考え方から「低所得者層への住宅確保」へ舵を切ることが重要という話し合いがなされていましたので、決して最近できたばかりの制度ではありません。
とはいえ制定された当初は、公営住宅を活用した生活困窮者への住宅供給が主な目的となっていたこともあり、住宅の質の悪さや安いとは言えない家賃、そもそも公営住宅が足りないことにで十分な住宅供給ができていないという問題もあり、制度自体を疑問視する声が少なからずあったのも事実です。

そんな問題点や制度自体が機能していないと言われ続けた背景もあり、ついに政府は2017年に住宅セーフティネット法の改正を行うに至りました。
改正点は賃貸人と住宅確保要配慮者の両面から見て、大きく2つに分かれます。

一つ目は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅としての「登録制度」です。
住宅確保要配慮者とは「低所得者」「高齢者」「被災者」「障害者」などの真に住宅を必要とする方を指しますが、これまで住宅確保要配慮者に該当する方々は、賃貸人にとって家賃滞納や孤独死、その他事件、事故というリスク要因と見なされ、入居を断られることが非常に多くありました。
そこで改正住宅セーフティネット法では、住宅確保要配慮者が住まいを確保しやすくなるように入居を拒まない住宅としての「登録制度」を創設したのです。
更に、都道府県が家賃債務保証や入居相談や見守りといった居住支援を行うNPO法人の中から「居住支援法人」を指定できるようになった上、その居住支援法人が行う家賃債務の保証を住宅金融支援機構が保険する仕組みも作られました。

そして改正点の二つ目は、「登録住宅のリフォームや家賃の補助」という賃貸人サイドのリスク低減に繋がる制度です。
入居を拒まない住宅としての登録制度も、リスクが高いままでは誰も登録しようとは思わないでしょう。
そこで、入居を拒まない住宅として登録と、それを公開するという条件の下でリフォーム費用や家賃などを補助を行うことになったのです。

これらの制度を詳しく見ていくと、不動産投資をされている方にとって決して悪くない条件が揃っています。
では、不動産投資家から見た住宅セーフティネット制度のメリットや利用するための条件を見てみましょう。

住宅セーフティネットの利用条件と補助内容

住宅セーフティネットはどんな住宅でも登録が可能というわけではありません。
国交省の資料によると登録できる住宅の基準は、主に以下のような条件を満たす住宅である必要があります。

  • 床面積が25㎡以上であること
  • 消防法や建築基準法に違反せず、且つ新耐震基準に適合した耐震性があること
  • 台所、便所、洗面、浴室等の設備があること
  • 設定された家賃と近隣家賃相場の均衡が保たれていること

これらを見て、不動産投資家の方はどのように思われたでしょうか。決して難しい利用条件ではない思われた方が多いかと思います。
つまり、これらの利用条件を満たしているのであれば住戸は1戸でも問題ないため、国や自治体の補助を受けながら安定的な不動産経営を可能にすることができるのです。
ただ、これらの利用条件を満たす物件を所有していたとしても、入居を拒まない住宅として登録した場合、どのような補助内容になるのかが重要です。
同じく国交省の資料では、賃貸人等に対する以下のような補助内容が示されています。

リフォーム費用への補助

耐震性の改修や間取りの変更、バリアフリー化、その他居住のために最低限必要であると認められた改修について、国からのリフォーム費用の1/3(最大50万円まで)の補助か、国と自治体によるリフォーム費用の2/3(最大100万円まで)の補助を受けられます。

リフォーム費用への融資

上記改修費用の補助を受けるための改修を行うにあたり、住宅金融支援機構から工事費用の8割を上限として、全期間固定金利(返済期間20年)による融資を受けられます。

家賃低廉(ていれん)化に対する補助

低額所得者(月額15.8万円以下)の方を入居させるにあたり、それに合わせて家賃を下げる場合は国から2万円、自治体から2万円の計4万円の補助を受けることができます。尚、この補助が受けられる期間は10年間で、10年の間に480万円を超えていなければ自治体の判断により最大20年まで延長可能となります。

家賃債務保証料の低廉化に対する補助

同じく低額所得者の方を入居させるにあたって、家賃保証業者が保証料を下げた場合、国と自治体それぞれから3万円(計6万円)の補助が受けられます。但し、家賃低廉化の補助を受けている場合は、両方を合わせて年間48万円までを超えることはできません。

参考:国土交通省「大家さん向け住宅確保要配慮者受け入れハンドブック」
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000056.html

住宅セーフティネットを活用するための考え方

さて、上記の利用条件と補助内容からどのような活用方法が考えられるでしょうか。
上記の利用条件や補助内容を至極簡単にまとめると「インフラ設備の整った25㎡以上の住宅であれば、家賃4万円やリフォーム費用10万円の補助が受けられる」と言う事ができます。
つまり、ローンを使わずに年間の補助金額にあたる480万円の物件を自己資金で購入したとしても、家賃設定によって表面利回り10%以上を確保できることになるわけですが、500~1000万円程度の中古マンションであれば探せば簡単に見つけることができますので、決して夢物語ではありません。
初めて不動産投資を行う方にとって、国や自治体という後ろ盾があることは安心感に繋がるでしょう。

ただし、住宅セーフティネットの家賃低廉化の考え方は「家賃を全額補助」ということではなく、あくまでも「低額所得者が入居するにあたって、入居者の負担を軽くするために下げた家賃分を最大4万円まで補助する」ということが前提にあることを忘れてはいけません。
住宅セーフティネットの登録制度に申請するのであれば、800万円前後の物件を購入して家賃7万円ほどに設定し、補助が受けられる4万円の家賃減額を行い、3万円を入居者負担とした方が運用上は自然な形になります。
もし仮に、800万円の物件を480万円のローンと320万円の自己資金で用意したとするなら、自己資金が6年で回収できるという考え方もできますし、得られる補助金と入居者からの家賃を全額ローンの支払いに回せば10年後には完済に至りますので、以降は家賃収入がまるまる純利益となるという考え方もできます。

更に考え方を変え、低額所得者の条件である15.8万円という収入から一般的な目安で家賃を設定するなら、収入の3割である5.3万円が入居者の負担可能額となります。
よって、そこに補助金4万円を上乗せした9.3万円の家賃設定が可能な物件をローンで購入するのであれば、返済比率や借入期間10年という条件で考えても1000万円ほどの借り入れが可能ということになります。
ただ、この借り入れは9.2万円の家賃に対して、4万円の補助金と入居者負担による家賃収入が確保できることが前提ですので、あまりギリギリのラインで計算するよりも「補助がある分、滞納が起こりにくい家賃設定をする」という風に、出口戦略に余裕を持つための一環として考えたほうが良いかもしれません。

まとめ

今回は、住宅セーフティネットを使った不動産投資への活用術について解説させていただきました。
あまり不動産投資であることや儲けを重視した方向性ですと、申請時にあまり良い顔はされないかもしれませんが、かといって入居を拒まない住宅として登録するための条件が厳しいという事もありません。
不動産投資をする上で利回り10%は高いと言える水準であり、あくまで住宅確保要配慮者へのサポートという前提で住宅セーフティネット制度を活用されるのであれば、不動産投資が初めての方でも一度は検討してみる価値はあると言えるかもしれません。

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