学生アパートが危ない!?今から考えておきたい2018年問題 | 不動産投資を考えるメディア

学生アパートが危ない!?今から考えておきたい2018年問題

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学生寮イメージ

2017年の不動産業界を振り返ると、不動産バブルの活気は市場を賑わせ、同時に業界全体のIT化が進んだ年でもあり、他にも民法改正による消費者保護が話題になったりと、比較的に明るい話題が多かった年だったと言えるのではないでしょうか。
さて、そんな明るい話題で新年を迎えたいところですが、今年からは人口減少問題に向けて本格的に戦略を考えていかなければならないかもしれません。
これまでにもY2Kと呼ばれた「2000年問題」を始めとして、日本は様々な社会的リスクを乗り越えてきましたが、今回は2018年というまさに今年から始まると言われている問題について考えてみたいと思います。

2018年問題とは?

冒頭でも申し上げましたとおり、2000年問題以降の日本は、人口減少が始まった2007年問題や2008年の大量の国債償還問題、身近なところでは2011年の地上デジタル放送への切り替えによる問題など、過去に作られたもののツケが一気に降りかかったかのようなリスクを何とか乗り越えてきました。そのせいか、いつの間にか問題が解決していたという感覚の方も少なくないのではないでしょうか。
しかしながら、2018年となる今年以降は、人口減少問題と改めて向き合っていかなければいけません。

そもそも、2018年問題という言葉を聞いたことはありますでしょうか。至極簡単に申し上げると、「2018年以降から18歳人口が減り始める」という問題なのですが、特に懸念されているものとして「大学の閉鎖が加速するかもしれない」ということが挙げられます。
これが何を示唆するのかと言えば、巡り巡って一部の不動産オーナーへの打撃となる可能性があるかもしれないのです。

日本私立学校振興・共済事業団が定期的に発表している「私立大学・短期大学等入学志願動向」では、平成29年度までの入学定員充足率を確認することができますが、地方都市、特に四国の私立大学の充足率は平成28年度で88.48%となっており、平成29年に91.89%と多少の回復は見られるものの、全国でも非常に深刻な状況です。
また、文部科学省の廃止大学一覧では平成22年以降の廃止となった大学を公表していますが、毎年10校以上の大学と廃止となっており、この様子では2018年以降に更に廃止となる大学が増えるのではないかと言われています。
更に、総務省統計局や国立社会保障・人口問題研究所が公表しているデータでは、平成32年以降の0~14歳までの人口推移が予測として発表していますが、恐ろしいことに5年毎に100万人ほどずつ減少するというデータとなっており、平成27年には1600万人ほどいた14歳までの人口が、平成47年には約1100万人という数字となっているのです。日本の総人口も、今より1000万人以上少ない1億1千万人ほどです。

こういった、確実に襲い掛かる日本の人口減少問題の中でも、特に若い世代の減少によって毎年定員割れを起こしている大学の閉鎖が、これまで以上に加速するのではないかと懸念されているのが「2018年問題」なのです。

参考:
日本私立学校振興・共済事業団「月報私学9月号」

文部科学省「新設大学等の情報」

総務省統計局「人口の推移と将来人口」

学生用アパートが危ない!?

先ほどは、地方の大学の定員割れが顕著であるとお話させていただきましたが、都市圏が安全かと言うとそうではありません。比較的に都市に近い地域であっても、充足率100%ギリギリでるある大学も多いのも事実です。
先ほどのお話に戻りますが、このまま大学の定員割れによる大学の閉鎖が増加していったとしたら、これまで大学の近くに単身用の格安アパートやマンションを所有していた不動産オーナーにとっては大きな痛手になる可能性があります。

参考にご覧いただきたい資料として、株式会社インサイトインターナショナルが運営するナレッジステーションが掲載する、文科省の発表している学校基本調査よりまとめた平成28年度の都道府県別大学数があります。
それを大学の多い順に10位まで並び替えてみると以下のようになります。

平成28年度 都道府県別大学数ランキング(多い順)
東京都 137校
大阪府 55校
愛知県 50校
北海道 37校
兵庫県 37校
京都府 34校
福岡県 34校
神奈川県 31校
埼玉県 28校
千葉県 27校

では逆に、大学数が少ない順に並び替えてみるとどうでしょうか。

平成28年度 都道府県別大学数ランキング(少ない順)
島根県 2校
佐賀県 2校
和歌山県 3校
鳥取県 3校
高知県 3校
徳島県 4校
香川県 4校
岩手県 5校
富山県 5校
福井県 5校

参考:
ナレッジステーション「都道府県別大学数 平成28年度」

このように、都心部に近い都市ほど大学数が多く、地方都市には数大学しかないことは数字として明らかです。
もし、これらの大学が…なんて縁起でもないことを言うと怒られてしまいそうですが、とはいえ、数字上の話として向き合ってみると学生向けアパートのオーナーは2018年以降のアパート経営については戦略を練り直す必要があるのは確かだと言えるでしょう。
とはいえ、2018年問題と言うからには今年中に対策を講じる必要のあることのように聞こえますが、今すぐに何かを実行に移さなければいけないものではなく、「今年からじっくりと不動産経営について考え直してみる」という範囲で考えると良いのかもしれません。

学生が減ったらどう対処するか

さて、ここまで大学数の減少がアパート経営に影を落とすかもしれないという少々ネガティヴなお話となりましたが、ピンチはチャンスという言葉のとおり、ポジティヴな考えに切り替えて考えてみましょう。
18歳未満の人口が増えているのなら、逆に増えている人口はないのでしょうか。思い出してみると、日本に滞在する外国人は年々増えており、少子高齢化というとおり、高齢者の数は増える一方です。
つまり、現在所有している物件の借り手の対象を外国人や高齢者にシフトできないか、また、他に対策方法はないかということを考えてみてはいかがでしょうか。

ただ、外国人や高齢者に賃貸するとなると、一般的にデメリットが目立って語られがちなのですが、メリットもあることを忘れてはいけません。
そこで、外国人と高齢者の別で、賃貸に伴うメリットデメリットをまとめてみましょう。

高齢者へ賃貸するメリット

  • 高齢者向けの物件が少ないため需要が見込める
  • 高齢者の入居が増えると入居者同士の争いは比較的少なくなる可能性がある
  • 通勤通学が必要のない高齢者であれば、好立地でなくても借り手が見つかりやすい
  • 住宅セーフティネット制度よって、リフォーム費用や家賃補助等を受けられる可能性がある

高齢者へ賃貸するデメリット

  • 高齢者であるが故に、コミュニケーションや意思確認がとりにくい場合がある
  • 孤独死等により事故物件扱いをされる可能性がある
  • 火災や事故などの安全面で不安が残る
  • 設備等のバリアフリー化で費用が掛かる可能性がある

外国人へ賃貸するメリット

  • 外国人可の物件が少ないため需要が見込める
  • 外国人同士の繋がりがあるため、他の空室に入居者を紹介してくれる可能性がある
  • 帰国までが長ければ中途解約の可能性が低くなる
  • 異文化に触れられる

外国人へ賃貸するデメリット

  • 文化に違いがありすぎて日本の常識に納得してもらえない
  • 騒音やごみ出しルールを守らないなど非常識な行動をする可能性がある
  • そもそも言葉が通じない可能性がある
  • 保証人が付けられない可能性がある

主に以上のようなことが挙げられますが、デメリットの部分がどうしても許容できないという場合は、ペット可としたり、リノベーションによりファミリータイプの物件にするというのも手かもしれません。
どちらにせよ、多少の費用が掛かりそうだという事になりますが、先々起こりそうな変化への対応を目的として、新たな投資を今から検討するに越したことはないのではないでしょうか。

まとめ

先日、少々面白い記事を読みました。
端的には「課題が多いチャレンジこそ、大きなチャンスである」ということだったのですが、課題が多いからこそ誰も手を出そうとはしないため、その課題を乗り越えたとしたら、そのジャンルではもはや独壇場であるという内容でした。
少なくともこれは、今後の日本に差し迫っている人口減少問題の中で、誰も行っていない賃貸経営術を自ら実践して行くということにも同じことが言えるのではないでしょうか。
とはいえ、どうしても収支の絡む話であるため、なかなか冒険するには勇気が出ないという方もいらっしゃるかもしれません。それでも学生ではない高齢者や外国人という需要が見込める人々に賃貸をしようと検討するのであれば、自分なりのリスクヘッジを持って臨むべきなのは言うまでもないでしょう。
ただ、課題を乗り越えた時に残るのは、新たな賃貸経営術を確立した自分の手腕と、確固たる収支なのかもしれません。

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