資産価値ゼロの空き家を1000万円物件に!浜松市の「ヤドカリプロジェクト」とは? | 不動産投資を考えるメディア

資産価値ゼロの空き家を1000万円物件に!浜松市の「ヤドカリプロジェクト」とは?

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負動産を再生するヤドカリプロジェクト

増え続ける日本の空き家。
2016年に閣議決定された住宅政策の指針となる「住生活基本計画」でも空き家の活用・除却は目標の一つに掲げられ、国をあげての早急な対策が求められています。

戸建て住宅の資産価値が25年でゼロになる日本では、古くなった空き家は「負動産」と見られる傾向にあり、空き家の活用も思うように進んでいない状況です。そんな中、静岡県浜松市でユニークな空き家活用プロジェクトが発動しました。

空き家を住み替えながら再生する「ヤドカリプロジェクト」

成長にともない大きな貝殻にどんどん引っ越していくヤドカリ。
そんなヤドカリのごとく、空き家をライフスタイルに合わせて住み替えながら一戸ずつ再生していく「ヤドカリプロジェクト」。

プロジェクトを進めているのは、一級建築士の白坂隆之介さん。
当プロジェクトのコンセプトは、「失われた住宅の資産価値(評価額)」を取り戻してゆくこと。
具体的にいうと、土台が比較的健全な空き家を格安で購入し、まずスケルトンリフォーム(家の骨組みまで解体)をして住居自体の資産価値を上げます。自宅として利用した後、転売してその収益で再び格安の空き家をリフォームしていくという空き家活用プロジェクトです。

国の空き家に対する取り組みと連動する形になっているのが、大きなポイントでもあります。
日本の住宅評価方法は、新築直後にすぐ市場価値が減っていくのが通例でした。しかし、2014年度に国土交通省の指針を受けて、価格査定マニュアルが改定され、家の性能が評価されれば中古住宅でも劣化対策等級が取れるようになりました。

つまり、資産価値が低いと思われた築古の空き家でも、リフォーム次第で価値を上げる事ができるようになったのです。

プロジェクト第一弾は浜松市中区で一番安い空き家

「ヤドカリプロジェクト」の第一弾でもあり、白坂さんの住居にもなる物件は、なんと浜松市中区で一番安い築50年以上の空き家でした。土地と建物込みで価格は180万円でしたが、木造住宅の場合は築25年を過ぎるとほとんど価値が付かなくなるので、実質的には土地代のみの0円住宅です。

購入する際に、まずホームインスペクションを実施する

物件購入の際に白坂さんがまず行ったのが、ホームインスペクションです。
ホームインスペクションとは、住宅診断士が第三者の立場として、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを診断してくれるサービスです。
海外では一般的なサービスで、日本でも徐々にニーズが高まっています。

床下の軸組の状態(腐食や白アリがいないか等)を調べて、大丈夫だと判断して物件購入を決断しました。

資産価値が上がる改修設計にする

購入した物件の改修設計で意識したのは、とにかく資産価値が上がるようにすること。

現在の中古住宅に多いのは、表面だけを綺麗にリフォームしたもの。それだけでは、住宅自体の耐用年数は伸びないので、資産価値は上がりません。

ヤドカリプロジェクトの空き家改修では、劣化している土台を部分的に交換したり、外壁や屋根を通気工法にして、住宅性能評価の劣化対策等級3を取るように設計されています。これにより、耐用年数が75年に延びて資産価値を向上することができるのです。

間取りはこの先の使用用途を検討しながら決める

空き家をリフォームして居住後に転売するまでが「ヤドカリプロジェクト」です。
なので、間取りや内装を考える時も、自分たちの使い勝手だけではなく、その後にこの住宅がどんな使われ方をするかも織り込んで設計されています。

この住宅は周辺の人口や世帯構成、事業所業態を調査した上で、住居としてだけではなくSOHOや学習塾としても使えるように工夫されています。

リフォームには補助金をフルに活用する

国をあげて空き家対策が進められているので、現在は各都道府県・自治体で空き家購入・リフォームに関する補助金が充実しています。

ヤドカリプロジェクトでも、積極的に補助金を活用しています。

白坂さんがリフォームに活用した補助金
長期優良住宅化リフォーム補助金 744,000円
静岡県TOKAI-0耐震補強工事補助金 600,000円
静岡県TOKAI-0補強計画補助金 88,000円
ブロック撤去助成金 32,000円
補助金・助成金合計 1,464,000円

改修工事費合計:約11,500,000円

改修工事費の1割強が補助金でまかなわれていることがわかります。

白坂さんは転売希望額を約13,500,000円としているので、売却されれば資産価値ゼロの住宅が1,000万円以上の価値がついたことになります。

リフォーム代も含めると短期での転売物件としての収益獲得は厳しいですが、自分で住居として利用した後、価値のある物件として売れるということは、長期的な観点から見るとローリスクで地域にも貢献できる有意義な投資と言えるでしょう。

まとめ

資産価値ゼロの物件を1,000万円物件にするには、以下のポイントが大切です。

  • 比較的健全な格安物件を購入すること
  • スケルトンリフォームで耐用年数を上げる
  • 間取りや内装は長期的な使用用途も視野に入れて検討する
  • リフォームの際は自治体の補助金を利用する

空き家を築年数だけで判断するのではなく、土台部分まで見極める事が重要になってきます。住宅診断士や建築士の助けを借りることで、多くの人が再現しやすい空き家活用法と言えるのではないでしょうか。

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