空室期間9割短縮!? 日本のホームステージングがブーム到来の兆し | 不動産投資を考えるメディア

空室期間9割短縮!? 日本のホームステージングがブーム到来の兆し

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ホームステージングで物件価値アップ?!

賃貸経営で最も避けたい「空室リスク」。
築年数が経過し、近隣に新築アパートやマンションが建ち始めたりなどすれば、賃貸オーナーとしては賃貸業界で生き残る手段の模索を否が応でも強いられます。
供給過剰と言われ続ける中で空室対策に関する様々な方法が提案されていますが、フロアコーティングやリノベーションといった高い費用が発生するものや、家賃の値下げやペット可といった賃貸物件としての価値を下げるリスクのあるものばかりで、それ単体で決定打となりそうな方法はなかなか存在しません。
しかし、資産価値や家賃を下げないまま空室の解消をサポートしてくれる「ホームステージング」という方法があるのをご存知でしょうか。
今回は、あまり聞き慣れないものの今後日本でブームの到来を予感させるホームステージングをご紹介させていただきます。

ブームの予兆を感じさせるホームステージングとは

ホームステージング(HOME STAGING)とは、家の中を一つの演壇のように家具などで装飾し、物件の魅力をアップさせる手法の一つです。
アメリカ発祥だとする説が圧倒的に多いものの、ヨーロッパやオーストラリアでもホームステージングによる不動産売買が一般的に行われています。
これらの国々では日本と比べて中古住宅市場が活発なことから「ホームステージングを行わないと物件が売れない」と言われているのも頷けます。

日本では既にインテリアコーディネーターという資格が広く知られていますが、ホームステージングとの明確な違いは、物件の成約率や価値を高めることが目的であるという事。
魅力的な家具や装飾で部屋をコーディネートするという点では同じですが、住人のライフスタイルに合わせたインテリアを揃える事と、入居後の具体的なイメージを湧かせて購買意欲を高める演出をする事は似て非なるものと言えるでしょう。

さて、そんなホームステージングがいよいよ日本でもブームになりそうな兆候があります。
一般社団法人日本ホームステージング協会では、「日本ホームステージング協会認定資格」を習得できる講座を2015年に開講。たった1年で認定ホームステージャーが700人を超え、2017年10月のプレスリリースでは既に1500人のホームステージャーを輩出しています。
そんなホームステージング協会は、2017年を「ホームステージング元年」と位置づけ、ホームステージングを行った場合と、行っていない場合との違いという調査結果を公表しています。

・物件販売までの平均日数
ホームステージング有り:戸建て37日/マンション42日
ホームステージング無し:戸建て210日/マンション88日
・平均販売価格
ホームステージング有り:4500万円
ホームステージング無し:4523万円(0.5%アップ)

参考:一般社団法人日本ホームステージング協会「ホームステージング白書2017」
http://www.homestaging.or.jp/images/hakusho/wp2017.pdf

物件の販売価格に関しては、調査結果の中に1割弱高く売れた事例もあると報告していますが、どちらにせよ一戸建ては通常より販売日数が約8割短縮、マンションは約5割短縮という結果を見ればその効果は明らかです。
もしこれらの結果を賃貸経営にそのまま当てはめることができれば、空室期間を5~8割ほど短縮できるということになります。
物件成約までの日数がこれほどまで短縮できるとなれば、当然、不動産投資業界でもブームが訪れそうな予感がします。
それでは、実際にホームステージングを行うにはどのくらいの費用が掛かるのでしょうか。

ホームステージングにかかる費用は?

ホームステージングの現状として、施主がホームステージングにどの程度費用をかけているのかが気になるところ。
先ほどご紹介させていただいたホームステージング協会が調査した内容から、ホームステージングの費用が分かるデータを見てみましょう。

  • 5万円(全体18件/戸建5件/マンション13件)
  • 10万円(全体1件/戸建0件/マンション1件)
  • 15万円(全体4件/戸建2件/マンション2件)
  • 20万円(全体116件/戸建29件/マンション87件)
  • 25万円(全体9件/戸建4件/マンション5件)
  • 30万円(全体3件/戸建1件/マンション2件)
  • 35万円(全体10件/戸建3件/マンション7件)
  • 40万円(全体0件/戸建0件/マンション0件)
  • 45万円(全体1件/戸建0件/マンション1件)
  • 50万円(全体1件/戸建0件/マンション1件)
  • 55万円(全体1件/戸建0件/マンション1件)

参考:一般社団法人日本ホームステージング協会「ホームステージング白書2017」
http://www.homestaging.or.jp/images/hakusho/wp2017.pdf

このように、圧倒的に15~20万円までの件数が多くなっていますが、これらは賃貸ではなく売買物件としてのデータであり、仮に1割弱ほど物件が高く売れるのであれば十分に元が取れる費用だと言えるでしょう。
中には300万円かけた事例もあると報告されていますが、こと賃貸の話となれば、空室の度にそこまで費用をかけては本末転倒です。

ホームステージングは多額の費用をかければ効果が見込めるといったものではなく、ちょっとした工夫やデザインで魅力を高めつつ、生活感を演出していくことが最終的な目的の達成に繋がります。
つまり、入居後の家具などは入居者自身が用意するという前提で考えると、ホームステージングで設置する家具や装飾が安いか高いかは重要ではないのです。

例えば、株式会社ニトリの子会社である「株式会社ホームロジスティクス」では、賃貸物件と売買物件それぞれでホームステージングサービスを提供しており、最安価格6万円で家具をレンタルしてもらえるセルフステージングサービスや7万円ほどで家具の設置と写真撮影をしてもらえるプランなどが用意されており、公式サイトの情報では、なんと540日の空室物件がホームステージング後42日で成約したとの実績が報告されています。実に空室期間を9割短縮したことになります。
売買物件におけるホームステージングが15~20万円が相場という調査結果に対し、賃貸物件では家賃1か月分ほどの費用で済むことを考えると、高い費用をかけて豪華な家具を用意する必要はないと言えそうです。

参考:株式会社ホームロジスティクス
https://www.homelogi.co.jp/service/homestaging/

一挙三得!ホームステージングのメリットは他にも

不動産売買の業界で話題になりがちなホームステージングは、どうやら賃貸物件でも十分に活用できそうだと感じられますが、賃貸と売買でホームステージングに違いはあるのでしょうか。

先述のとおり、ホームステージングもタダではありません。
やはり、費用をかけて室内を演出していく必要があり、売買物件なら価格に費用分を上乗せして契約が成立すれば一度に回収可能ですが、賃貸物件でのホームステージングとなればそうはいかず、かかった費用は家賃収入で賄っていかなければならないことは一つの注意点でもあり、売買物件との決定的な違いと言えるでしょう。
また、高い家具は必要ないと前述したものの、あまりにも安っぽい家具や傷だらけの床、タバコ臭などが残る部屋ではホームステージングを行ったところでメリットは半減してしまいます。
最低限のホームクリーニングやアロマを焚いて印象を良くするなどの工夫、ターゲットを絞ったインテリアにするなどの戦略はある程度持っておくべきです。

とはいえ、ホームステージングはフリーレントや家賃の値下げで家賃収入を泣く泣く妥協するのと比べ、一回の費用、且つ短期間で入居者が決まるという高い費用対効果が狙えます。
しかも、一度でもホームステージングを行った写真さえあれば、退去が決まった即日にでも募集開始を行えるため、内見ができないというデメリットの解消にも繋がります。

ホームステージングは、空室期間の短縮だけでなく、空室対策費用の節約や内見前に室内を紹介できるなど、一挙三得のメリットが得られる新しい空室対策と言えます。
「空室期間が9割短縮できる」というのも過言ではないのではないでしょうか。

まとめ

今回は、ブーム到来の予感もあるホームステージングについてご紹介させていただきました。
既にホームステージャーによるブログも多数存在しており、中には100円ショップで購入したインテリアを活用し、費用を安く抑えながらも成約したという事例もあります。
不動産経営においては何かと難しいデータや数字で分析を行う場面も多くありますが、実はちょっとした工夫で空室が無くなるかもしれないと感じさせるのがホームステージングです。
極論、テーブルやソファーなどの家具を置かず、フロアマットを1枚敷いておくだけでも効果は上がる可能性すら感じさせます。
空室に悩まれるオーナーは、一度ホームステージングに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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