不動産投資での税金対策のメカニズムと実際の節税方法 | 不動産投資を考えるメディア

不動産投資での税金対策のメカニズムと実際の節税方法

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不動産投資で税金対策!節税方法と実例の紹介

「不動産投資で節税できる」というのは有名な話です。しかし、具体的にどのような仕組みでどうやって節税するのかを知る人はそれほど多くありません。また、不動産投資での税金対策には落とし穴もあります。
今回は不動産投資における節税の仕組みから節税できる税金の種類、節税のカギとなる「減価償却費」、個人・法人それぞれの節税、また節税における落とし穴なども解説していきます。

節税のための不動産投資

不動産投資といえば「家賃収入を得て儲けを得ようとする」資産運用を目的にしている方が多いと思います。しかし、中には「節税のための不動産投資」を視野に入れている投資家もいます。
不動産投資というのは、比較的年収の多い(納税額の多い)方が行う傾向にあるようです。確かに、不動産投資をすれば節税に繋げることは可能ですが、そのシステムを正しく理解している人は、実際のところ少ないのではないでしょうか。

ただ不動産投資をすれば税金が返ってくるという訳ではないですし、節税につながるとはいっても、支払う税金が大幅に下がるという訳でもありません。気をつけないと、節税目的のために始めた不動産投資がきっかけで大損してしまうことも少なくないのです。

特にバブルの時代は節税目的だけで不動産投資を行っていた方がとても多かったため、バブルがはじけたのと同時に大損害を被った投資家も少なくなかったようです。そのような事態は、バブル崩壊後20年以上経った現在でもありえないとは言い切れませんので、最低限の知識は理解しておくようにしましょう。
バブル期のアパート投資・マンション投資の失敗例

また、世の中には「税金対策のために不動産投資をしませんか」という甘い誘いをしてくる輩もいるので注意が必要です。きちんと節税のための不動産投資を理解しておけば、このような誘い文句に騙されることも少なくなるでしょう。

不動産投資で節税できるってホント?

よく不動産屋さんのセールスマンが使うトークに「不動産投資をすると節税になってお得なんです」というものがありますが、いきなりこんな話をされたところでよくわかりませんよね。

不動産投資と言えば、マンションやアパートなどの賃貸物件を不動産投資ローンで購入し、その家賃収入をローンの返済に充てるというもの。当然マンションやアパートの購入には数千万円はかかるものですが、家賃収入は数万円台なので、返済完了までには数十年かかるというのが通常です。そんな高額な商品を購入しているにもかかわらず、節税にもなるというのは一体どういうことなのでしょうか。

まず普通のサラリーマンの家庭では、税金は会社で給与支払いの段階で自動的に差し引かれており、あまり意識したことはない方が多いと思います。しかし不動産の購入でかかった必要経費というものは税金の控除対象となっており、確定申告時に申請すれば会社で差し引かれた税金からいくらか還付されます。

不動産を購入した初年度は、翌年以降より大きな必要経費がかかっており、不動産取得に対する登録免許税や不動産取得税などの税金を支払っている為、その税金が必要経費として計上できます。また固定資産税も増加しますので、その分も必要経費として計上することで控除を受けられるでしょう。

しかし、これらは不動産を取得したり維持したりする際には必ずかかってくる税金ですし、固定資産税はともかく登録免許税や不動産取得税は不動産取得の初年度のみしか効果がありませんので、通年にわたって節税になる訳ではありません。ではどうすれば2年目以降も節税ができるのでしょうか。

不動産投資で節税できる税金の種類

不動産投資で税金対策をする場合、節税できる税金は大きく分けて「所得税」と「相続税」です。
まず所得税ですが、個人で不動産投資をしてそれが赤字だった場合は給料などから天引きされていた源泉徴収額から赤字分が還付されます。給料から所得税が天引きされているため、還付が受けられる可能性に着目して節税効果を紹介するサラリーマン向けの不動産投資本もよく見られます。それだけメジャーな節税方法と言うことです。

個人で不動産投資を行う場合だけでなく、法人化して不動産投資とした場合にも所得税の節税が可能です。個人で不動産投資を行い、給料と家賃収入を合わせて1200~1400万あたりになってくると法人化した方が節税効果が高くなります。法人で物件を所有した場合、個人所有よりも税率が安くなるので、税金対策上のメリットがあるのです。

相続税の場合、さらにわかりやすい節税効果があります。不動産を相続した場合、現金を相続するよりも相続時の評価額が下がります。3000万の不動産であれば、評価額が1000万ほどまで下がるケースも多いです。そのため、3000万の現金を相続するより、3000万(評価額1000万)の不動産を相続した方が税制上は有利になるのです。

経費計上のポイント

不動産投資で税金対策を考えた場合、所得税に関しては赤字額が還付されると紹介しました。この赤字額には経費が含まれますので、何を経費にするのかが第一のポイントになります。例えば、賃貸管理会社に支払った金額や賃貸物件の修繕費はもちろんですが、不動産投資の勉強に使った書籍代やセミナーへの参加費、交通費なども認められます。これらに支払った領収書は大切に保存しておき、確定申告の際には漏れの無いよう確実に処理をしましょう。

第二のポイントとして、「減価償却費」の計上が挙げられます。減価償却費とは、購入した不動産の金額を取得時に一括して費用にするのではなく、購入した不動産の金額を利用できる期間に応じて毎年分割して費用にするものです。経費として計上はできるのですが、実際にはお金の支出がない、あくまで帳簿上の存在です。この帳簿上の存在というのがポイントで、赤字を生み出すために欠かせない要素となります。

赤字を出せば所得税が還付される点は既に述べましたが、本当に赤字であっては所得税を還付されても損をすることになります。実際には収支がプラスでも帳簿上の赤字が必要となり、減価償却費はそれを実現する大きなポイントとなります。お金の支払いがないにも関わらず帳簿上は赤字になるということは、手元にお金が残ったままなので損をすることなく費用を計上できます。結果的に、より多くの還付金を得られることに繋がります。

この減価償却費ですが、物件によって計算方法が決まっています。例えば、鉄筋コンクリート造の新築物件であれば利用可能年数は47年なので、取得費用を47で割った額を毎年計上することになります。

減価償却費を使用した節税

ここで、取得した不動産にかかる諸経費をざっと挙げてみたいと思います。

  • 不動産取得時にかかる税金:登録免許税や不動産取得税
  • 毎年かかる税金:固定資産税
  • その他経費:不動産ローン借入金利、減価償却費、修繕費や管理費、火災保険料、不動産経営にかかる交通費

この中で大きな割合を持っているもので、固定資産税は毎年かかるだけですし、借入金利も減ることもありますが増えることもあるので節税には結びつきません。

しかし減価償却費についてはうまく運用できれば節税効果が期待できるものなのです。減価償却費とは、所有している建物が経年劣化した分の不動産価値の減少分のことで、簡単に言えば古くなって建物の価値が少なくなったということです。減価償却費は建物ごとにバラバラに決まっているわけではなく、建築基準法で建物の工法ごとに耐用年数が決まっておりそれに基づいて減価償却率が決定されます。

  • 鉄筋コンクリート(耐用年数47年):減価償却率0.022
  • 重量鉄骨造(耐用年数34年):減価償却率0.030
  • 木造(耐用年数22年):減価償却率0.046

ここで一例として5000万円の建物を購入した場合の減価償却費を工法別に見てみましょう。

  • 鉄筋コンクリート:5000万円×減価償却率0.022=110万円/年
  • 重量鉄骨造:5000万円×減価償却率0.030=150万円/年
  • 木造:5000万円×減価償却率0.046=230万円/年

この年間の減価償却費は全額経費として計上することが出来、実際に建物が老朽化しているしていないに関わらず、一定額で定められています。

減価償却費での節税例

減価償却費を使って節税する場合の例を見てみましょう。ここでは5000万円の鉄筋コンクリートの建物を購入して、家賃収入から修繕費などの必要経費を引いた利益として毎年100万円の収入があるとします。

この場合、減価償却費は110万円/年となりますので、「収入100万円 - 減価償却で下がった建物価値110万円=-10万円」となり、帳簿上では毎年10万円の赤字が生まれることになります。そこで、この不動産投資の赤字を確定申告時に申告することで、所得税に控除がかかり還付金を受け取ることが出来ます。また、住民税も所得税をもとに計算されますので、こちらでも節税効果が期待できます。

「減価償却費の高い木造建物の方が節税効果が高い」と思われるかもしれませんが、それは正しいとは言えません。今回の例でいうと、毎年の節税効果でいえば木造の230万円/年の減価償却費のほうが赤字額が130万円に増えて節税には効果があるのですが、この減価償却費の計算はあくまで建物の耐用年数の範囲内でしか行われないのです。

木造建築の場合22年ですから、23年以降は建物は限界を迎えて価値がないとみなされるので減価償却費も0となります。そのため耐用年数が長い工法のほうが、長く節税効果を得られるのです。

また赤字にならなければ節税とならない仕組みのため、家賃収入が多く必要経費が少ない場合は必ずしも節税につながるわけではありません。その場合は修繕費やその他の必要経費を計上して赤字になるように運用していく必要がありますので、減価償却費で節税を行う際には運用に注意が必要です。

個人で行う不動産投資の節税

不動産投資による節税のメカニズムについて紹介してみたいと思います。
まず、個人で行う不動産投資の節税のポイントは「不動産投資による赤字を出す」ということです。その赤字の部分が節税できる金額ということになります。「どうして不動産投資で出た赤字が節税の対象になるのか?」疑問に思う方も少なくないのではないでしょうか。

ではサラリーマンを例に挙げてみましょう。
サラリーマンは、毎月の給料の中から所得税を天引きされています。 つまり、サラリーマンは自分が納める所得税を会社が代わりに計算して納付しているということです。しかし不動産投資による家賃収入は、サラリーマンが会社からもらっている給料とは別の収入。その別の収入を計算して申告するのが確定申告です。

もしも不動産投資によって黒字になった場合には、確定申告をして税金を納める必要があります。赤字になってしまった場合には、会社の給料から引かれている所得税をいくらか取り返すことができます。これは何故かと言うと、給料収入と不動産収入を一緒に計算して税金を納められる「損益通算」というルールがあるからです。一つ例を挙げてみましょう。

不動産投資によって100万円の赤字が出た場合
「給料収入(500万円) + 不動産投資での赤字(ー100万円) = 400万円」

本来なら400万円に対しての所得税を払う必要があるのですが、すでに500万円に対する所得税は会社から天引きされています。不動産所得による100万円分の赤字の税金を余計に払っていることになるので、その分が戻ってくるということです。
損益通算に関してはこちらの記事で詳しく説明しています。
不動産投資の節税で「損益通算」が注目される3つの理由

法人による不動産投資の節税

次は法人の不動産投資の節税についてです。まずは、法人を設立する際の収入の基準を理解しておく必要があります。法人を設立できる基準は「不動産投資による収入+会社からの給料の合計額が年収で1300万円を超えている」場合です。

このような場合は、法人税よりも個人で得ている所得の方が高くなっているということになります。もし、不動産投資による収入がこれだけ入ってくるのであれば、個人で不動産を所有するよりも、法人として所有しておいたほうが税率が低くなるのです。だいたい7~17%ほど低くなります。

例えば、年収が1000万円あって不動産投資による収入が300万円あるケースです。もしも個人で不動産を所有している場合は、税率が32%で所得税は58万円ということになります。その一方で法人で不動産を所有していた場合は税率が21%まで下がり、税金は13万円で済むのです。つまり個人で不動産を所有するよりも、法人で不動産を所有していた方が30万円近く税金を節約することができる計算になります。

不動産投資で税金対策の落とし穴

ただし、気をつけておきたいのは「不動産投資による収入が500万円以下の場合」です。このような場合は、給料と不動産収入の合計が1300万円以上あったとしても、法人を維持するためのコストの方が節税よりも大きくなってしまうため節税対策の意味を持ちません。これは意外とよくある落とし穴です。甘い口車に乗せられて、なんとなく不動産投資を始めてしまうと、このようなトラブルに起きてしまいます。

また、「税金対策にばかり目が行きがちになる」のも注意が必要です。確かに不動産投資には税金対策効果がありますが、税金の仕組みは複雑で勉強すればするほどたくさんの節税方法を知ることができます。しかし、不動産投資において何より大切なことは第一に「安定的に多く収益を得る」ことです。節税の勉強ばかりすることで、投資で稼ぐための努力を疎かにする人が散見されるのが現状です。

不動産投資ではまずできるだけ多く稼げるような仕組みを作り、税金対策はその後に税理士などの専門家に任せてしまっても大丈夫なのです。当然、税理士への報酬も費用として計上できるので忘れないようにしましょう。

不動産投資で税金対策ばかりを目論んだ結果、結果的に多くの借金を抱えた人もいますし、物件を手放した人もいます。中には破産したり家族を失ったケースや、借金苦で自殺した事件もあります。これでは本末転倒です。不動産投資で黒字であれば、所得税の還付を受けることはできませんが、「不動産投資に成功している」と言えます。逆に不動産投資で赤字になれば所得税の還付が受けられますが、赤字ということは、「不動産投資に失敗している」という見方もできます。節税のメリットばかり考えた赤字投資を続けていては、いずれ破綻をきたすことになるでしょう。

まとめ

減価償却費は実際の支出を伴わないにも関わらず、費用として帳簿上に計上できます。そのため、不動産投資における節税のカギになります。減価償却費について理解を深めれば、大きな節税効果を得ることができるはずです。

不動産投資をすることで確かに所得税や相続税は大きく節税することができます。しかし、節税を考える前に何よりもまず収益を増やすことに重きを置くべきです。税金対策は実際に税金負担が大きくなってから考えても問題ないのです。

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