不動産投資で共済制度やふるさと納税を活用した節税方法 | 不動産投資を考えるメディア

不動産投資で共済制度やふるさと納税を活用した節税方法

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不動産投資を始めると、給料収入の他に新たに収入が増えます。収入が増えたら、今度は税金のことも考えなければいけません。収益物件を購入した初年度は、物件購入に関わる諸経費や物件の減価償却費の計上で、不動産所得を減らせることができるので、税金は逆に安くて済みますが、次年度からは次第に不動産所得も上がっていくので、きちんと節税対策を立てておかないと、手元にお金を残すことができません。

経費をたくさん使えばいいと短絡的に考えがちですが、経費を使って節税をすると、今度は金融機関から融資を受けづらくなります。このことは、ローンの借り換えにとってもマイナス要因ですし、さらに収益物件を増やすときに融資を断られることもあります。今回は、経費を使わずに節税する方法をご紹介します。

経費を使わずに節税する方法

経費を使わずに節税する方法

経費を使わずに節税する方法の一つに、共済制度を利用する方法があります。たとえば、小規模企業共済制度は、国がつくった中小企業経営者のための共済制度で、資金をあらかじめ積み立てておき、個人事業を廃業したときや、法人の役員を退任したときなどに共済制度から退職金を支給する制度です。

運営は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が小規模企業共済法に基づいて運営しているため、安心です。共済金の多くは国債で運用されており、国債の利息の収入や償還金があるので、資金需要にも十分対応ができるようになっています。

小規模企業共済に加入することのメリットは、共済の掛金が全額控除の対象になるということです。全額が「小規模企業共済等掛金控除」として課税対象となる所得から控除されます。共済制度を活用すれば、手元にお金は一時的に無くなりますが、万が一の時には、掛け金の範囲内でお金を借りることも可能です。

たとえば、課税される不動産所得の金額が800万円あるとします。これに所得税は122万9200円かかり、住民税が80万5000円課税されます。仮に掛け金が月額の1万円だったら4万100円の節税になります。同じように掛け金が月額3万円であれば、12万500円の節税になります。掛け金が限度額7万円の場合は、28万1200円になります。

課税される所得金額が1000万円の場合、所得税は180万1000円。住民税は100万5000円となります。掛け金が月額の1万円だったら、節税金額は5万2400円。掛け金が最高の7万円だったら、36万7000円の節税金額となります。

掛け金は1000円〜70000円まで

小規模企業共済の毎月の掛け金は、1000円〜70000円までの範囲内(500円単位)で自由に選択することができます。掛け金は最大で7万円なので不動産投資の節税効果は限られますが、1年間で12カ月×7万円=84万円までを全額控除とすることができます。

毎月数百万円の家賃収入を得ている不動産投資家であれば節税効果は小さいかもしれませんが、毎月20万円以下の家賃収入を得ている不動産投資家にとっては、大きな金額になるはずです。また、共済金は請求すれば、最終的にお金が戻ってくるので節税効果は非常に高い制度です。

毎月の掛け金は、預金口座での払い込みとなります。掛け金の払い込み方法は、「月払い」「半年払い」「年払い」の中から選ぶことができます。その年の1月からスタートして、3月分から年払いに変えた場合でも3月分から12月分の掛け金は全額控除の対象になります。

掛け金は増額するや減額することができます。増額と減額の月額は1000円から7万円までの範囲内(500円単位)で設定することができるので、収入が多くなって、翌月から節税をしたいということにも対応することができます。この場合、必要書類を運営している中小機構に送付することが必要になります。

共済金を受け取る時は節税を意識する

共済金を受け取る時は節税を意識する

毎月、掛け金で払い込んだ共済金は、事業を廃業したり、65歳で退職したり、解約したりして請求すれば支払われます。共済金は、受け取ったときにどのような理由で受け取ったかによって所得が分かれます。それぞれ課税される税金が異なるので注意しましょう。

共済金を一括で受け取の場合は退職所得扱いになります。退職所得の扱いになれば、所得税の課税額が半分以下になることで、さらに節税が可能です。

一方、分割で受け取る場合は、公的年金等の雑所得扱いになり、控除額が通常の雑所得と比べて大きいというメリットがあります。しかし、65歳未満の方が任意で解約をする場合や12ヶ月以上の掛け金未払いによる解約の場合、一時所得扱いになって節税効果が大きく損なわれるので注意が必要です。

つまり、65歳までお金を保管しておくつもりで共済を利用すれば、非常に高い節税効果が見込まれる活用方法になると思います。それでは、一括で共済金を受け取る場合と、分割して共済金を受け取る場合とでは、扱われる所得が異なるので、一つ一つ説明していきましょう。

一括受取りの場合(退職所得)

小規模企業共済の掛金を65歳以上で解約する場合や満期が来て受け取る場合、前述したように、一括で受け取る場合は退職所得扱いになります。
退職所得の控除は、勤続年数20年まで1年間あたりで40万円、勤続年数21年からは1年あたりで70万円までが控除されます。退職所得控除額を上回る金額の2分の1に対し、所得税および地方税がかかります。

退職所得控除額の計算方法は、以下のとおりです。なお、障害者になった場合として退職するときには、以下で計算した金額に100万円を加算した金額が退職所得控除額となります。

勤続年数1年の場合
退職所得控除額=80万円(180万円に満たない場合は80万円となります)
●勤続年数2~20年の場合
退職所得控除額=勤続年数×40万円(小規模企業共済の共済金等の「勤続年数」は、税法上、契約期間となります(1年未満は切上げ)
●勤続年数21年以上の場合
退職所得控除額=800万円+(勤続年数-20年)×70万円

なお、共済金、準共済金、退職所得扱いとなる解約手当金は、所得税を差し引いた金額が支給されます。

分割受取りの場合(公的年金等の雑所得)

小規模企業共済の掛金を解約する場合や65歳以上で共済金を受け取るときに一括ではなく、分割で受け取る場合は所得が変わります。具体的には、公的年金等の雑所得扱いになります。分割で受け取る共済金には、所得税および復興特別所得税(7.5%×102.1%=7.6575%)が差し引かれます。公的年金等の雑所得は、他の所得と合わせて確定申告をすることが必要です。

小規模企業共済の加入申し込み

小規模企業共済の加入申し込み

小規模企業共済の加入の申込みをする場合、次の書類などが必要になります。決められた契約申込書、預金口座振替申出書を用意して、個人事業主は、所得税の確定申告書の控えが必要になります。ただし、事業を始めたばかりで『確定申告書』がない場合は、『開業届』の控えだけでも大丈夫です。

また、共同経営者の地位で加入する場合は、その共同経営者が所属する個人事業主から報酬を得ていることが確認できる書類も提示する必要があります。法人(会社など)の役員の場合は、商業登記簿謄本などが必要になります。共同経営者の場合は、個人事業主の所得税の確定申告書の控え、個人事業主と締結した共同経営契約書の写し、報酬の支払い事実が確認できる書類が必要です。

ふるさと納税制度で控除を増やす

ふるさと納税制度を活用して、不動産所得を減らし、節税をする方法もあります。ふるさと納税制度とは現在、住んでいる自治体以外に寄付をした人を対象に、住民税の税額控除を増やす制度です。寄付をすると、税金が控除されたり、寄附金の使い道を指定して地域を応援できたり、さらには寄附した地域からお礼の品として美味しいお肉やお魚などがもらえることがあります。

たとえば、年収600万円の人は、6万5000円を税金で納める必要があります。ふるさと納税で6万5000円をふるさと納税を受け入れている自治体に寄付すると6万3000円の税金を先払いして、本来支払う分から税金が差し引かれ、さらに寄附先から、お礼としてお米や肉、果物などをもらえることがあります。

具体的には、都道府県や市区町村に対して寄附を行うと、寄附金額のうち2000円を超える部分について寄附者の所得などに応じた一定の範囲内で国税の所得税と地方税の住民税から控除されます。つまり、この額の範囲内であれば、2000円の自己負担で、実質的にふるさとに納税するのと同じ効果があります。このことから「ふるさと納税(ふるさと寄附金)」と呼ばれています。もちろん、控除を受けるには、所得税の確定申告が必要です。

ふるさと納税をすると、全額ではありませんが、寄附金額から2000円を差し引いた額を最大として、個人住民税所得割の概ね2割を上限に所得税や住民税の控除が受けられます。ふるさと納税は、複数の自治体に行っていただくことも可能です。ただし、寄附控除の額は、ふるさと納税の他、その年に納付した寄附控除の対象となる寄附額の合計で算定、適用されます。所得税の所得控除額や住民税の基本控除、特例控除は控除額の上限があります。

寄付金控除の計算は、次のようになります。

①その年に支出した特定寄付金の合計額
②その年の総所得金額等の40%相当額

①と②のいずれか低い金額-2000円=寄付金控除額

※「総所得金額等」とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。

具体例を挙げて説明しましょう。人気のお礼の品が揃っている長野県の飯山市の事例で考えてみます。たとえば、飯山市へ1万円のふるさと納税をするとします。1万円以上の寄付でもらえるお礼は、いろいろありますが、ここでは北軽井沢のハム・ソーセージの詰め合わせ1kg相当を選ぶとしましょう。
北軽井沢のハム・ソーセージの詰め合わせは、だいたい3000円から5000円相当。1万円から2000円を超える分がふるさと納税の寄付金控除が適用される金額ですから、1万円から2000円を差し引いて8000円となります。つまり、8000円の控除ができるだけではなく、3000円から5000円相当のソーセージの詰め合わせがもらえるということになります。

ただし、ふるさと納税、つまり寄付金控除は、支出を伴う控除であるということに注意しましょう。いくら節税ができるからといっても手元からお金がなくなってしまう節税であるということ意識しておきます。また、寄付金控除は限度額が決められているので、楽しみに半分という節税対策となります。

まとめ

小規模企業共済による節税とふるさと納税による節税についていかがでしたでしょうか。これらは控除を活用した節税方法ですが、限度額が決められているとは言え、一時的に手元からお金がなくなる節税方法なので、やや注意が必要です。しかし、不要なものを購入して経費を使って所得を減らす節税方法よりも無理がない大きなメリットもありますので、積極的に活用をして賢く節税をしていきましょう。

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