不動産投資に失敗する原因、節税の為の経費計上方法 | 不動産投資を考えるメディア

不動産投資に失敗する原因、節税の為の経費計上方法

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今やサラリーマンの副業として注目を集めている不動産投資。サラリーマンの収入が頭打ちの現在、いざ自分でも始めてみようと思う人も多いかもしれません。しかし、不動産投資は「投資」ですので、もちろんリスクはゼロではありません。投じたお金が返って来ないという場合もあります。それだけではなく、自分でマイナス分を補填する持ち出しが発生する可能性すらもあるのです。この記事では、不動産投資に失敗する原因から節税に必要な経費計上の方法などをご紹介します。

不動産投資と他の投資との違い

不動産投資と他の投資との違い

まず不動産投資で失敗しないためにはどのようなリスクがあるのかということを知っておくべきでしょう。そこで、まず重要なことは不動産投資と他の投資との違いを知っておくことが、とても重要だということです。

株式投資やFX(外国為替証拠金取引)、投資信託などの投資商品と不動産投資の大きな違いは、不動産投資は事業である、ということです。

株式投資は、ある会社の株式を購入(出資)して株主(出資者)になります。もちろん、株主総会で事業に意見を言うことはありますが、実際にその会社の経営をするわけではありません。このため、経営者に能力がなく、経営に失敗し、会社が倒産してしまえば、自分が持っている株式は紙くず、つまり、価値がゼロになってしまいます。

逆に経営者が非常に有能で、着実に利益を上げることができれば、出資したいという人がたくさん現れ、株式の価値が高まります。結果的に、自分が持っている株式は何十倍、何百倍にもなります。紙くずになる可能性もあるけれども、自分の出資額の何倍もの利益を出すこともできる、このことから、株式投資はハイリスク・ハイリターンの投資と呼ばれるのです。

不動産投資=賃貸経営をすること

不動産投資=賃貸経営をすること

ところが、不動産投資の場合は「投資」という名前で表現されていますが、実際には株式投資のように、お金を投資するだけではなくて、自分が賃貸事業の経営者にもなるということです。

株式投資のように、ただお金を出せば、あとは知らんぷり、と言うわけでもありません。収益性のある不動産を購入し、賃貸経営を行って利益(家賃収入)を得ることになるのです。もちろん、実際の賃貸管理は、管理会社に委託することができますが、家賃収入の収支状況をきちんと見ていないと、手元にお金が残らないということになります。

また、物件の構造や築年数、立地条件などをよく考えて購入しなければ、なかなか入居者が決まらなかったり、修繕費用に思った以上にお金がかかってしまったりして、なかなか収益を生み出すことが難しいかもしれません。不動産投資に失敗しないためには、いかに不要なコストを抑えるかがとても重要になります。そして、突発的な修繕費用がかかった場合など不測の事態に備えて運転資金を用意しておくということです。

しかしながら、逆を言えば賃貸経営をうまくやれば、想定利回り以上の収入を生み出すことができ、お金を手元に残すことができます。また、不動産投資は、不動産という現物に投資をするので、自分が投じた資産が紙くずになったり、価値がゼロになったりすることはありません。このようなことから、不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンと呼ばれるのです。

資金不足で不動産投資に失敗する

資金不足で不動産投資に失敗する

もちろん、ミドルリスク・ミドルリターンの不動産投資でも失敗をする人はいます。では、どのように失敗をしてしまうのでしょうか。
不動産投資で失敗してしまう人に共通しているのは、給料以外の収入を増やすために不動産投資をスタートしたのに、思った以上に収入が得られない、もしくは、思わぬ出費が重なってお金が残らないどころか、出費がかさんでしまうなどがあるでしょう。

思った以上に収入が得られない、または思わぬ出費がかさんでしまうという事態を招くケースはいくつかありますが、実際に不動産を購入する前によく調べておいたり、シミュレーションをしたりすることで、トラブル問題を回避することができます。

例えば、不動産投資を辞めてしまったAさんの事例をここに紹介しましょう。

Aさんは、ある地方都市に5000万円の全15戸のRC構造(鉄骨鉄筋造)のアパートを購入しました。築30年の物件です。Aさんは、まず家賃収入のほとんどをローン返済に回すという返済シミュレーションを立てました。

ところが、築30年の物件で古い物件だったため、程なくして水回りで100万円の修繕費用が必要になってしまいました。泣く泣く貯金をつぎ込んで、どうにか修繕費用を捻出したものの、更なる問題が発生しました。

Aさんは、年間650万円の不動産所得と600万円の給与所得を合算した1250万円の所得に最高税率の所得税と住民税が課税されることになりました。Aさんは家賃収入の全てをローンの返済に充当させており、余裕資金もありません。

家賃収入が上がったことで税金も高くなってしまい、結果的にローンが支払えなくなってしまったのです。

貯金も修繕費用でほぼ底を尽きかけていました。やむなく、物件を売却し、残債や滞納していた税金などに充当させました。こうしてAさんは、不動産投資を続けられなくなってしまったということです。

なぜ資金不足に陥ったのか

このAさんのケースでは、元々物件のそのものの築年数が古いため、多くの減価償却費を計上することが難しく、手元にお金を残すということ自体が難しい状態でした。一方で修繕費用は経費にすることはできますが、お金の支出を伴う費用なので手元に現金がなくなるのには変わりがありません。手元にお金がない状態なのに、経費で不動産所得を減らすことができない状態になってしまいました。

不動産投資によって、新たな収入の柱を増やすことができますが、収入が増えたことによる税金対策も考えおかなければ、お金を残すことはなかなか難しいでしょう。特にローンの融資額が多く、築古物件を購入する時には、税金対策もきちんと考えておきましょう。

経費計上には証拠が必要な場合も…

家賃収入は不動産所得に分類され、経費計上することで節税をすることができます。経費は賃貸事業に関するものであれば、経費にできますが、それには証拠が必要です。たとえば、新しい物件視察のために、自家用車を活用して物件を見に行ったとしましょう。

ガソリン代や高速代を経費として計上するためには、この場合、不動産事業のために物件視察をしたという証拠が必要になります。具体的にはドライブレコーダーをつけて物件視察の状況を客観的なデータにして証拠に残すなどが大切です。

しかしながら、昨今の不動産投資ブームで不動産投資家が急増。不動産投資化の節税手法の中には、悪質なものもあり、税務署の方で経費として認められないケースも増えているといいます。このように、一般的な事業では経費を認められる勘定科目も多いものですが、賃貸事業はなかなか厳しいものなのです。

お金の支出を伴わない経費とは?

ところで、経費として認められるものの中に、建物の減価償却費と融資の利息があります。建物の減価償却費はお金の支出を伴わない費用になります。築浅のRC造の物件などでは、建物の価値が高く、減価償却費も多く計上できるため、手元にお金を残すことができます。

減価償却費用とは、経年変化で価値が減少していく建物などの固定資産を購入した時に購入額を耐用年数に応じて、費用として計上していく会計処理のことです。一方、利息は経費にすることができますが、元金を経費にすることはできません。元金は経費にすることもできない上に、お金の支出も伴うという費用になりますから、手元のお金を大きく減らす原因になります。

ちなみに、減価償却費と元金の支払額が逆転することをデッドクロスと呼んでいます。なかなかインパクトのある呼び名ですが、それほどまでに、経営を悪化させる一因となる原因になるのです。

手元のお金を減らさずに経費計上する方法

不動産投資で失敗しないために知っておく、たった一つのこと│画像5

Aさんのようなケースは、収入の面ばかりに目がいってしまい、税金というコストに目がいかなかったところから発生するものです。家賃収入という新たな収入の柱が増えたら、その収入の節税の方法も考えておきましょう。

自分の資産を増やすために、まず考えなければいけない経費は、手元のお金の支出を伴わない経費です。前述した減価償却費以外にも、確定申告を一定のルールで青色申告することで得られる青色申告特別控除という制度があります。

なお、不動産所得として申告するためには、その不動産所得が事業的規模になっているかどうかがポイントになります。不動産の貸付けが事業として行われているかどうかについては、次のいずれかの基準に当てはまれば、原則として事業として行われているものとして取り扱われます。

  • (1)貸間・アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること
  • (2)独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること

事業的規模になっていなければ、青色申告をすることはできません。

青色申告特別控除は、次の2つの控除枠があります。65万円の青色申告特別控除と10万円の青色申告特別控除です。65万円青色申告特別控除を受ける要件は、次の3つがあります。

  • (1)不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること
  • (2)これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること
  • (3)上の(2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出する

10万円の青色申告特別控除枠は、65万円の青色特別控除の条件を満たせない場合に適用されます。

親族を雇って節税する青色事業専従者給与の特例

また、お金は出てしまいますが、特別控除を利用する以外に、親族を賃貸事業の専従者にして給与として支給し、所得を減らすという方法もあります。以下の要件を満たした親族に支払う給与を必要経費に認めるという制度です。

  1. 事業者が青色申告していること
  2. 給与を貰う親族の生計が同じであること
  3. 給与を貰う親族が15歳以上であること
  4. その事業に専念しているといえること
  5. 届出書を税務署に提出していること

青色事業専従者の給料はいくらでも設定することができるのですが、専従者にかかる所得税や住民税を税理士などに相談して、経費として計上することが重要です。

まとめ

お金を支出しない経費で不動産所得を減らした後に考えるのが、お金を支出する経費です。修繕費用や備品や建具、給湯器などの修理、入居や退去に関わるリフォームなど、外壁塗装や屋上防水などを検討しましょう。

これらの経費は手元のお金を支出することになるので、経費の使いすぎで運転資金がなくなってしまっては元も子もありません。手元のお金を確保して、運転資金を減らすようにしないように、計画性を持ちながら、経費計上をしていきましょう。

不動産投資に失敗しないためには、物件を購入するために収支をきちんと把握しておくこと。そして、手元にお金が全くない状態で不動産投資をスタートするのではなく、余裕資金を持って運用をスタートすることが大切なのです。

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