表面利回りと実質利回りの違いと物件別の利回りの考え方 | 不動産投資を考えるメディア

表面利回りと実質利回りの違いと物件別の利回りの考え方

シェアする

不動産投資を行う場合、他の投資と同じように利回りを考えることは大切です。しかし、物件サイトや業者が提示する利回りを鵜呑みにしてはいけません。利回りと言っても奥が深く、正しく理解していないと思わぬ損失があります。この記事では、表面利回りと実質利回りの違いやREITでの利回り、物件ごとの利回りの考え方、初心者でも利回りの計算がしやすい物件などを紹介していきます。

表面利回りと実質利回りの違いに注意

表面利回りと実質利回りの違いに注意

不動産投資において、表面利回りが非常に高い物件は数多く存在しとても魅力的に見えます。しかし注意しなければいけないのは表面利回りではなく実質利回りです。不動産会社などで表示されるのは表面利回りであり、税金などを考慮していない場合がほとんどです。税金や各種ローンの支払いを考えるとほとんど利益が出ずに、入居者がいなければ毎月数十万円の赤字になっていまうこともあり得ます。

表面利回りの注意点は税金が差し引かれる前の利回りが提示されるだけでなく、一定水準以上の入居者がいることが前提になる点です。アパートやマンションの一棟買いであれば、水準以上の入居者が集まれば利回りは向上します。しかし、空き室が多ければそれだけ利回りが低下し、赤字になるリスクが高まるのです。

不動産投資の初期段階で赤字になりがちなのは不動産取得税などの初期費用や住宅ローンの支払いが発生するためです。また、管理会社に委託を行っていれば手数料などが引かれるため注意が必要です。満室状態で売りに出ている物件でない場合、入居者が決まるまで数ヵ月間持ち出しが続いてしまい、資金繰りが苦しくなってしまう場合もあります。入居者が少ない場合や新規で募集を始める場合は、いかに早く黒字化するかが大切になります。

計画性が無ければせっかく購入した不動産をすぐに手放す必要が出てきたり、借入額が増え返済に時間が掛かるケースも出てきます。ある程度現金を手元に残すか、支出に耐えられる体制を整えることも大切なのです。

表面利回りだけでは判断できない

表面利回りだけでは判断できない

不動産投資をするときは、まず利回りを計算します。しかし表面利回りだけでは不動産投資をする物件としてメリットがあるか否かは判断できません。不動産投資物件を検索するサイトを閲覧すると、表面利回りが20%を超える物件が多く掲載されています。

例えば地方のリゾートマンションは都心のマンションと違い、需要と供給のバランスに大きな開きがあります。2LDKの部屋がわずか100万円で売りに出されているケースもたくさんあるのです。この場合、賃料が3万円でも表面利回りが30%を超えてしまいます。しかしリゾートマンションによっては入居者を確保することが非常に困難な状況にあります。マンションの購入価格が100万円で賃料設定が3万円であっても、入居者が居なければ毎月の管理費や修繕積立金の支払いの負担で実質利回りは6%程度という事態も想定されます。

また売りに出ている投資物件の中には築年数が30年や40年の古い木造アパートもあります。満室か1室のみ空室となっている状態で数百万円で売りに出されており、表面利回りも20%を超える物件があります。しかし築年数の古い木造アパートは毎年のように修繕費用の持ち出しが発生することが多々あるため、年間の実質利回りはマイナスとなる恐れが高いです。また木造建築物の減価償却期間は22年ですので、減価償却期間が終了している物件の場合は税負担も考慮しなければなりません。

不動産投資をする場合は、実質利回りを計算することが重要なのです。

REITに投資する時も実質利回りを重視

REITに投資する時も実質利回りを重視

一般のサラリーマンなどの個人投資家にとっては、不動産投資の対象として不動産投資信託(REIT)も含まれます。そして不動産投資信託(REIT)に投資をするときにも利回りの計算は重要です。

2017年初頭の現在において、東京証券取引所に上場している不動産投資信託(REIT)のなかでもっとも分配金利回りが高い銘柄は6%を越えています。分配金利回りが6%ということは税金を差し引くと4.8%の実質利回りということになり、十分な収益を確保できるものと思えます。そしてこの不動産投資信託(REIT)の収益幅が低下しないことを前提に考えれば、約20年間保有し続けると分配金収入で投資元本を回収できることになります。

また日本証券金融から借金をして信用取引で不動産投資信託(REIT)を買うケースもあります。2017年初頭の信用取引の金利は、2.8%程度で設定されています。このため年間分配金利回りが6%の不動産投資信託(REIT)の場合、税金を差し引くと4.8%の利回りとなり、さらに信用取引の金利を差し引くと2%の利回りという計算になります。10年物国債の金利と比べれば借金をして不動産投資信託(REIT)を購入してもメリットがあると判断できそうです。

一方、不動産投資信託(REIT)でも東京都心のオフィスビルに投資している不動産投資信託(REIT)の分配金利回りは2.5%程度まで低下しています。そうすると税金を差し引くと利回りは2%となってしまいます。仮に不動産投資信託(REIT)を信用取引で購入した場合、金利分を考慮すると実質的には利益にならず損失となります。

初心者にとって利回りの計算をしやすい物件

初心者にとって利回りの計算をしやすい物件

不動産投資の初心者の場合、実質利回りの計算がしやすい物件を選択するのが賢明です。オフィスビルやマンションを丸ごと一棟の購入は無謀と思えますし、アパートへの投資も実質利回りの計算をするのは慣れが必要です。このため不動産投資の初心者には、区分所有マンションへの投資をお勧めしたいと思います。

区分所有マンションの場合は実質利回りの計算がしやすいのです。費用支出が必要となる項目としては、固定資産税と毎月の管理費と修繕積立金が挙げられます。また金融機関から不動産投資ローンを借りていれば、借り入れている金利も含まれます。

例えば、1000万円の中古マンションを購入したと仮定します。すると毎月の賃料収入が10万円であれば表面利回りは12%となります。表面利回りだけで判断すればかなりメリットの高い物件に見えます。しかし年に一度の固定資産税が6万円程度必要となり、毎月の管理費と修繕積立金が23000円必要となると実質利回りは約8.6%となります。

さらに不動産投資ローンで900万円を金利3%で借りていたとすると、実質利回りはさらに低下します。そして入居者が2年おきなどの短期間で頻繁に入れ替わってしまうと、その都度修繕やハウスクリーニングを行わなければならず実質利回りはさらに低下します。

この事例で計算してみても、表面利回りと実質利回りは大きく異なることがわかります。ですから不動産投資の初心者にとっては、はじめは実質利回りの計算がしやすい投資物件を購入するほうがメリットがありますし、不動産賃貸業として経験を積み重ねるための踏み台にしやすいと思います。

利回りの目安は地域によっても異なる

利回りの目安は地域によっても異なる

不動産投資の利回りの目安は地域によっても異なってきます。基本的に空き室リスクが高い物件ほど利回りが高くなり、人気の地域ほど低くなる点です。首都圏で駅の近くなどの好立地の場合は、マンションで表面利回りが5パーセント後半など利益を上げ辛い数字になっています。しかし立地の良さから空室リスクが低いため、売却する際も高額の査定がつく場合が多く処分も比較的容易です。自分で住むことも視野に入れた場合は無駄なく資産を運用しやすいのが特徴です。

駅から離れている場合や、築年数が古くなるなど難がある物件の利回りが10パーセントを超えるということは珍しい事ではありません。そのまま入居者が居れば高収入に繋がる可能性があるものの、入居者が決まるまでの宣伝広告費で出費がかさんでしまう場合が多いのです。

また入居者がいる状態で売りに出る場合もありますが、建物の修繕費用などを考えると赤字になってしまう場合もあります。建物の現状を自分で確認するなど、物件の説明に書かれた以上の情報を収集した方がリスクを減らせます。地方の場合で利回りが20パーセントを超える物件があるのは、このような背景があるからなのです。

同じ物件であっても、購入と同時にリフォームを行うことで宣伝広告費をおさえつつ入居率を高めるなど工夫もできます。リノベーションで大規模に手を入れ、高級物件に生まれ変わらせるという方法も存在します。格安物件を購入し入居者を効率よく集めることで非常に高い利回りを確保する人もいます。自分の持っているノウハウに合わせてリスクをコントロールすることも大切なポイントです。

他の種別の不動産投資と比較することも重要

他の種別の不動産投資と比較することも重要

不動産投資で重要なのが他の投資とどれだけ差があるかを比較することです。一般的にアパートやマンション経営は、高い利回りが確保しやすく家賃が安定収入に繋がりやすいです。10パーセント近い実質利回りを確保できる場合もあり、比較的早く利益を回収できるという点もメリットです。

もう一つ、初期投資額を抑え駐車場経営から不動産投資を行うと言う方法もありますが駐車場経営の利回りは2パーセントから3パーセント程度と言われています。ただし利回りが低い駐車場は更地として扱われ、軽減措置が受けられず固定資産税が多くかかってしまう事があります。ですが建築費用を節約できるだけでなく空き地にロープを張るだけで月極駐車場として運営が可能であり、実施利回りが大幅に向上するケースもあります。

また競売で物件を購入し、転売する方法もあります。競売は破産した債権者や強制執行で差し押さえた物件など、債権を回収するために自治体などが行います。格安で不動産が手に入る可能性があるため、不動産会社が競売に参加し隠れた人気があるのです。お買い得な物件は入札競争が激しいため予算内の金額では買えないケースも増えています。

そして転売目的での購入、売却を繰り返していると不動産取引に関する法律に違反することもあるため、事前の知識も必要になります。立地が良ければリフォームなどを行ってそのまま収益物件にすることも可能ですので、競売に出てきた場合はとりあえず申し込むと言う不動産投資家も多いのです。

土地を借りて駐車場経営を始めるなど、自分で土地を持つリスクを避けて投資を行う方法もあります。被りかねないリスクの範囲に応じて運用を考えるのは基本なのです。

まとめ

表面利回りと実質利回りの違いや利回りの計算をしやすい物件について述べてきました。利回りを正しく理解すれば予定される利益を正しく見積もり、しっかりとした投資計画を立てることができます。
不動産投資をする場合は表面利回りに惑わされず、立地や他の不動産への投資を比較検討しなければなりません。利益を上げるために必要なリサーチなので、この点を怠らないようにしましょう。

各種お問い合わせやご相談はこちら