不動産投資を委託できる信託受託権とは? | 不動産投資を考えるメディア

不動産投資を委託できる信託受託権とは?

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アパート経営やマンション経営というと何かと大変なイメージがあります。面倒なトラブルを避けたい場合のキーワードになるのが「信託受益権」です。聞きなれない言葉ですが、この記事で噛み砕いてご説明いたします。

不動産投資で利益を上げる仕組み

不動産投資で利益を上げる仕組み

昨今、年金受給額の減額や受け取り年齢の上昇などによって、年期だけでは定年後の安定した収入とはなりえず、ほかの収入手段が必要な時代になっています。そのうちの一つであるのが不動産投資で利益を得る方法です。

一般的な不動産投資の例でいうと、マンションやアパートなどの賃貸住宅を建て、そこから家賃で収入を得る方法です。また店舗を立ててそこを貸し出すことも同様に不動産投資の例の一つです。マンションやアパートなどの不動産を購入する際には多額の資金が必要ですので、不動産投資専門にローンを組み、家賃収入、賃料等の収入をその返済に充てていくのが一般的です。

しかし実際のマンション、アパート経営では家賃や賃料のすべてを返済に回すことはできず、建物や部屋の修理等の管理費、入居前や退去後のクリーニング費用、大規模修繕のための積立金などの諸経費がかさんできます。またその不動産の大家としての仕事も増え、入居や退去の手続き、不動産会社とのやりとり、はたまた住民同士のいさかいの調停など、かなり面倒なことも多いのが事実です。定年後であればまだ知らず、別の仕事をしながらそれら不動産の管理業務を行うとなると当然一人ではできず、家族の協力や管理人を雇うなど別の問題も上がってきます。

老後をゆったりと過ごすために購入した不動産のはずなのに、いろいろな厄介ごとも抱え込むようになってしまっては大変ですので、もっと手間をかけずに収入を得られる方法はないのでしょうか。そうした手間を信託銀行に任せて利益を得る方法の一つが「信託受益権」という方法です。

信託銀行についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
不動産投資における信託とは?信託銀行に運用を任せるメリット・リスク

信託受益権の仕組み

信託受益権の仕組み

信託受益権という言葉自体あまり聞きなれないものですが、不動産ファンドの間では広く行われている方法の一つです。信託とは所有している不動産を信託銀行などの金融機関に一度預け、不動産の所有者は信託銀行から収入を得る方法で、この信託銀行から収入を受け取る権利を「信託受益権」といいます。

信託した不動産の所有者は信託銀行に移ることになり、信託銀行はその不動産を管理・運営して賃料収入を得ます。そうして信託銀行に入った収入のうちから、信託報酬や公租公課、管理費・積立金等の必要経費を省いた分を、信託受益権を持っている受益者に分配するのです。

ここまでで見ると同じ不動産を運営していくのに信託銀行に余分に手数料を取られるだけに思えてきますが、決してそれだけではありません。信託銀行に運用の一切を任せることが出来るため、自分で運用する際のもろもろの手間をすべて省くことができるのが大きなメリットです。

そしてあらかじめ信託銀行と契約した信託期間が過ぎると、不動産の所有者は元の所有者の元に戻ってきますので、不動産を永久に手放すわけではないのです。しかし信託期間中は所有権は信託銀行にありますので、信託期間中は元の所有者が勝手に物件を売却することはできません。

また信託契約を結ぶ際に、あらかじめ信託期間終了後の物件の処分も契約に入れておくと、信託期間終了後には不動産のその時の財産価値をもとに一定額の売却益が元の所有者に支払われます。しかしこの信託受益権は不動産の管理の手間が減るというだけのものではなく、金融商品としての側面も持っています。

信託受益権は売買が可能

信託受益権は売買が可能

信託銀行に不動産を信託した後に受け取れる信託受益権は、当然そのまま持っていれば信託期間中は一定額の収入を得られるようになるのですが、信託受益権には別の使い道もあるのです。

「信託受益権」という権利は金融商品として取り扱うことが出来、不動産ファンドの間でも活発に取引が行われている金融商品の一つです。金融商品ですから自由に売買することが出来、信託受益権で得られる収入がなくなる代わりに、信託受益権そのものの売却益としてまとまった収入を得ることができます。

またこれは金融商品ですから金融法の範疇となり、信託受益権の売買の際には不動産取得税など不動産にかかわる税金はかかりません。また債権の売買となるため収入印紙の額を抑えることが出来、総じて取引にかかるコストが不動産売買の場合よりも減るのが大きなメリットです。

信託受益権の売買にはいくつかのパターンがあります。ここでは不動産の元の持ち主を「売主」、信託受益権の購入者を「買主」とします。

①信託受益権のみの売買
信託期間終了後は不動産の所有権は売主に戻ります。
②信託受益権を売却後、不動産所有権も買主に売却
信託期間中は不動産の所有者は信託銀行ですが、信託終了後に不動産の所有者が買主となります。
③信託を途中解除
信託銀行との信託受益権を解除し、不動産の所有者を買主に売却します。

このとき②、③のパターンの場合は不動産取引となりますので、買主は不動産取得税などの諸税を支払う必要が出てきます。

このように、不動産取引を行う場合と違って信託受益権の取引では柔軟にいろいろなパターンに対応できるため、不動産投資の一形態として便利な側面があります。

まとめ

信託受益権について、いかがでしたでしょうか。信託受益権をうまく使うことでトラブルを回避して利益を得ることができるので、不動産投資の際の選択肢の一部として覚えておくといいでしょう。

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