不動産投資における「信託」とは?信託銀行に運用を任せるメリット・リスク | 不動産投資を考えるメディア

不動産投資における「信託」とは?信託銀行に運用を任せるメリット・リスク

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不動産投資の一形態に「信託」というものがあります。投資信託という言葉はよく知られていますが、不動産投資における信託とはどのようなものなのでしょうか。この記事で概要を学んでいきましょう。

信託銀行は普通の銀行と何が違う?

もう一つの不動産投資の形、信託画像1

不動産投資と聞いてまず思い浮かべるのは、マンションやアパートの不動産を購入してその家賃収入から収益を得る方法です。しかし実際にマンション経営を行ってみると、その管理業務の多さに唖然とすると思います。

マンションの管理業務は入退去者の手続きや不動産会社との調整にとどまらず、建物や設備の修繕、入居者の募集、経理と税務処理など雑多ですが重要な業務ばかりです。不動産投資を行う人の多くは別に本業を抱えており、これらの管理業務を本業を進めながら行うのはなかなか大変なものです。そこで登場してくるのが「信託銀行」です。

信託銀行はその名の通り銀行の一種ですが、通常の銀行には運営出来ない信託業務を請け負うことが出来ます。信託とは土地や建物などの不動産、金融商品などを信託銀行に預け、管理運用を信託銀行で行うことを指します。不動産の所有者は預けた代わりとして「信託受益権」というものを受け取ります。

信託受益権とは、不動産運用で得られた家賃収入から、建物の管理費、修繕費、信託銀行側の管理費など必要経費を差し引いた金額を受け取る権利のことであり、不動産の所有者はこれにより収入を得ます。

実際に自分で運営した場合よりも信託銀行の管理費などで収入は目減りするのですが、マンションの管理業務を一切行う必要がなく安定した収入が得られるため、富裕層を中心として人気となっています。

また信託銀行は銀行業務も請け負う為、マンション購入時に不動産投資ローンを組む時点から実際の不動産の運用までを一括して任せることができ、実際の不動産を一度も所有することなく収入を得ることもできます。

信託受益権の仕組みとメリット

もう一つの不動産投資の形、信託画像2

次に信託銀行で不動産を運用する際のキモである信託受益権についてさらに詳しく説明します。

信託受益権は土地や建物の不動産を信託銀行に預けた代償として受け取れるもので、信託後は不動産の所有権は信託銀行に移ります。元の不動産の購入者は信託受益権を保持している限りは信託銀行からの収入を得ることができるのですが、この信託受益権は金融商品のため信託受益権のみを第三者に譲ることも可能なのです。

信託受益権の取引は実際の不動産を所有するよりも便利な点があり、不動産を購入する代わりに信託受益権を購入した場合には以下のようなメリットがあります。

不動産取得税がかからない
実際の不動産を購入した際には不動産取引税がかかりますが、信託受益権のみ購入した場合にはかかりませんので、節税につながります。
登録免許税が減る
不動産の取引の際には所有者の転記等で登録免許税が発生し、不動産や土地の価格に対して20/100程度が係ることもあります。しかし信託受益権ではこれはかからず、受益者変更登記の登録免許税が1筆あたり1,000円+司法書士報酬のみとなりお得になります。
不動産を所有するリスクが減る
不動産の所有者は信託銀行ですので、権利や法令、空室問題などの不動産リスクは信託銀行が請け負います。その為リスク低減につながります。

以上のような不動産運営上のメリットと節税につながるうえ、不動産経営にかかわる各種の面倒な管理業務を行わなくてよい、というのが信託銀行で不動産運用をするメリットとなります。しかし信託銀行もメリットだけではなく、いくつかリスクもありますので次でご説明します。

信託銀行で不動産を運用するリスク

もう一つの不動産投資の形、信託画像3

不動産信託は不動産の運用一切を信託銀行に任せる形となりますので、信託受益権から得られる信託報酬も信託銀行の運用一切にかかっていると言えます。

その為リスクの1つ目としては不動産の収益性の悪化があり、もし不動産の家賃収入に比べて修繕費や管理費が想定よりおおくかかった場合には、信託受益権から得られる収入も減少します。

あまりに収益性の悪化した物件の場合には、信託銀行は不動産を売却してその代金によって残金を精算することとなります。とはいえこれらの不動産リスクは自ら運営していた場合でもありうることです。

また、そもそも収益性が悪い不動産の場合には、信託銀行から信託を断られるケースもあります。ローンも一体となって運用する場合には、別の収益性の良い物件を探さなければ不動産投資自体が開始できないでしょう。

リスクとは少し違いますが、信託受益権の取引は金融商品の取引となりますので、信託契約の手続きが煩雑となります。加えてもし信託契約期間が終了して不動産の所有権が戻ってきたとしても、信託受益権が第3者の所有の場合にはその不動産を売る場合に第3者とも協議が必要となり、手続きにかかわる相手が膨大になります。

以上のようなリスクやデメリットはありますが、それを差し引いても不動産信託はノウハウのないマンション経営の初心者でも始められる不動産投資です。また不動産運営にかかわるリスクを、プロフェッショナルである信託銀行のノウハウを活用して低減できますので、いくら管理費がかかって収益性が悪くなったとしても、安定した継続収入が望める点が大きなメリットです。

まとめ

不動産信託の概要やメリット、リスクについてご理解いただけましたでしょうか。アパートやマンション経営と全く違うので不動産投資というイメージと合わないかもしれませんが、理解しておくと投資の幅が広がるので勉強しておきましょう。

信託受託権についてはこちらの記事でも解説しています。
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