東京都心と地方都市の利回り相場の違いと判断基準 | 不動産投資を考えるメディア

東京都心と地方都市の利回り相場の違いと判断基準

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不動産投資をするにあたり、重要な判断基準として「利回りの相場」があります。この記事では、不動産投資物件の利回り相場の判断基準について、東京都心部と地方都市での利回りの相場の違いやREITの種類による利回りの違いなどを紹介しています。

東京都心は利回りの相場が低くなる傾向

東京都心は利回りの相場が低くなる傾向

不動産投資をするにあたっては、相場の動向を見て判断する必要があります。しかし、相場の種類はひとつではありません。立地によって相場が異なりますし、マンションにはマンションの相場があり、商業施設には商業施設の相場があります。

例えば、東京都の千代田区や渋谷区、港区の投資物件の利回りの相場は低くなる傾向があります。需要と供給の関係でいえば、需要の方が供給よりも強くなる傾向があるためです。一極集中という言葉があるように、高収益の企業になればなるほど東京都心に本社を移転させる傾向があります。さらに地方に本社を構えている企業でも東京都心に「東京本社」を設置する傾向があります。

また、一般の社会人も埼玉県や千葉県、神奈川県に住むよりは東京都心のマンションで生活したいという気持ちが強いようで近年は東京都心への人口流入が続いています。この結果、需要と供給の関係において需要が高まることとなり、東京都心に立地しているオフィスビルの価格やマンションの価格が上昇しています。しかし、不思議なことに不動産価格が上昇しても同様のペースでは賃料の上昇はしていません。

例えば、2012年に不動産価格が100であったのが2016年には150まで上昇したとします。しかし賃料は2012年が100であるのに対して、2016年は110程度であるならば賃料の引き上げペースは緩やかとなります。つまり、東京都心の不動産については、価格の上昇に対して賃料の上昇が比例しないのです。その結果、利回りの相場が低下する状況となっています。

地方都市は利回りの相場が高くなる傾向

地方都市は利回りの相場が高くなる傾向

地方都市の不動産投資の利回りの相場が高くなる傾向があります。県庁所在地の都市でもオフィスビルやマンションの需要と供給の関係が拮抗するような状況ですし、人口10万人程度の都市では需要よりも供給の方が過剰となっているのが実情です。

このため不動産価格は1990年のバブル崩壊以降、一度も下げ止まることなく2017年を迎えている地方都市が多く存在するのが実情です。その結果、地方都市の投資物件のオフィスビルもマンション・アパートも利回りの相場が高くなる傾向が続いています。

具体的には不動産投資信託(REIT)で比較するのがわかりやすいと思います。東京都心の丸の内エリアのオフィスビルに集中投資している不動産投資信託(REIT)の分配金利回りは約2.5%程度まで低下していますが、仙台市や水戸市、福岡市などの地方都市のマンションだけに投資している不動産投資信託(REIT)の分配金利回りは現在でも6%前後の分配金利回りを維持しています。

そして、不動産投資信託(REIT)が保有しているオフィスビルやマンションの稼働率(入居率)を比較検討してみると一目瞭然です。東京都心の丸の内エリアに集中投資している不動産投資信託(REIT)が保有しているオフィスビルの稼働率は99%前後という極めて高い水準を維持しています。一方、地方都市のマンションだけに投資している不動産投資信託(REIT)の稼働率(入居率)は90%から95%の間を推移しています。

地方都市の不動産は需要よりも供給が強く、入居率が低くなってしまうため、不動産価格が上昇せずに利回り水準が高いままとなります。

REITは利回りの判断基準が異なる

REITは利回りの判断基準が異なる

不動産投資をするにあたっては、住宅以外の相場については景気循環やビジネス動向を基準にして利回りの相場を判断していく必要があります。
不動産投資信託(REIT)が良い例です。不動産投資信託(REIT)のなかにはショッピングモールに投資している銘柄もあります。これらについては、マンション相場やオフィスビル相場とは異なる観点で、投資判断や利回りについて判断していく必要があります。

ショッピングモールについて、もっとも重視すべきことはショッピングモールにおける売上高です。ショッピングモールの売上高が高い水準を維持していれば、このショッピングモールの資産価値は高止まりし資産価値が上昇し続けます。したがって、このショッピングモールを保有している不動産投資信託(REIT)の価格も上昇し、分配金利回りは低下していきます。

しかし、ショッピングモールの売上高が減少傾向にあるようならば、ショッピングモールの資産価値は低下していきます。そして、売上高低下にともなう資産価値の下落は急速に進む傾向にあり、同様にショッピングモールを保有する不動産投資信託(REIT)の価格下落も急速に進みます。この結果、不動産投資信託(REIT)とショッピングモールとの間の賃料改定が実施されるまでは、分配金利回りは高止まりすることになります。

しかし分配金利回りが高いからといって、この不動産投資信託(REIT)を買うのは危険です。ショッピングモールの売上高が減少傾向にあるため、次の賃料改定交渉のときに大幅に賃料が引き下げられ、これに伴い不動産投資信託(REIT)の分配金利回りも大幅に低下するからです。

まとめ

利回りの相場は東京都心部や地方都市とでは全く違いますし、物件の種類によっても当然違ってきます。判断基準は多岐に渡り、物件そのものや業界全体、景気全体まで考慮する必要がありますので、継続的な勉強が必要となってくるでしょう。

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