住人の孤独死による大きな出費を考える | 不動産投資を考えるメディア

住人の孤独死による大きな出費を考える

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住人の孤独死による大きな出費を考える│画像
不動産投資で収益物件を長期間所有していれば、いずれどこかで、住人の死に直面することもあります。その時にどのくらい出費がかかるのか、そこに住んでいる住民にどのような影響が起きるのかということは、実際に起きてみなければわからないかもしれません。原状回復の費用負担もしなければなりませんし、住人の死によって長期間空室になる可能性もあります。さらには、その影響によって隣室の退去が発生するケースも存在します。

そこで今回は、実際に住人の死が起きた時にどのような問題に対処しなければいけないのかを考えていきたいと思います。

孤独死は発見が遅くなりコストが高くなる

現在、賃貸住宅に住んでいる人で単身世帯は、1000万人と言われています。国立社会保障・人口問題研究所の調査では、2035年に65歳の高齢者が762万人に増えると予測されています。今後、入居者の単身世帯率はさらに増えていく予想されており、単身世帯が増えれば、当然のことながら孤独死につながる機会も増えていく可能性があるのです。

住人の孤独死が不動産投資に大きな影響を与えるのは、長期間発見されない場合があり、それに伴う費用が多くかかるリスクがあるためです。一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会の22回(2017年)「孤独死現状レポート」によると、923件の孤独死のうち、全体の46%の422件は死後14日以内に発見されていますが、過半数以上の501件に関しては発見が14日以降と大幅に遅れていることがわかりました。

亡くなってから1ヶ月〜3ヶ月ぐらいで発見されるケースも多くなっています。入居者の死の発見が長期化に至るケースは、単身世帯で地域社会とのコミュニケーションが少なく、発見が遅れるケースです。家賃未納で管理会社が訪れたり、自治体の見回りなどで発見されるケースが多いとされています。近隣住民によって異臭がするなどの通報で、入居者の死が発覚するケースも少なくありません。発見が遅れれば遅れるほど、心理的な抵抗感=瑕疵(かし)が高まり、長期間の空室になってしまうことになるのです。

ちなみに、性別で見ると男性の方が女性よりもやや発見が遅れる傾向があります。これは、コミュニケーション能力の差が表れているのかも知れません。

原状回復の費用はどうなる?

入居者が孤独死した場合、原状回復の費用は一体どのくらいかかるのでしょうか。
故人の家具や生活用品、衣料、寝具といった家財道具の残置物は通常であれば、親族が片付けにくるケースがほとんどです。しかしながら、孤独死の場合は誰も引き取りに来る人はいません。そのために、オーナーが処理しなければならくなり、その費用もオーナー持ちになるケースが少なくありません。

再び、第2回(2017年)「孤独死現状レポート」にて、どのくらいの費用が平均して掛かっているのかを調べて見ましょう。

残置物処理の平均はおよそ20万円

残置物処理費用では平均して掛かっているのが、19万6436円になります。
意外と大きな出費がかかることがわかります。実は残置物がゴミだけであれば、そんなに問題はないのですが、家財道具がそのままの残っていると、リサイクル業者などに依頼して残置物を整理してもらう必要が出てきます。この費用は処理をする家財道具の量にもよりますが、一般的には数万円から秋十万円掛かると言われています。調査では、残置物処理に最もお金がかかった金額として146万3400円かかったそうです。残置物処理といってもバカになりません。

原状回復費用の平均はおよそ34万円

残置物処理と並んで出費がかさみがちなのが、原状回復費用です。畳やフローリングで入居者が亡くなって、発見が遅れてしまった場合、洗うだけでは臭いや染みは取れません。当然ながら畳の張り替えやフローリングの付け替えも必要になってくるのです。全面改装をするようなつもりでリフォームしなければ臭いなどが残ってしまうケースもあります。発見が遅れて、遺体が放置されてしまった物件は事故物件になってしまうので長期間空室になることも多いのです。原状回復の平均費用は33万8375円と割高になっています。

原状回復費用で最もかかった金額は、341万3744円となっています。残置物処理と共に数百万単位で原状回復費用がかかるのであれば、すぐに現金を用意するのは難しいでしょう。

現金が確保できなければ、保険の検討を

こうした問題を受けて、オーナーが孤独死に対応する保険に加入するケースも増えているといいます。入居者の家財保険の中に孤独死に対応するタイプの保険もありますが、対応しない保険も多く、孤独死の残置物処理や原状回復の補償ができても、空室の間の家賃補償はオーナーが加入する保険でないと補償されません。高齢化社会で賃貸経営をするためには、こうした保険の加入も必要になってくるでしょう。

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