「完全自主管理で驚異の稼働率を達成している理由」ママチャリ大家インタビューVol.1 | 不動産投資を考えるメディア

「完全自主管理で驚異の稼働率を達成している理由」ママチャリ大家インタビューVol.1

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さて、今回は所有物件を自転車で通える地元に限定しママチャリを駆使して全ての物件を自主管理するママチャリ大家こと小林ヒロシさんに聞く、不動産会社に頼らず『完全自主管理で驚異の稼働率を達成している理由』シリーズの第一弾。
小林さんは外資系マーケティング会社に勤務する傍ら、副業として知識ゼロでマンション・アパート経営をスタート。現在は自宅兼用の2棟を含めて7棟のマンション・アパートを所有し、稼働率98%、年間収入4000万円、利回り10.4%に到達。先輩大家さんの目線から不動産管理会社に任せて失敗したことや自主管理の秘訣などを語っていただきました。
不動産投資をご検討の方はぜひ一度お読みいただければ幸いです。

満室経営の秘密とは?

編集部:株式会社タスの調査によると、23区内の空室率は11.56%。このような数字が出ている中で、小林さんが管理している物件は空室率わずか2%という驚異的な数字です。さらに自主管理で達成しているというのは本当にすごいですね。

小林: いえいえ、本当に当たり前のことをコツコツとやっているだけです。物件に空室が発生しそうだなと思ったら、事前に動いて入居者を募集する。よりたくさんの人に見に来てもらえば、その中の人の幾人かが入居を決めてくれます。

編集部:より多くの人に自分の物件を見てもらうことが重要なのですね。

小林:知り合いの大家さんの話を聞いていると、空室のまま放っておく管理会社も実は多いことがわかりました。彼らは「空室率が高いですからね。この部屋は2年ぐらい空いていますよ」と言う。管理会社にとっては家賃の5%が管理料の相場ですから、2年ぐらい空室であっても収入的には問題ないのかもしれません。

編集部:調査データでは空室率は1割でしたが、実際の空室率は3割とも4割とも言われています。空室率が高いので10室中3つぐらい部屋が空いていても普通だと考えられるのですね。

小林:オーナーにとって2年間と言えば、相当な家賃収入のロスです。たとえば、月7万円の部屋が1室でも空いていれば、1年で84万円、2年で168万円となります。しかし大家さんのネットワークで聞いて見ても、1?3割の空室は仕方がない。埋まらないなんて言っています。でも僕のやり方だったら、ほぼ満室状態ですからね。

編集部:満室経営になる小林さんのやり方と空室が出てしまう通常の管理会社のやり方で何が違うのでしょうか?

小林:大きく違う点は、管理会社は多くの物件を管理していますが、僕は自分の7棟の物件しか管理していないということ。だから、手間と時間をかけて管理が集中できているんです。特に大きいのは客付け力を自分でコントロールできるという点だと思います。そうやって考えるのは、管理会社が入居者をちゃんと募集しているのかという問題もあります。彼らも多くの管理物件を抱えていると思いますので、忘れちゃうということもあります。大家さんによって管理費用も違うと思うので、多く払ってくれる大家さんには力を入れるなどの方法があるかもしれません。やはり客付けという収益に関わる要素をコントロールできるのは、とても大きいと思います。

編集部:なるほど。そうなんですね。

小林:管理会社に管理を依頼すると、流れ的に客付けもお願いすることになります。ところが、その管理会社の客付け力は未知数です。不動産投資は家賃収入が収益になるので客付け力があるかないかで、大きく収益が変わってきてしまいます。これは管理会社に委託することで出てくるデメリットだと思います。もちろん、所有物件が数十棟単位になったり、なかなか出向くことができない地方の物件を所有していたりしたら、管理会社を活用するしかいないのですが……。それを避けるために僕は物件を集中させて自主管理をしているのです。

編集部:管理会社自身が客付けをする場合もありますが、大手管理会社では客付け専門の不動産会社を利用するケースもあるようですが?

小林:これも問題があります。管理会社だけでなく、客付け会社にも手数料を支払うから、さらに費用がかかるということです。そして、囲い込みです。管理会社は、自分のところで決めたいという物件は、客付け会社に依頼しなかったりします。それで決まらないケースも多いようです。

編集部:不透明な部分が意外とあるんですね…

小林:あります。空室を埋めるために、管理会社から提案されることは、最終的には家賃を下げましょうというものです。家賃を下げると収益が悪化して、手元にお金が残らなくなって失敗してしまう可能性があるのです。家賃を下げても埋まらないと、属性の悪い人を入れてしまう大家さんもいます。属性が悪い入居者が入ると家賃滞納が発生したりして、そういうケースが重なると大家業のモチベーションが下がっていきます。一旦、手放そうかという話になるとそこで管理会社が入ってきて仲介手数料を稼ぐ。どっちに転んでも管理会社が儲かる仕組みがあるんです。

成約率を上げるには「内見を増やせ」

編集部:小林さんはどんな客付けの方法を採用しているのですか?入居者募集で客付け会社に1000件以上メールを送るなんて話も聞きましたが…ホントでしょうか?

小林:はい、本当です。僕の場合、客付けは効率化するためにメールの雛形を作っていますね。空室発生予定の物件の概要や外観や内観写真をメールで添付して、メーリングリストで一斉に送信しています。現在、メーリングリストには東京の不動産会社や営業担当者のアドレスが1000件以上あります。どこの会社や担当者がいいとか、悪いという問題はありません。昔から懇意にしている会社が入居者を決める場合もあれば、全く知らない不動産会社が決める場合もあります。

編集部:どうやってメールアドレスを手に入れたんですか?

小林:インターネットです。不動産会社のホームページを探して、問い合わせ先に送付していました。内容はマンションオーナーですが客付をお願いしますというものです。その会社から、ぜひお客様を紹介させてくださいというメールがきた場合には、メーリングリストに登録します。なお客付けは一つの不動産会社に委託する専任媒介ではなく、複数の不動産会社に仲介を依頼する一般媒介を行っています。

編集部:入居者獲得についてユニークな戦略があると聞きました。

小林:私の公式で表現すると「入居獲得の公式=内見者数×成約率」なんです。私の考えでは、内見者数がゼロならば、成約率は上がりません。いろんな本や情報を見ると成約率を上げるノウハウを書いている人が多いのですが、部屋を最新式の設備にするとか、モデルルームのような家具をつける、広告費を増やす、フリーレントにするとか大家にとってはお金がかかることばかりです。それを一生懸命やっている人がいるんですけれども、内見者数が上がらないと、成約率は上がらないんですね。いくらノウハウを駆使しても、物件の持つ条件に合わないというミスマッチは必ず起きるので。

編集部:本やインターネットで紹介されているノウハウは、結局のところクロージングのノウハウですよね。内見したアパートやマンションに住みたいと内心決めている人の心を後押しするような作戦というか……

小林:だからこそ成約に至るには、物件の条件にマッチした人をいかに増やすかが重要なのです。僕はどちらかというと内見者数を増やすことに注力をしています。内見者数を増やせば、一定の率で入居者数は増える。内見者を増やし5人内見すれば、1人成約してくれるので成約率は20%ぐらいですね。ところが管理会社に依頼している人に聞いてみると、成約を上げるノウハウをいろいろと実行している割には、内見者数は先月ゼロですというのです。もちろん、僕も客付け会社のモチベーションを上げるために、広告費用1ヶ月分は払っています。しかし、それ以外は特に大したことはしていないです。リフォームをして、部屋は綺麗にしますけれども、フリーレントなどもしないですね。とにかく内見者数を増やすということに注力する。そのために自主管理をやっているというのもあります。

編集部:内見者数を増やすのに鍵を置いておくという方法がありましたが、他に実践していることはありますか?

小林:「この物件のこの部屋が空室です」と定期的に不動産会社に空室のお知らせメールを出したりしています。内見をスムーズに進めるために、鍵の場所をきちんと教えておくということですね。あとは問い合わせの電話は、いつでも受けています。内見中に仲介している不動産会社から「家賃を2000~3000円引いてください」と言われることもあります。オーナー直通の電話であれば、その場で成約させることもできます。これが管理会社経由の場合、管理会社に質問した時に、担当者がいなかったら、お客様の質問に的確に答えられません。仮に担当者がいたとしても「詳細は大家さんに確認します」となりがちです。大家さんに連絡を取っている時間がもったいないから、次の部屋を見ましょうという話になってしまって、成約ができなくなるということです。

自主管理は意外と簡単

編集部:自主管理の内容についてお伺いしたいのですが、入居時の審査はどうしていますか?入居者の属性は見ていますか?

小林:客付けの会社からメールで入居申込書が送られてくるんですけれども、その時に入居者の属性は書類で添付されてきますので、確認しています。年収がどのくらいとか、どんな会社に勤めているかなどが書かれていますが、事前に家賃保証会社の審査に通過した人だけを見ています。僕がOKを出せば、入居OKということになります。保証会社の審査を通らない人は断ります。過去に何かがあった人なのです。審査さえ通れば、家賃滞納が発生したら保証会社が本人に代わって支払ってくれます。

編集部:家賃の入金管理はどうやっているのですか?

小林:月末に銀行のサイトを見るという感じです。今は、口座の情報をネットで見られるのでとても便利ですし、手間もかかりませんね。入金された家賃はエクセルの表に入力します。エクセル表で家賃が遅れている人を一覧できるので、携帯電話のショートメッセージで催促します。滞納してしまった理由の多くは忘れているだけなので、すぐに振り込んでくれることが多いですね。連絡がつかなくて滞納でも保証会社に連絡すれば、問題はありません。保証会社が入居者に連絡してくれます。それでどうしても連絡がつかなければ、保証会社が入居者の代わりに払ってくれることになります。

夜逃げのリスクを低減するには?

編集部:入居者はどんな方が多いのでしょうか?

小林:入居者は色々で若い夫婦の人もいるし、子どもが小さい人もいれば、リタイアして夫婦で住んでいる人もいれば、もうまちまちですね。

編集部:入居者の中には問題を起こすような人もいませんか?

小林:中にはいらっしゃいます。過去に生活保護を受けている方で住人に迷惑をかけて警察沙汰になった人がいました。生活保護の支給は毎月あるので、家賃保証会社も審査を通しているのです。

編集部:なぜ警察沙汰になってしまったのでしょうか?

小林:理由はその人が部屋で暴れ出し、バッドか何かで壁を叩き出したということです。あとで部屋を見に行った時に、窓ガラスが全部割られていたので相当ひどい影響があったのではないでしょうか。さすがに、住人が恐怖を覚えて警察を呼んでしまったということでした。私にも警察から連絡が入りましたが、本人が落ち着いたので、立会いは不要でした。生活保護にはケースワーカーの人がついて定期的にチェックをしてくれるのですが、よくよく話を聞くと本人は心の病を患っているということでした。心を安定させる薬を処方されたのですが、きちんと服用をしていなかったのが暴れ出したのが原因でした。入居審査の際になぜそのことを話してくれなかったのか問いただしましたが個人情報保護の観点から、教えられないとのことでした。難しい問題だとは思いますが、オーナーとしては他の住人への影響もありますから、何とかして欲しいと思いました。

編集部:その後、どうなったのですか?

小林:ケースワーカーと話し合いをして、その方は入院されることことになりました。原状回復作業ですが、前述したように窓ガラスも全て割られていましたし、部屋の中は家具が散乱し、めちゃくちゃになっていました。家賃保証会社は家賃は保証してくれますが、問題が起きた時にリフォーム費用を出してはくれません。結局、原状回復費用として50万円ぐらいかかりました。とても痛い出費です。

編集部:その費用はどうしたんですか、自腹ですか?

小林:結局、自腹ですね。仲介してくれた不動産会社と一緒に彼女がいる病院に行って費用についてその方が払うと覚書を書いてもらいました。退院後、生活保護を受けるのでその費用の中から2万円ずつ振り込むというお話でしたが、その後、その人は消息不明で振り込まれませんでした。私はその人と電話で話したことがありますが、薬が効いている時は、とてもまともなんでわからなかったですね。

編集部:他にトラブルはありますか?

小林:はい、ありますよ。夜逃げも2回ぐらいされたこともありました。夜逃げは急にいなくなるものですが、必ず前兆があるんですね。夜逃げ前に滞納が続き、3ヶ月分の家賃を溜めたところで夜逃げになりました。もちろん、家賃は回収はできませんでした。こうした夜逃げの問題に対処するために家賃保証会社に入るように義務付けたのです。2回目は保証会社に入っていて本当に助かりました。実は夜逃げは、裁判所を通じて「建物明渡訴訟」を行う必要があります。この訴訟をしない状態で、勝手に住人の部屋の中に入ると住居侵入罪に問われる可能性があるのです。ところが、住人が家賃保証会社に加入してくれていると、滞納した家賃も保証してくれるだけでなく、明け渡しの手続きを家賃保証会社が担当してくれます。

編集部:管理のリスクを減らすために家賃保証会社に加入することを義務づけるのは重要ですよね。

小林:そうですね。ただ、家賃保証会社の手数料は、入居者が支払うので嫌がられるケースもあります。連帯保証人で何とかして欲しいということなのですが、親族が遠くにいる場合は、リスクは低減されません。なぜかというと、家賃を滞納した時に連絡をしても連絡がつかない場合があるのです。リスクを軽減するのに一番いいのは、家賃保証会社に加入してもらい、連帯保証人をつけることですね。

「完全自主管理で驚異の稼働率を達成している理由」ママチャリ大家インタビューVol.2へ続く…

小林ヒロシさんの不動産投資手法がわかる『自主管理で年4000万円稼ぐマンション経営術』(洋泉社)。
自主管理で年4000万円稼ぐマンション経営術

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