元銀行マン覆面座談会Part2~メガ大家さんはどのように金融機関と付き合っているのか?!~ | 不動産投資を考えるメディア

元銀行マン覆面座談会Part2~メガ大家さんはどのように金融機関と付き合っているのか?!~

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最近、不動産投資家の間でちょっとした話題になっているのが、収益不動産の融資に積極的で業界でも審査が早くて有名な、とある銀行の融資体制の変化です。投資家に聞いてみると「融資が厳しくなっている」「なかなか融資が下りない」とか「融資審査のハードルが上がった」とのこと。融資体制の変化によって、いよいよ金融の引き締めが本格的になったのではないかと投資家もいます。

2016年に金融庁・日銀が、今後のアパート・マンション向けの融資に注意すると発表したものの、実際のところ各金融機関の融資体制はどうなっているのかは今一つ見えてきません。不動産投資は、融資があってこそ実践できる投資です。融資体制の変化は今後、不動産投資をスタートしたいというビギナー投資家にも大きな影響を与えると思います。

そこで元銀行マンの経歴を持ちながら、現在も融資付けなどで奔走している収益不動産投資会社の営業マンに集まっていただき、今後の金融機関の融資の方向性や成功している大家さんの金融機関とのお付き合いの仕方など、赤裸々に語っていただきました。

Part1に引き続き、覆面座談会に参加してくださったのは、元地方銀行出身で現在は収益不動産営業担当のAさん、元信用金庫出身で現在は融資先の開拓をしているBさん、元地方銀行出身で同じく収益不動産の営業担当Cさんです。

不動産投資家は、金持ち投資家、貧乏投資家に二極化!?

不動産投資家は、金持ち投資家、貧乏投資家に二極化!?

編集部:最近、知り合いの不動産投資家にインタビューをすると、以前までは融資に積極的だった銀行から、融資が下りないと言われたり融資審査のハードルが上がったりしたなどの話をよく聞くことがあります。史上空前の金融緩和が続いているはずなのに、これは本当のことなのですか?

元地銀Aさん:はい。どうやらそれは本当のことみたいですね。その銀行員ではないので、真実はわからないですが……。融資が厳しくなったということは表面的には、金融庁の視察の影響にしているみたいです。しかし、金融業界全体が融資の引き締めに動いているわけではなくて、より良い条件の貸出先に融資を絞っていると言えると思います。

編集部:たとえば具体的に言うと、それはどういうことになりますか?

元地銀Cさん:実は「融資が受けられない」「融資のハードルが上がった」と言っている人たちに共通している特徴があるんです。その一つは、彼らの年収が低い=個人属性が低いということ。年収が低いと言っても平均年収は500万円ぐらいの人たちですから、一般的には稼いでいる方なんですよ。しかし、不動産投資の業界ではそうはならない。年収1000万円以下の方は収入が低い方とみなされてしまう。何故ならば年収1000万円以上の方は、普通にゴロゴロいらっしゃるので、そういう方と比べると相対的に低く見なされてしまうということですね。

元信金Bさん:年収が低い方に限ってという話でもないのですが、担保評価が低い物件で、融資を受けようとしている人があまりに多いです。彼らが投資対象として選んでいるのは、利回りを重視した20年〜30年の築古物件です。残念ながらこれらの物件は金融機関としては担保価値が低く、融資の対象になりづらい物件であることが多いのです。最近の金融機関の融資方針としては新築や築浅など、どの金融機関でも資産価値が認められるような物件が喜ばれますね。個人属性が悪かったり物件の担保価値が低かったりすると、融資を断られるケースが増えてきました。一方で個人属性が良く、優良な物件には融資枠を拡大している、なんて話を聞くこともあります。

元地銀Aさん:実際、ファイナンシャルアレンジ(資金調達)が一番重要です。我々が苦労しているのが、金融機関の融資審査で良い評価が出る物件探しです。金融機関によっても物件の資産価値の見方が千差万別なので、こういう物件が金融機関に喜ばれるとは言えないんですが。しかし、根気よく探し続けるといいのが出てくるんです。この間も北関東で物件の積算価格が売買価格よりも上回っている物件が出て、オーバーローンを認めてもらえました。金利も1%を切ることができましたが、そういう物件を探すのが本当に大変です。

元地銀Cさん:『金持ち父さん、貧乏父さん』ロバート・キヨサキ著(筑摩書房)ではありませんが、不動産投資家も二極化するんじゃないかと思います。金持ち不動産投資家は、さらに多くの融資を受けられて大きく資産を伸ばしていく。一方、貧乏不動産投資家は融資が受けられずなかなか資産を増やせないという状態になっていく。なるべくなら金持ち不動産投資家になりたいですよね。RC造の収益物件を何棟も所有しているメガ大家さんの中には、何十億円、何百億円も金融機関から融資を引き出している人もいます。サラリーマンというよりは、ほとんど不動産会社のような人たちですが(笑)。

元地銀Aさん:資産を着実に増やしていきたいのであれば、不動産投資を始める前から「どういうプランで収益不動産を購入していくのか?」「その上で、最適な金融機関はどこか?」「金融機関が重宝する物件は何か?」ということを考えられる不動産会社を選ばないと投資どころではなくなってしまいます。

元信金Bさん:不動産会社は売れてしまえば、後は野となれ山となれというスタンスのところが多いものです。私の知り合いも金融機関のことを何も知らなかったため、勧められるがまま高い金利の金融機関で融資を受けてしまいました。サラリーマンをやっていると給料があるので、不動産収入は「マイナスが出なければいい」とか「ローンさえ支払えればいい」と言った考え方になりがちです。そうして、不動産会社に勧められるがままに買わされてしまう。そのような考え方だと結局、賃貸経営が回らなくなって危うく投資を失敗してしまいます。私が借り換えのアドバイスをして、金融機関に違約金を支払い借り換えしてなんとか利益を出すことができました。

元地銀Aさん:今後は物件の価格が上昇する一方で、家賃はそんなに上がらないため利回りはどんどん減っていく。だからこそ、ちゃんと金融機関と交渉ができる不動産会社を選ぶことが重要なのです。

法人化するメリットは節税だけではない

法人化するメリットは節税だけではない

編集部:ところで最近は、どのような投資家が増えてきましたか?

元信金Bさん:最近では、個人で収益物件を購入する人はほとんど見ませんね。不動産投資の本や情報のおかげですが、メガ大家さんと言われる投資家の方は個人の資産管理会社を設立し、金融機関から法人が融資を受け不動産も法人が所有するのが一般的になってきています。アメリカのお金持ちは皆、自分の資産管理会社をつくって節税したり、資産運用をしたりしています。日本も似たような流れになっていると言えるでしょう。ちなみに、野球選手のイチローも総資産200億円以上と言われている巨額な資産を資産管理会社で運用していますよ。

編集部:素人の考え方だと、設立したばかりの法人に多額の融資をするというのは、実際にはなかなか難しいことではないのですか?

元信金Bさん:融資をする相手は法人なのですが、個人の信用で融資の審査を行うので、設立したての法人でも基本的に問題ありません。節税の面から言っても資産管理法人で収益物件を所有した方がメリットは大きいと考えます。資産管理会社で収益物件を所有すると、まず所得の分散になります。所得が分散されれば、税金は累進課税なので安くなります。何より個人の時の税率と比べて、法人にした方が税率が低いというところがポイントでしょう。また、個人と比べて法人の方がさまざまな必要経費を認められやすいのでメリットも大きいのです。ただ、年収1000万円以下の投資家は、法人のランニングコストがかかり過ぎる可能性があります。

元地銀Cさん:資産管理会社をいくつも設立して多額の融資を金融機関から引き出しているメガ大家さんも多いようです。個人ではなく、法人で借り入れをしているので、他の金融機関の借入総額を知らずに融資を実行してしまうケースも少なくないようです。そうは言ってもまぁ、ある程度は知っていると思いますけど…。金融機関ごとに法人をつくれば理論上は無限に融資を実行できることになります。もちろん、金融機関によっては融資総額を厳密に調査するところもあるので、法人をつくればすぐに融資額を増やすことに繋がることにはなりませんが……。法人化で大きな融資を引くという方法も今後、マイナンバー制度がさらに広まってお金の流れがガラス張りになれば、そうした融資の受け方は難しくなる可能性もありますね。

元信金Bさん:法人をたくさん設立することのデメリットもあります。たくさん法人を設立すれば、設立した法人ごとにコストがかかるものです。また、飲食費用などの経費も設立した法人で按分されてしまいます。法人の数が多ければ多いほど、経費の節税効果は少なくなってしまう逆効果もあるのです。

建物を購入した時にかかる消費税が還付される!?

建物を購入した時にかかる消費税が還付される!?

元地銀Aさん:「消費税の還付」を受けるために法人を設立する大家さんもいます。「消費税の還付」とは、払いすぎた消費税を戻してもらうことを言います。購入する物件には消費税がかかります。物件価格が高ければ高いほど、課税される金額も高くなります。なかには消費税額で数百万円、数千万円単位になってしまうこともあります。

このため、消費税の還付ができるかできないかでキャッシュフローの状態が大きく変化します。ただし個人で消費税の還付を受けるのは、事業の実態が把握できないために難しいと言われています。そこで法人化して消費税を還付する投資家が多いのです。還付を受けるには、課税事業者であることが条件です。収益不動産を購入すると建物には消費税が課税されるのですが、一方で収入になる家賃には消費税が課税されないということになっています。つまり、免税事業者になるのです。消費税の課税業者でないと消費税の還付を受けることはできません。そこで課税事業者になって還付を受けるのです。

編集部:消費税の還付は、いろいろ話題になりましたね。自動販売機を設置して課税事業者になる方法などもありました。

元地銀Aさん:そのスキームは法律で無効になってしまったのですが、それ以外にも色々な方法を活用して課税事業者になることができるスキームがあります。法律が改正されたため3年ほど課税事業者にならなければならないのですが、消費税の還付自体はできます。ただし、新しいスキームで依頼できる税理士はかなり限られると言われています。

編集部:不動産投資と金融機関は切っても切れない間柄ですが今後、物件の供給バランスが崩れ、利回りが上がり続ける中でファイナンシャルなアレンジができる不動産会社の重要性を知ることができました。皆様ありがとうございました。

まとめ

不動産会社は売ってしまえば、後は面倒を見てくれないというのが普通です。「金利が高くても売れさえすればいい」それが一般的な不動産会社なのです。しかし、金利が高いところで借りて投資を始めてもいずれ苦しい立場に置かれてしまうでしょう。そのようなことがないように、金融機関への交渉もしてくれる、あなたのパートナーになってくれるような不動産会社を選びましょう。

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