元銀行マン覆面座談会Part1~低属性でも融資が出る金融機関の特徴~ | 不動産投資を考えるメディア

元銀行マン覆面座談会Part1~低属性でも融資が出る金融機関の特徴~

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2017年2月に日本銀行から発表された貸出先別貸出金のデータによると2016年9月の国内銀行によるアパートローンの貸出残高は、前年度比4.5%増の22兆224億円になりました。貸し出し残高全体の伸び率が2%台で推移していますが、地域金融機関を中心にアパートローンだけは倍の勢いで貸し出しが増えているため、金融庁・日本銀行が監視を強めています。

このような金融情勢の中で「今後、アパートローンの融資体制がどうやって変化していくのか?」ということは個人投資家であれば、誰でも気になるところです。また、融資体制が厳しくなれば、年収が低かったり貯金がなかったりして低属性な投資家は不動産投資をすることすら難しくなる可能性があります。一体、今後不動産投資の融資体制はどうなるのか?

元銀行マンの経歴を持ちながら、現在も融資付けなどで奔走している収益不動産投資会社の営業マンに集まっていただき、赤裸々に語っていただきました。参加してくださったのは、元地方銀行出身で現在は収益不動産営業担当のAさん、元信用金庫出身で現在は融資先の開拓をしているBさん、元地方銀行出身で同じく収益不動産の営業担当Cさんです。

不動産投資を始めるのが難しくなる「金融引き締め」がいよいよ到来?!

不動産投資を始めるのが難しくなる「金融引き締め」がいよいよ到来?!

編集部:2016年12月に、金融庁・日銀がアパートローンの貸し出しに対しては今後、監視をしていくという報道が大々的になされました。金融機関の新規開拓の現場の感覚から、今後、金融機関はどのような体制で臨んでくると思いますか?

元地銀Aさん:金融機関の貸し出し先全体で見ると個人の貸家業、つまり、不動産投資の貸出残高が突出しています。これは、空前の不動産投資ブームの影響もあるのですが、それよりも2016年に施行された相続税の実質増税の影響の方が大きいと僕は思っています。主要駅の近くに土地をたくさん持っている地主が相続税の節税対策として土地にアパートを建てて節税する方法が雑誌やテレビなどで大きく取り沙汰されました。不動産会社も金融機関とタッグを組んで一気に営業攻勢をかけていますから。こうした相続関係の需要によって貸出額が伸びたことも大きいのではないかなと思います。

元信金Bさん:地方金融機関にとっては、アパートやマンションの建築や購入などで貸出額を伸ばせるというのは、とてもメリットのある話なんですよ。なぜかというと、企業の設備投資や運転資金のための事業性融資の需要がほとんどなくなってしまっているからなんです。金融機関だって慈善事業ではありませんから、経営のために貸出額を減らすことは難しいと考えるでしょう。結局、個人の貸家向け融資を拡充しないと経営が難しくなる。健全経営のために、今後もアパートローンの貸し出し額を伸ばすしかない。今後はそういう内部事情を抱えた金融機関にターゲットを絞って金融機関の開拓を行なっていくつもりです(笑)。

編集部:金融機関のそれぞれの内部事情についてはよくわかりました。しかしながら、何らかの引き締めみたいな動きはあったのでしょうか?

元地銀Cさん:つい先ごろ、金融庁の視察が各金融機関であったそうです。そこで2017年4月以降は、各金融機関で個人の貸家向けの融資が引き締められる予定になっているようだとか。ですので、4月以降は収益不動産の金融機関の融資情勢が大きく変わる可能性がありますね。

編集部:仮に2017年4月以降に不動産投資に関わる融資の引き締めが行われた場合、具体的には、何が起こるんですか?融資が通りにくくなるとかですかね?

元地銀Aさん:すでに一部の金融機関ではスタートしていますが、たとえば融資が可能なお客様の属性のハードルがすごく上がっている感じはします。融資に積極的なある地方銀行では、2年前までは年収1000万円の人を中心に融資をしていたのに、2017年には最低年収は2000万円になりました。融資を受けられる個人属性が最近すごく上がっているのも金融庁の影響かなと思いますね。

元信金Bさん:金融庁・日銀は、融資が実行されることによって、アパートやマンションが建築されたり新たに購入されたりするものの、貸家の供給量に対して実際の入居需要とのアンバランスを気にしているそうです。アパートやマンションの空室率も平均を見れば、高く感じますが、実際にはエリアごとで全く貸家の供給が追いつかないところもありますし、2020年を超えても人口が増加するエリアもあります。一概にアンバランスとは言えないんですけどね。

低属性の人でも、融資を受けられる金融機関とは?

低属性の人でも、融資を受けられる金融機関とは?

編集部:しかし、融資の方針が厳しくなる方向に変わっていくということであれば、年収が低いとか、これといった金融資産がない低い属性の人は融資を受けるのは、これから厳しくなりそうですね……。

元地銀Cさん:金融機関によって融資体制も審査のしくみも全く違うので、低い属性の人が融資を受けられないとは、一概には言えないと思います。ただ、低い属性の人が借りられる金融機関やエリアが限られてしまいますが……。

編集部:たとえば、どのような金融機関から融資を受けることができるのでしょうか?

元地銀Cさん:たとえば、日本政策金融公庫などは属性が低いという人にはお勧めです。金利は1.5%ぐらいですね。この金融機関は政府系金融機関で不動産投資に関わる融資だけではなく、国の政策に基づいて事業資金や運転資金を積極的に融資しているので、低い属性でも融資を受けられる可能性が高いです。もう一つは“住宅ローンの最後の砦”と称される、とある金融機関です。この金融機関では、永住権を持っていない外国人に融資を出しているという噂も聞きますし、最悪ブラックリストに載っている人でも融資が出るなんて噂も聞いたことがあります。ほかにも融資できるエリアが限定されますが、信用組合や信用金庫も狙い目です。現在は小規模になればなるほど、融資は出やすい情勢になっているのが2017年3月の状況です。ただし、融資は出るけれども、金利条件は悪くなります。そうはいっても、金利は高過ぎるわけではなく、2〜3%ぐらいです。

元信金Bさん:年収は500万円ぐらいで、資産もゼロだったお客様のファイナンシャルアレンジ(資金調達)をしたときに、地方銀行に融資を依頼したらダメでノンバンクに審査を出しても落ちてしまった人が、最終手段で地元の信用組合で審査を出したら融資が下りてしまったことがありました。

元地銀Aさん:だから低属性の人は、信用金庫や信用組合に融資を依頼するのが物件を購入できる近道になると思います。もちろん、信用金庫や信用組合を活用することのデメリットもあります。それは、選択肢が少ないということ。支店が限られるので、実質的には自分が住んでいるエリアの物件しか買えません。このため、東京に住んでいる人が大阪の信用金庫から融資を受けることは難しいです。もちろん、住民票を移動しただけではダメ。住んでいる実態が必要なのです。金融機関のエリアが限られる上に、自分の住まいのエリアの収益物件しか融資は下りないということになります。

元信金Bさん:選択肢の幅が限定されてしまうだけでなく、購入価格も限定されます。たとえば、年収500万円であれば10倍の5000万円の物件です。アパート1棟購入したら、それで終わり。買い増しをしていくのは難しいですね。

ファイナンシャルアレンジができる不動産会社に依頼しよう

ファイナンシャルアレンジができる不動産会社に依頼しよう

編集部:金融機関へのアプローチは、自分でいきなり金融機関にアプローチをしていいのでしょうか?

元地銀Cさん:一見さんでアポなしで支店に来られて「この物件を買いたいのですが……」と言われる方がいます。私も元銀行員をやっていたので、このような方に何人もお会いしたことがあります。融資をして欲しいというお客様についてまず思うのが、「この人は、本当に買えるのかな?」という素朴な疑問です。もちろん、一見さんでも「それでは、貸せません!」と言って追い返すことはありません。銀行も商売ですから「これくらいの融資はできるのではないか?」などと適当に言って帰ってもらうんです。

編集部:自分で飛び込みをすると、なかなかハードルが高いようですね。私の知り合いにも笑顔でっ優しく対応してくれたので、融資が下りるかもしれないと期待したのに、音沙汰がなかったということがあったそうです。

元地銀Aさん:実際に稟議を上げようとするとA4用紙で20枚から30枚書かなければいけないんですよ。その人に対して正式に融資ができるかどうかも分からないのに話を進められませんよね。しかし、不動産会社から話を持ってきてもらった人は、買えるということを前提で話を聞くことができます。

元地銀Cさん:それにその金融機関と懇意に取引をしている不動産会社だったらちょっと金利を頑張って下げてあげてもいいかと考えるものなのです。だから一見で行くよりは、不動産会社に依頼したほうがいいと思います。そして、年収や勤め先といった個人の属性などの情報の伝え方もとても重要なのです。情報を伝える順番を間違ったり、情報の伝え方を間違ったりすると扱いが180度違うなんてこともあります。そのようなことは、金融機関とのコミュニケーションを上手にできない不動産会社でないと難しいと思います。自分一人で行くとうまく行くことも行かなくなってしまうことがあるのです。

編集部:結局のところ、どんな不動産会社がいいのでしょうか?

元信金Bさん:ホントに定義が難しいですけどね。所有している物件数が多いとか、割安な物件を所有しているとか、担保評価が出やすい物件を多数所有しているとか色々あると思います。ただ、一番重要なのはファイナンシャルアレンジ(資金調達方法)をしてくれる不動産会社が一番貴重だと思います。

元地銀Aさん:僕もそう思いますね。知らない人が多いのですが実は、ほとんどの不動産会社が、金利の高い金融機関としかお付き合いがないところばかりなのです。

元地銀Cさん:同感ですね。ファイナンシャルアレンジが得意な不動産会社はインターネットで調べると出てくると思います。最近では、投資家の間でもより金利の低い金融機関を紹介してくれる不動産会社に変えたなんて話もよく聞きます。金融機関との融資のやり取りをした知識や経験のない不動産会社に当たってしまうと、その後の投資に行き詰まってしまう可能性が高くなります。だからこそ、ファイナンスアレンジ力に長けた不動産会社を選ぶことが必要なのです。

まとめ

「元銀行マン覆面座談会Part1~低属性でも融資が出る金融機関の特徴~」はいかがでしたでしょうか。
相続税の増税、不動産投資ブームの到来の2つの大きな流れが重なったことで起きた金融庁・日銀の融資体制の管理。銀行マンたちの噂では、2017年4月以降は融資体制に変化が見られる可能性があります。

融資に対する情勢が変化している中では、融資のことを全く知らない不動産会社に依頼するのではなく、金融機関の情勢に詳しく、融資のアレンジも得意な不動産会社に依頼することが、投資を成功させる大きなポイントになります。

座談会では、金融機関によっては融資へのスタンスが大きく違うということもクローズアップされました。低い属性でも金融機関を選んだり、エリアを限定したりすることによって、十分融資が受けられることもわかります。Part2では、不動産投資にまつわる融資の裏事情をさらに詳しく深掘りをしていきたいと思います。

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