外国資本の流入が進む「ニセコ」。爆買いによる問題とは?! | 不動産投資を考えるメディア

外国資本の流入が進む「ニセコ」。爆買いによる問題とは?!

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外国資本の流入が進む「ニセコ」。爆買いによる問題とは?!

北海道のニセコ町を中心としたニセコエリアは数十年前から外国人が旅行に来るリゾート地として世界的に人気の高いエリアです。人口約5000人の町に2015年には外国人だけで年間約19万人が訪れるなど近年注目を集めています。
その訪日外国人は最近それまでのオーストラリア人からアジア系外国人へとシフトしており、アジア資本の爆買いによる問題が起きているとも言われています。今後、日本は観光立国として訪日外国人を現在の2倍に増やすことを目標としており、ブランド力がある地域ではニセコのように外国資本の爆買いが進むかもしれません。そのニセコの現状をご紹介します。

アジア系の外国人が急増

2016年の訪日外国宿泊客延べ数は、20万4494人。このうち中国・香港・台湾・韓国・シンガポールのアジア圏で約7割が占めており、アジア圏の旅行者が急増していることがわかります。
ニセコ町の統計資料によると、外国人居住者は2006年では26人でしたが、2016年には225人と約10倍に増えています。こうした外国人居住者は毎年12月~翌2月の冬季シーズンに多くなると言われています。そのため外国人観光客に対応するスタッフも必然的に多くなっています。

オーストラリア人が開発したニセコの魅力

ニセコ町がリゾート地として世界的に有名になった観光地開発は、1990年頃から行われていました。ニセコのパウダースノーに魅せられたオーストラリア人が移住するなど、口コミによってニセコの魅力が次第に広まっていったのです。その後、2000年代に入ると、急激な経済成長を遂げた中国や韓国など周辺アジア諸国にも人気が出てきました。オーストラリア資本のホテルや別荘で雇用される人やツアー会社で働く人も増え、人口減が収束。地元で暮らす人も増えたため、出生率も上がり、2012年には10.8ポイントまで上昇しました。
全国平均は8ポイント、札幌は7.1ポイントとニセコ町というリゾート地のブランド化によって出生率にも良い影響を与えていることがわかります。

ニセコで爆買いを進めるアジアマネー

ニセコエリアは、昔から住民自治が行き届いており、住んでいる人にとって重要なことは全ての住民が参加して決めるという風土があります。リゾート地の開発もその重要項目の一つ。町のブランドを守るために厳しい規制があることでも有名です。たとえば、「町の景観に配慮する」、「地元住民と協力して町の発展に寄与する」など、そうしたことに配慮できない外国人移住者や企業はニセコに移住するのが難しい場合もあります。そのように官民共に発展してきたニセコエリアですが、外国資本、とりわけアジア圏のホテルや別荘の買い占めが近年急増しているといいます。ここ2〜3年でオーストラリア人が所有していたコンドミニアムや別荘などが売りに出され、その価格が2倍以上に高騰、億単位の物件が飛ぶように売れているというのです。

買主は主に香港やシンガポールでビジネスを経営している資産家などが中心です。ニセコエリアのブランド価値が世界的にまで向上した結果、中国のみならず、スキー初体験で雪すら見たことのない周辺のアジア系観光客がニセコに旅行に行くようになった結果、資産家がアジア人の需要を見込んで、コンドミニアムや別荘を購入するケースが多いといいます。物件の管理は全てニセコにある不動産会社が管理してくれるため、毎年冬のトップシーズンには、自分たちで住み、オフシーズンに貸すという人たちも増えています。
一方、ニセコエリアへのアジアマネー流入による爆買いが続いたことで、地価の高騰が続きました。エリアによっては、1坪300万円以上する場所もあるといいます。
こうした億単位のコンドミニアムや別荘をアジアの富裕層に仲介しているのが、日本政府や自治体の統制が効きにくい外国資本の不動産会社です。オーストラリアやニュージーランドなどの不動産会社で、アジアの富裕層向けにネットワークを持ち、コンドミニアムや別荘を売買しています。長年の経験で富裕層による太いパイプが構築され、現在では口コミ経由で物件が売買されるケースも珍しくないといいます。

ニセコに明日はあるのか?

現在ニセコエリアでは、もともとニセコをリゾート地として開発し、発展させてきた担い手であるオーストラリア人に変わって、中国や東南アジア系の人たちが爆買いによって多くの土地を所有しています。急激にアジア富裕層の土地の所有が増えているだけでなく、彼らは1年を通じてニセコにいないケースがほとんどです。
ニセコに住んでいる人たちとの交流も必然的に少なくなりますし、協力しあう体制も整えるのが難しくなるでしょう。町のルールに従えずに、外国資本によってニセコエリアのブランド力が下がってしまう可能性も大いにあるのです。ひとたびブランド価値が下がれば、ニセコエリアへの集客も難しくなり、オーナーが我先に土地を手放そうと空き家が急増する可能性もあります。そのようなケースが増えれば、土地やその街自体が荒廃し、ゴーストタウン化してしまう可能性もあるのです。
現在、日本ではニセコのように世界的にブランドが高い街があります。そうした街を狙っている外国資本もたくさんあるのです。そうした外国資本をうまくコントロールできなければ、歴史ある景観や街のブランド価値が大きく下がることにもなりかねません。そのエリアに土地や物件を所有している日本の一般投資家にも影響が出てくるでしょう。今後の政府や自治体の規制がどうなるのかが注目されます。

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